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転生エルフは納豆が食べたい! ~その豆、禁忌につき。世界を敵に回しても私は混ぜる~  作者: Geo
第一章 【納豆のない世界と藁(わら)の魔法】

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6/20

知識への扉 +納豆レシピ

ある日の昼食の後、エリザベスから新たな仕事を頼まれた。


「ナタリー、水を汲んできてもらえる? 井戸は母屋の裏手にあるわ。料理に使うから、一番綺麗な水を頼むわね」

「はい、分かりました」


私は大きな木の手桶を受け取り、外へ出た。

外の空気は澄んでいて、草の青い香りと乾いた土の匂いが混じっている。

農園特有の、生きている土地の匂いだ。


母屋の裏手に回ると、石造りの立派な井戸と、それに併設された洗い場があった。

そこには先客がいた。数人の女性たちが、収穫されたばかりの泥付き野菜を洗っている。

彼女たちの服は土で汚れ、手は荒れ、顔には深い皺と疲労の色が滲んでいた。


私が近づくと、彼女たちの視線が一斉にこちらに向けられた。

その目は、冷たく、刺すような敵意を含んでいた。


「……おはようございます」


努めて明るく挨拶をしたが、返事はなかった。


重苦しい沈黙の中、私は井戸の釣瓶つるべを下ろした。

カラン、コロンと、滑車が回る音がやけに大きく響く。


「……新しい子ね」


一人の女性が、ボソリと呟いた。四十代くらいだろうか、日焼けした肌に深い皺が刻まれている。


「あなたが、噂のエルフ?」

「……はい」

「母屋で働いているんですってね。……いいご身分だこと」


女性は洗っていたカブを乱暴に木箱に投げ入れた。ゴトッ、と鈍い音がする。


「私たちは朝から晩まで泥まみれになって畑仕事よ。腰も手もボロボロだわ。なのに、あなたは綺麗な服を着て、雨風しのげる母屋で料理や子守りのお手伝い。……不公平だと思わない?」


