33.幹部とご挨拶
『幹部とご挨拶』
幹部の皆さんを目の前にして…
冷や汗が止まらない…
裏稼業…
よくわからないけど…
明らかに強そうな人たちが
ずらっと並んでいる。
鋭い目。
大きな体。
怖い顔。
その前で――
ソファにふんぞり返る心くん。
そして
なぜか膝のうえに横抱きで乗せられてる私…
「ちょっ…心くん…」
小声で抗議する。
この状況はさすがに恥ずかしい。
立ち上がって逃げようとすると――
ぎゅっ
腰を引き寄せられた。
「待って」
耳元で低い声。
「挨拶するんでしょ?」
「……」
「リナがしたいって言ったんでしょ?」
少し不機嫌そう。
「俺が…色々リナにしようと思ってたのに…」
「心くん…!」
顔が赤くなる。
すると心は、わざとらしくため息をついた。
「ここ以外で挨拶なんて受け付けないから」
完全に子供みたいな拗ね方。
……もう
私さすがに…
でも…
挨拶しなきゃ…
リナは覚悟を決めた。
膝の上のまま、
ぺこっと頭を下げる。
「こんな所からすみません…」
少し声が震える。
「如月りなと、言います…」
幹部たちの視線が一斉に集まる。
「いつも…真田さん…」
その瞬間。
ギロッ
心が睨む。
「あっ…」
慌てて言い直す。
「こっ…心くんがお世話になってます…」
部屋が静まり返る。
リナは続けた。
「心くん…」
少し困ったように笑う。
「強そうに見えて…弱いところもあるんで…」
「どうぞ皆さん助けてあげて下さい」
深々と頭を下げた。
一瞬。
沈黙。
そして――
「……へっ?」
心がぽかんとする。
幹部達も
同じ顔だった。
「リナ…?」
ぽかん。
「ボス…」
一人の幹部が小さく呟く。
「めちゃくちゃ堅気じゃないですかこの娘…」
その瞬間。
「はっっっ!!」
心が突然笑い出した。
腹を抱える。
「流石リナ…!」
目尻に涙が浮かんでいる。
「俺マジで心配されてる…」
リナの頭をぐしゃぐしゃ撫でる。
「見てよ」
幹部達に向かって言う。
「俺のリナ」
自慢するみたいな顔。
「最高に可愛いでしょ」
幹部達が顔を見合わせる。
「ボスが…長年片思いっていうから…」
一人が苦笑する。
「どんなん…すごいやつ出てくるかと思いきや…」
リナを見る。
「こんな堅気の子が…」
肩をすくめる。
「ボスに追われたら…そりゃ逃げられんでしょう…」
その言葉に
心はリナをぎゅっと抱きしめた。
「まぁ…」
少し低い声。
「逃がすつもりはないかなぁ」
髪を撫でる。
「組織の事話して」
くすっと笑う。
「怖がって逃げ出したら…」
耳元で囁く。
「また一から教えてあげようと思ってたけど…」
リナを見る。
「肝がすわってるよね…リナ…」
「え…?」
「確かに嬢ちゃんキモすわっとるわ!」
「えっ…?」
「ボスが弱いのでって…周り聞いたら腰抜かすぞ」
「そうなんですか??…」
心の顔をじっとみる…
心は頭を撫でながらにこりと笑い…
愛おしそうに頭を撫でた。
「霧島、半間…俺リナ可愛いでしょう」
すると
別の幹部がぽつりと言った。
「ボスが笑ってるの…」
少し驚いた顔。
「俺初めて見た…」
別の男が笑う。
「女なんて…ただの穴って言って…」
「一回…抱いたやつ放置で…」
「入れ食いやってたボスが――」
その瞬間。
心の手が動いた。
ぱしっ
リナの耳を塞ぐ。
「お前ら」
さっきまでの空気が消える。
目が冷たい。
「リナに余計な事聞かすな」
低い声。
静かなのに
背筋が凍る。
「コロスぞ」
部屋の空気が
一瞬で凍りついた。
でも
リナは何も聞こえていない。
耳を塞がれたまま
きょとんとしていた。
そんなリナを見て
心は小さくため息をつく。
「……ったく」
少しだけ優しい声。
「お前ら」
顎で幹部達を指す。
「挨拶終わったら帰れ」
リナの頭に頬を寄せる。
「リナ怖がるだろ」
すると幹部の一人が笑った。
「ボス」
「何」
「ボスの執念が一番怖いですよ」
「うるさい…あんな怖いおじさんの言う事気にしなくていいからね…」
部屋の空気が
少しだけ和らいだ。
リナ以外には最低心くん




