8話 入試一日目
筆記試験は簡単だった
まず自分の名前を書く事
国の歴史を知っているかという質問に「はい」か「いいえ」の二択に
はいを選んだ人はここに書かれている問に答えなさい的なのを十問答える
あとは簡単な計算とか
魔法の知識を書くだけとか
王立の学園とは思えない簡単さだった
貴族も平民もバカにされてるのか?
しかも試験時間3時間とか20分もあれば終わる試験だった
俺は見直しも兼ねて30分で解答用紙を試験官に渡して試験会場をあとにした
次の実技の試験会場に行ってみるとすでに試験官が居た
後2時間以上筆記試験の時間があるのに早いな
「すみません、試験官の方ですか?実技の試験はもう受けられるんでしょうか?」
「ん、まだ筆記試験が始まってまだ1時間もしていないが、諦めてこっちに来たのかね?」
「違います終わったのでこちらに来ました」
簡単すぎたとは流石に言えないな
「そうかまあ終わったからと言ってすぐ出てきてしまうようじゃ、出来てるかどうかは怪しいが、実技の試験はもう受けられるぞ」
「ありがとうございます、実技の試験は何をすればいいんですか?」
「基本は得意な魔法を使うことだな」
「すみません、魔法は強化の魔法以外はこちらに来てから学ぶつもりだったのでそれだけでも大丈夫ですか?」
「ここに来てから学ぶつもりだったのか些か遅いと言いたいが小僧の見た目だとまだ二回目の儀式もまだだろう」
「はい二回目の儀式は10歳で行うので5歳の俺はまだ1回目の儀式だけです」
「やはりそうか一応実技は10歳以降と決まってるんだが、強化の魔法に些か興味がある、ちなみにこの学園のというかこの国の学生に10歳以上が多いという理由は実技科目が2回目の儀式を受けたものにしか授業が受けられないという現実があるからだ
実技に参加出来ないと確実に首席は取れないし上位に食い込むこともできないからな」
「そうだったんですか、でも興味があるってことは、試験は受けられるんですよね」
「ああ、俺も戦いたいからな」
「あ~試験は模擬戦ですかそれとも肉弾格闘戦ですか」
どうやら試験官はバトルマニアの類の人間のようだ、もうすでに戦闘態勢に入ってる
「どっちもだ」
と言った瞬間に目の前に迫っていた
俺は右に逃げる姿勢を取りながら四肢強化のスキルを使い
反対の左へ飛び試験官の視界に入らないように後ろへ回る
試験官も気づいているのか、こちらを見ずに裏拳を放って来た
思わず顔ごと体を反る形で避けるとそのまま足を地面から離し試験官の頭に蹴りを入れる
試験官も流石にこれは躱せなかったのか吹っ飛ぶ
一旦離れて様子を伺うが試験官が起き上がらない
一撃で終わってしまったようだ
「あれ、試験官の人とても早かったしなんか迫力あったのに、もしかして防御力無い代わりに早い人ってことかな?」
仕方がないので試験官を起こすことにした
「すみません大丈夫ですか?」
「あ、あ、大丈夫だ、それより本当に5歳かすごいダメージをもらったぞ」
「強化の魔法のおかげです」
いや~俺思ってたより強くなってたんだな、でも満身はできないな、
この人が弱いとも限らないし、よくあるパターンだこの大陸は実は最弱の大陸でほかの大陸に行ったとたん強い奴が居たりするに違いない、そうだ努力しなくなったとたん、きっとほかの転生者は死んでるに違いない、
俺は強くなり続けてやる、固く心に決意を刻むのであった
「試験結果ってどうなりますか?」
「魔力もあるみたいだし5歳でその動き、俺の評価は満点にしておいてやるよ、お前名前は?」
「シーゲルです、貴族ではないので、平民なのでシーゲルだけです」
「まあ5歳児はお前だけだろうし名前なんてわからなくても大丈夫だろ」
名乗ったのに覚える気ないとかひどいんだけど
その時実技室の扉が開いた
「すみません、ここにシーゲルという受験生は居ませんか?」
「はい、俺ですが?」
「あなたがシーゲルですか?」
「はい、そうです」
「そうですかじゃああなたは、不合格です」
え?何それ不合格ってなんだよ、俺何したっての?
「俺なにかしましたか?」
「あなたは筆記試験を30分で抜けましたね」
「はい、その通りです」
「30分で抜けたにもかかわらず解答用紙は満点で魔法の知識については中等3年生レベルの解答をしています」
「家や街の図書館にあった魔法書から得た知識です」
「不正や替え玉を使ったんじゃないですか?」
「本人目の前に替え玉ってなに言ってるんですか?」
5歳児の替え玉ってどうやるんだよ?この世界、変身する魔法でもあるのか?
「おいおい、お前何言ってるの?こいつ俺をこの場で倒すだけの実力者だぞ、不正とかじゃなく優秀なんだろ、認めろよ」
おっ、実技の試験官が俺をフォローしてくれてる
いいぞ頑張れ実技の試験官
「うるさい、不正があったに違いないんだよってシーゲルは不合格だ」
なんだこの理不尽、流石に切れていいよね、ちょっとムカついたので壁を殴っておいた、めっちゃ本気で
ドゴン!!
陳腐な音がして拳から直径1mくらいの壁が無くなった、あっ本気で殴りすぎた
「すみません、壁がなくなっちゃいました」
「いいよ、こいつに弁償させるから、優秀なものを認めなくなったらこの学園というか国が終わるぞ」
実技の試験官が少し規模の大きいことを言い出した、そして筆記の試験官は黙っている
「この学院はエトロ様の後継者を見つけるため優秀なものを集めるって始まった学校だぞ、お前は今までどれだけ平民出の優秀な者を潰してきた、ダメな貴族がこの学校を出ても後継者なんて現れないぞ分かってやってるのか?貴族にも平民にも優秀な者は居るんだぞ、それをダメな高位貴族ばっかりいい成績つけたり、この国腐らせてどうする気だ?」
5歳児にはきつい話すぎるぞどうしたらいいんだろう
「話を中断しで申し訳ないのですが、俺は不合格なんですか?」
ちょっと威圧してる感じで筆記の試験官に訪ねてみたが、何故か持ってる魔力放出する感じになってたみたいで魔力の圧力で試験官が吹っ飛んで
吹っ飛んだ先で泡吹いて倒れてしまった、あ~どうしよう
「まぁなんだ、俺がうまく言っておくから明日来い今日は絶対合格にしておいてやる」
実技の試験官がそう言ってくれてるのでお言葉に甘えて帰ることにした
頭を下げたがなんて声を出せばいいかわからなくなったので
そのまま無言で帰ることにした
宿では女将さんにどうだったか聞かれたので
「完璧」
と答えておいた、ゴタゴタはあったが俺は筆記でも実技でも満点なんだから大丈夫だ
でも俺は考えていた
なんで俺には王道の展開がないんだ
読まれた方に感謝を