2話 転生先は4人家族
気がつくとそこは 白い壁 白い天井 白いドア
普通の部屋じゃなかった
見たものをそのまま言葉にするなら 神殿 その言葉しか出なかった
この世界はステータスが観れるって言ってたな どうやってみるんだろう
体を動かしてみると俺は
「あ~だ~あ~」
自分の腕を見て驚くとちゃんと言葉を発していなかった
あの人?は10歳くらいで記憶を取り戻すって言ってたけど
俺1歳くらいじゃね?
だんだん意識もはっきりしてきてその部屋に誰も居ないことを把握すると
いろいろ試すことにした
「あ~ぶ~ぶ~だ~」
うわっやばい、うまく声出せないけどこれ少し練習したらできるようになるかも
そうだレベル1あれば強化の魔法も覚えるって言ってたから 筋トレとかしてみよう何かできないかな?
体を動かすしか出来なかったがいろいろ動いてみた
ハイハイとハイハイと座って手を叩くような動作そしてハイハイ
まだ立てないのか~
まだ1歳だもんな
「あ~い~う~う~お~」
声もやっぱ練習したらいけるんじゃね とか考えながら動いていたら 頭に何かが引っかかった
急に動きが良くなった そして立てるようになった俺何かが原因で強化の魔法使ったんじゃね?
早くステータスを見たい けどわからない
そしてなぜ誰もいないんだ 俺捨てられたのか?
なんか泣けてきた そして体の方は普通に泣いていた
「わ゛あ゛~~~~~~~~~~」
おっ扉が開いた
扉が開くとなにか声が聞こえてきた
「お待ちなさいまだ儀式の最中ですよ 我慢なさい」
「神父様、もう4時間半も経っていますきっとあの子はもう授かってますわ、もうこれ以上は待てません」
俺の体感では2時間くらいだったが4時間半もここに居たのかしかも儀式?
言葉も理解出来るし日本語じゃないっぽいのに日本語と同じくらい理解できるな
それに10歳で戻る記憶も1歳くらいで思い出すしこの儀式が原因かな
「奥様、申し訳ありません これはその昔ステータスに身体レベルまで組み込んでくださった大魔道士エトロ様が決めた儀式なのです、魔地脈の上に有り 魔力の源泉とも呼ばれる 魔力の間欠泉なのです大体5時間に一回一定量の魔力の素が地上に吹き出るのですそれを人間は時間を置いて二回浴びることで強くなれるのです、ちなみに浴びすぎると魔物になってしまうため2回と定められているのです
ですのでこの魔力を吸収しない神官服を着られないままこの中には入ってはならないのです
儀式が終わっているかどうかよりも間欠泉から吹き出していたら奥様が魔物になってしまうかもしれないのです
お願いしますどうか一旦落ち着いてください 私がこれからお子様をお連れいたしますので」
「わかりました、よろしくお願いします」
「はいではそのままそこでお待ちください」
話が終わったのか俺におっさんが近づいてくる
「よく頑張ったな、儀式は終わりだ」
そう言いながら俺を抱きかかえてそのまま部屋を出ると
母親らしき女性に渡した
「ごめんなさいね、すぐにでも抱っこしたかったのよ」
そう言われては仕方がないので「キャ キャ」と喜んでおいた
「ではこのまま礼拝堂の方へ行きお子様の授かったスキルの確認をいたしましょう」
「はい」
母親は返事をすると神父のあとを着いていった
そんなに遠くなくすぐについた
「全く、心配なのはわかるが儀式が失敗したらどうするんだ」
なんかとても毛だらけの男が怒っている どうかしなくても俺の父親のようだ
あんな毛だらけにはなりたくないなと考えていると体の方は泣き始めた
「あ~~~あ~~~」
「あなたが怒るからですよ、怖かったわねぇ」
「この子に言ったんじゃない、お前に言ったんだぞ、なんで俺が悪いみたいになるんだよ」
そのやりとりを見ていた神父はやれやれという顔をしながら話し始めた
「では、始めますよ お子様をこの籠の中に入れてください」
言われるがまま両親は俺を籠に突っ込んだ、そしてしばらくすると上に何か文字が浮かび上がった
「ちゃんとスキルを授かってますね、なになに
スキル:強化の魔法
パッシブスキル:前世の記憶
なんとこの子はなんと言っていいやら」
神父は言葉を詰まらせていた
「この子は前世の記憶を持っているようですね、もしかしたら私たちのこの会話も理解しているかもしれません」
そう言われたので首を縦に振っておいた
「やはり理解しているようですね、言葉をこの子が話せるようになったらいろいろわかるでしょう、いや~こんなスキルは初めてですよ強化のスキルを一回目で授かることすら希なのに前世の記憶とはご両親にとっては複雑な心境かもしれませんがきっとこの子は大成しますよ」
確かに前世の記憶を持った子供なんて親からしたら嫌だよな~これからどんな性格になるのか楽しむんじゃなく前世の人間はどんな性格だったんだって考えちゃうよ俺ならどんまいお二人さん
そのまま無言で両親は家に向かって歩き出した
無言のまま家に帰ったが顔が優れないわけではない困ったのと嬉しいのと半々みたいな顔が気持ち悪かったがこれが両親なのだと諦めた
「さぁ帰ってきたぞ カイル~ 帰ったぞ~」
「父さんおかえり、シーゲルはどんなスキル授かったの?」
俺はシーゲルというらしい前世が茂だからあまり代わり映えはしないな
自分の名前にそんな感想を持ちながら家族の話をおとなしく聞いていた
「それがね、シーくんは強化の魔法と前世の記憶ってスキルを授かったのよ」
母親がテンションを上げてるのに声は小さめで話しだした
「このスキルは特殊だからあまり広めるなよ、神父様はそういうことを広める方ではないから心配ないがこのことが他の人に知られると困るかもしれない」
「なんで困るの?」
カイルは純粋な子のようだ見た目は6歳と言ったところか家もそれなりだし
家を継ぐのはこの子だな元気に育てよ
とか上から目線で物事を考えて暇を潰していた
「前世の記憶なんてスキルが知られたら国の中枢に連れて行かれて研究材料にされてしまうかもしれないから絶対に外では言ってはいけないんだ、弟が連れて行かれたらカイルも嫌だろ?」
「連れて行かれちゃうの?そんなの嫌だよ」
と言って泣き出してしまった
俺は昼間感じた頭に引っかかる感じを試してみた
無事強化の魔法を使えたようだ、強化の魔法を使って見てもバランス自体は自分で取らないといけないのでかなり必死にゆっくりと立ち上がってテーブルの上を歩きカイルの頭を撫でてやった
その様子を見た両親は驚きと感動というかなんというかすごい顔をしていた
「やっぱり私たちの会話がわかるんだなしかも理解している、絶対家族だけの秘密だわかったな」
俺は頷くとそのまま眠った
強化の魔法は1歳児には辛いのかもしれない
1話の話と2話の話に少しの違いがありますが
そこはわざとです気になった方には申し訳ありませんが
今はなにも説明できません
読んでくださった方に感謝を