6話 変なおっさんに出会う
冒険者ギルドへたどり着いた俺はまず人が少ないことを確認してカウンターに向かった
「すみません、登録したいんですが」
「はいはい、あらっ随分小さい子ね」
朝とは違う人のようだ、この人なら登録してくれるか?
「とうとくにきました」
やべっ噛んだ、子供だしいいか
「とうとくね」
うわっめっさ馬鹿にされた、超にやけてるし、この人チェンジだな
「ほかの人はいませんか?この受付人を小馬鹿にするんで!」
割と大きい声で言ってやった、驚いたようにこっちを見てその後睨むような視線を感じつつ
無視してほかの人を探した
朝の人が居たので声をかける
「朝のお姉さんですよね、朝登録しようとした時に忙しいからって昼過ぎにって言ってましたよね、来たので登録お願いします」
「中に入ってきちゃダメじゃない、わかったわよ登録ね、朝言われた通り個室も用意してあげたわよ、個室で何しようっていうのよ」
「レベルを測って欲しいだけですよ、冒険者ギルドなら測れますよね」
俺が直接見せてもいいけど世の中には隠蔽系のスキルもあるらしいのでごまかせたりするらしい
隠してるとわかるステータスの見方があるらしいのでそれをしてもらうことにした
住んでいた町で情報収集は頑張ったので知っていた
はい、そこの方、情報収集してたなら自分の店の状況知らないんだとか思わないように
俺だってそんな情報他所から集めようとは考えてないので気づかなかったんですよ
個室に入りレベルを測ってもらった
「ステータスの隠蔽はしてないので、レベルだけしか見せられませんがこれでレベルは見ていただけましたよね」
レベルの表示以外を手で隠して見せてみた
係りの人は時間が停止したかのように固まって3秒ほどして絶叫した
「うそ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
俺のレベルは255という数字を出していた
レベルを確認したのが何日か前だったので少しレベルが上がっていたようだ
「あなた年齢誤魔化してないわよね」
「5歳です」
「5歳で255って生まれつき魔力でも高いの?」
「1歳の儀式の時はレベル1でした、魔力は普通だったと思います」
「きっとなにか授かったのね、だからレベル以外は手で隠したのね」
「内緒です」
答えたら前世の記憶バレちゃうじゃん、言えるわけないよ
「でも、ウソや隠蔽系のものは使ってないのはわかってくれましたよね」
「確かにそうね、そういう反応はなかったわね、じゃあ登録しましょう」
「いいんですか、随分あっさりしてますね、もしかしてギルドマスターとかいうオチですか?」
ついに俺にも王道的展開が来たのか?
「私はただの一般職員ですよ、幹部でもありません、こんなものは手続きです。さっさと終わらせますよ、じゃあここに必要事項を記入して、そうそう、書けたわね、じゃあこのまま待ってて」
全然王道じゃなかった、俺には王道展開は来ないらしい
「お待たせしました、これがギルドカードですレベルと貢献度がここに出るようになりますので確認してください
それではギルドでのクエストの詳細を説明させていただきます
レベル的には200以上の掲示板から受けられますが
年齢的にも経験的にもレベル30未満の掲示板をお勧めします」
いろいろ説明を受けた
このレベルが見れるようになってから
戦士職や魔法職、格闘家職の方にはレベルで掲示板からクエストを選んでもらうそうで
ほかの職業の方にはレベルではなく貢献度でクエストを選んでもらうシステムになっているらしい
レベルが筋力魔力気力のせいで弓職とか盗賊職はわかりづらいらしい
パーティの場合は戦士魔法格闘がパーティ内に複数いる場合その平均のレベルが基準になる
一番下の掲示板で
貢献0~100もしくはレベル30以下のクエスト掲示板
貢献100~200もしくは31以上50以下のクエスト掲示板等
細かく分類されており
俺は貢献度でクエスト掲示板を選んだほうがいいと勧められたのだ
俺もどのくらい出来るのかわからないし、死にたくないので首を縦に振った
「ありがとうございました、なにか出来そうなクエスト探してきますね」
そう言って俺は個室を出てクエスト掲示板に向かった
「これお願いします」
俺は30未満の掲示板から良さそうなのを見つけてカウンターへ持っていった
「はい、これですね、気をつけて」
「じゃあいってきます」
クエストの内容を見てないのかクエストが受けられてしまった
俺の受けたクエストは
なんか面白いもの見つけて来い 依頼主 ジャスク
としか書かれていないものだった
報酬も期限も何もなく依頼人の名前だけ
でも俺は興味を惹かれたので受けてみた
とりあえず 手作りで 竹とんぼ風の木で作ったやつを 一応飛んだが竹とんぼより重いしすぐ壊れそうだった、竹とんぼって竹だからなんだと改めて思い知った
ほかにも作りたかったが日が暮れてしまうのでこれだけ持っていった
ジャスクさんは結構すぐ見つかった住所の何もないから心配だったが
聞いた瞬間「あの人なら学院近くの・・・」皆同じ事を言っていた
どれだけ有名人だよ、とか思いながら玄関を叩いた
「誰だ?」
扉が開かずに声をかけられた
「冒険者ギルドから依頼を受けたものです」
「勝手に入れ」
そう言われたので扉を開けると扉が開かなかった
「開きませんよ」
俺がそう言うと奥から
「じゃあ依頼失敗だな」
意地でも開けようと思って力を込めたら家の壁が崩壊してしまった お笑い系のコントかと心の中で突っ込んでしまったのは内緒です
よく見ると扉の外側はノブがあるに扉の内側は屋敷の中から見ると鉄板になっていたそして左下に木で出来た引き戸があった
そこから出入りができるのだろうと解釈していると奥から
「なんてことしてくれたんだ、扉どころか壁ごと壊しおって」
怒ってる口調ではなく、困った奴だ、と言わんばかりの面白そうな顔をしてやってきた
「すみません、クエスト失敗って聞いたとたん力いっぱい引っ張ってしまって」
「子供に引っ張られて壊れるような設計した奴がわるいんだよ、今度文句言ってやらねば
それで坊主はどんな面白いものを見つけてきだんだ」
「こんな物です」
と竹とんぼもどきを飛ばしてみた20cmくらい浮き上がってそのまま落ちた
竹で出来てたなら2mは飛ぶのにと悔しかったが無いものはしょうがない
「いかがでしょうか」
「う~ん、今まで見たことないが面白いのかのう?私にもできるか?」
反応はイマイチだったが、教えてやらせたらめっちゃ楽しんでた
いいおっさんかおじいさんかわからんがめっちゃはしゃいで何回もやって竹とんぼもどきが壊れた
「あ~、壊れてしまった~」
「同じような形をご自分で作ってこれよりも飛ぶものを作ればきっともっと楽しいですよ」
「そうか木をこれと同じように削れば、そうかそうか、うむ、クエストは成功にしよう、壁の弁償とかも心配要らないぞ、これをギルドに持っていけあと報酬だ。ほれ」
そう言って渡されたのは大金貨3枚と羊皮紙1枚
「えっこんなにいいんですか?」
「今まで成功したものは居ないしな、楽しめたからなその礼だ気にするな」
「ありがとうございます、失礼します」
そのままギルドに行き、依頼をちゃちゃっと終わらせてギルドを出ると「オオー」と聞こえてきたが無視して宿に帰った、
宿で貢献度を見てみると500になっていた
きっと職員が50と500を間違えたんだろう
明日確認することにして今日は寝ることにした
読んでいただきありがとうございます