9話 試験2日目 思ってた面接と違う
次の日学園に行くと
面接の順番は貼り出されていた
俺の名前を探すと最後にあった
最後か~暇だな~
「すみませーん」
大体の待ち時間を聞くために事務所を訪ねてみた
「おはよう、なにか用かい?」
「面接一番最後みたいなんですけど、どのくらい時間かかりますか?」
「そうだね昼までには毎年終わってるから、あと2時間は掛かるんじゃないかな」
「そのくらいですか、ここの図書室か図書館かわかりませんが利用できますか?」
「一応部外者は立ち入り禁止だからねえ、おとなしく待ってて欲しいかな」
「わかりました、お時間取らせてしまってすみません、そうですねおとなしく運動して待ってます」
「おとなしく運動?」
もう事務員さんの話を聞かずにホールで筋トレを始めた
「君」
「ふぅ~、いい汗かいた~」
「君、聞いてるかね」
「え、あ、はい、なんでしょうか?」
「受験生のシーゲルだね?」
「はい、そうです」
「君で最後だから面接会場の第二会議室まで来なさい」
「はい」
俺の番が来ていることに気付かずに筋トレに集中してしまった
減点とかになってないよな?
ノックしようとすると俺を呼んで来た先生らしき方が
「いいから入りなさい」
とそのまま扉を開けて中へと引っ張られた
中に入ると誰も居なかった
1:1タイプの面接だったのか
3人くらいに見られながらやる面接よりはいいかも
いや俺はすでに印象がよくないからなこの人との面接は最悪かもしれない
「ここに座りなさい」
「はい」
座ったらテーブルに用紙が置いてあった3枚の試験用紙?
面接は?
「それを解いてから隣の第一会議室へ行きなさい、用紙はそのまま置いたままでいい私はここで見ているから」
「はい」
もう、はいとしか言えない面接は?
なんか昨日と同じようなのに昨日より難しいのと次元の違うのとなんだこの3枚は
簡単に言うと
一枚目は 歴史 算数 理解度の確かめ
二枚目は 近代史 算数と数学 魔法の種類等
三枚目は 古代語? 数学(高校レベル?)よくわからない計算式がある 魔法の可能性について
三枚目はなんか意味わからない
というかこの問題の正解ってなんだ魔法の可能性についてとかわからない
とりあえず テキトーに埋めてみた2時間ほど掛かってしまった
「終わったので隣の会議室に行ってきます」
返事が無かったが、そのまま扉を開けて隣の会議室をノックする
「入りなさい」
中から声が掛けられたので扉を開ける
「失礼します、シーゲルです、よろしくお願いします」
「そこにかけなさい」
「はい」
そのまま椅子に腰掛ける
「君は優秀見たいだね、でもそれが不正じゃないかという者も居てね、今回再試験させてもらった、君には魔法を使っている形跡が認められるのだが何か言い訳はあるかね」
「はい、私は常に身体強化と魔力強化をかけています」
このスキルが不正を疑われた原因だったのか常にかけてたから失念してたな
「何故、常にその状態なのかね?」
「はい、常に強化状態によって魔力を常に消費して魔力の流れや魔力の消費による疲労などを慣れによって今はそれが正常な状態としてこれが私にとって普通になっています、私は将来の為に何日でも野外で生活することがあっても身体強化が続けられるように魔力を常に鍛えているのです」
「なんと・・・」
その時扉をノックする音がして扉が開く
「すみません、失礼します、これが試験結果です、それと不正に関してですが、魔法は使ってますが、特に試験に関係しているとは見受けられませんでした」
本人を目の前にすごい会話だな、この世界は皆こんなに誰の前でもこんなことを話すのか?
「この結果は本当かね?」
目の前の男は俺の解答結果に驚いているようだ
なんか驚かせてるようなことをしたのかな?
「この三枚はね、一枚が新しく作った試験問題、二枚目は中等学園の入学試験問題、三枚目が上等学園の入学試験問題だ、君の成績だと上等学園にも入学できる、学力があるそうだ」
俺そんな問題やらされてたのか
「そして、実技は5歳という年齢を考慮して授業には参加はできないが、試験官が言うには「格闘術に関しては一発も試験官の攻撃が当たらずこちらが一撃くらって伸びてしまった」と言っていたくらいだ、君はどうしたいかね、私たちとしても少し困惑している」
ウソ、合格、不合格のレベルじゃないな、なんだこれ上等学園に入るかどうか聞かれてるのか?
「はい、俺は今年は下等学園で1年過ごしたいと思っています、しかし、実技が無いのでその時間を使い、4年までの学業を終わらせたいと思っています
申し訳ありませんが俺にはあまり金がありませんので入学料と学費が中等や上等学園では払えないのです」
「何を言ってるんだ?むしろ私はこの王立エトロ学園では特待生という待遇で学費やその他もろもろすべて援助するつもりでいる、金銭面では気にすることではない
この学園の生徒である間は君には下等中等上等のすべての学園での出入りを許可しよう
好きに勉学に励むといい
この場で入学までの手続きもしてしまうので、次に会うのは入学式か?それとももう入寮するか?いや君専用の研究室や生活スペースも作っておこう、なので次は入学式の時来てくれ
これから渡す書類に日にち等書いてあるよく読んで置くように」
そう言って、いろいろな必要書類を出して手続きを終わらせた
「失礼しました、この学園に入れて嬉しいです、ありがとうございます」
面接後の挨拶とは思えない言葉を言いながら退出することになった
なんか大げさなことになったな
なんか王道っぽくない展開だけど主人公っぽい展開なのでは
いや違うこれは主人公のライバルポジションで、下から根性で上がってくる主人公に負けるためのかませ犬ポジションだ
この現状に甘んじたりしないでもっと精進しなくてはいつか挫折させられる、一緒に競り上がったライバルは親友になれるが、急に現れる学年一位的存在なんて挫折を味わって復讐をしようとして牢獄行きのポジションじゃないか
この世界は俺にそんな役を求めてるのか、確かに俺は英雄になる存在じゃないとわかっているがそのポジションにはなりたくないかませ犬は嫌だ
そんな事を考えながら宿に帰ってきて
「どうだったね?」
と女将さんに聞かれたので「合格しました」とさらっと言って部屋に戻ることにした
俺は合格とかより、どうやってかませ犬ポジションを回避出来るかで頭がいっぱいだった
読んでいただきありがとうございます