私は言葉に詰まった。


確かに、私の待遇は彼らに比べたら、奴隷としては破格なのだろう。柔らかいベッド、個室、清潔な服、そして温かい食事。

彼女たちの敵意は、当然のものだった。


「……すみません」

「謝って済むことじゃないのよ」


別の女性が冷ややかに言い放つ。

いたたまれなくなり、私は水を満たした桶を持ってその場を離れようとした。


その時、畑の方から一人の男が歩いてきた。

三十代半ばくらいだろうか。鍛え上げられた筋肉質な体つきで、大量の農具を軽々と肩に担いでいる。


「よう、新入りか?」


男は気さくに声をかけてきた。


女性たちのような刺すような敵意は感じられないが、その目には諦めのような色が宿っていた。


「……はい、ナタリーです」


「俺はギル。見ての通り、畑仕事の担当だ」


ギルは担いでいた農具を下ろすと、井戸の縁で汗を拭った。


「あんた、母屋付きなんだってな。運がいい」

「……そう、みたいです」

「ここには百人の奴隷がいるが、母屋に入れるのはあんた一人だ」

「ひゃ、百人?」


思わず聞き返してしまった。

百人もの奴隷がいるなんて、想像以上の規模だ。


「ああ。あっちを見てみろ」


ギルが指差した先、広大な畑のさらに向こうに、粗末な木造の長屋が何棟も並んでいるのが見えた。まるで小さな寒村のようだ。


「あそこが俺たちの寝床だ。一つの小屋に二十人は詰め込まれてる。冬は凍えるように寒く、夏は蒸し風呂だ」


屈託のない笑顔で、彼は過酷な現実を語った。


「この農園は、この辺りじゃ一番でかい。小麦に野菜、果物、それに米まで作ってるからな。人手がいくらあっても足りないのさ」


米。

その単語に、私の心臓が大きく跳ねた。

米を作っているということは——。


「あの……稲藁いなわらも、あるんですか?」

「藁? ああ、あるぞ。家畜の寝床や肥料にするからな。腐るほどある」


藁がある。

それはつまり、納豆を作るための必須アイテムがあるということだ。

まだ大豆のありかは分からないけれど、少なくとも藁はある。一歩前進、いや、かなり前進だ。


なぜ藁がこれほど重要なのか。

それは単なる容器の材料ではないからだ。

私の頭の中では納豆の公式はこうだ。


『納豆 = 大豆 + (納豆菌 + 藁)』


稲藁の表面には、天然の強力な「納豆菌(Bacillus subtilis natto)」が無数に生息している。

彼らは熱にめっぽう強く、藁を煮沸消毒しても死滅しない。

むしろ、他の雑菌が熱で死に絶えた後、煮豆の熱と水分によって独占的に目を覚まし、猛烈な勢いで繁殖を始めるのだ。


そして、この藁で作る「藁つと(わらつと)」こそが、究極の発酵装置デバイスとなる。

藁を束ねて中に空洞を作ったその形状は、空気(酸素)を好む納豆菌に絶えず新鮮な空気を供給しつつ、余分な水分を吸い取り、発酵に必要な湿度と温度を絶妙にキープしてくれる。


通気性、保温性、保湿性。すべてを兼ね備えた、天然のインキュベーター(保育器)。

これ以上の素材は、現代科学をもってしても容易には作り出せないだろう。


つまりこれで、納豆造りに必要なアイテムの半分以上が揃うことになる。


「おいギル! 油を売ってるんじゃない!」


遠くから、鞭を持った監視役の男の怒鳴り声が聞こえた。

ギルは声の方に振り向いたが、私もハッとして我に返った。


「おっと、いけねえ。じゃあな、ナタリー。……あんたも、母屋を追い出されないように気をつけな」


ギルは農具を担ぎ直し、去っていった。


私は重い手桶を抱え直し、母屋へと歩き出した。

背中には、まだ女性たちの冷たい視線を感じる。

百人もの奴隷たち。過酷な労働環境。それに比べて、私は——。


台所に戻ると、エリザベスが待っていた。


「あら、遅かったわね。重かったでしょう?」

「いえ……あの、奥様」

「なぁに?」


エリザベスは手際よく水を鍋に移し替えながら、私を見た。


「外で、他の奴隷の人たちに会いました」

「そう。何か言われた?」

「……少し」


エリザベスは手を止め、小さくため息をついた。


「気にしなくていいわ。この農園には大勢の奴隷がいるけれど、教養がなく、礼儀を知らない乱暴者がほとんどなの」

「……」

「以前に、子供達が奴隷に乱暴されそうになった事があったの……。だから彼らを子供たちに近づけるわけにはいかないわ」


彼女は少し声を落とし、私の目を見て続けた。


「でも、あなたは違う。エルフで、礼儀正しく、賢くて、清潔だわ。だから特別なのよ」


エリザベスの言葉は優しかったが、そこには明確な線引きがあった。

役に立つ道具と、使い潰す道具。私はたまたま「役に立つ」側に分類されただけだ。

もし、読み書きができなければ、もし魔法が使えなければ、私もあちら側の長屋で泥にまみれていたかもしれない。


「マーカスに感謝なさい、ナタリー。あなたは幸運なのよ」


和やかな、落ち着いた声だった。


「……はい」


私は小さく頷いた。

幸運。確かにそうかもしれない。でも、この幸運は薄氷の上に成り立っている気がした。


 ◇    ◇    ◇


午後は、ソフィアとトーマスの勉強を見る時間だった。

用意された子供部屋には、小さな黒板と机が二つ並んでいる。


「ナタリー先生! よろしくお願いします!」

「よろしく……お願いします」


元気いっぱいに挨拶をするソフィアと、少し恥ずかしそうに俯きながらも挨拶をするトーマス。

二人は目を輝かせて私を見ていた。


「今日は文字の書き方と、簡単な計算をしましょうか」

「はーい!」


私は前世の記憶とナタリーの知識を総動員して、教え始めた。

姉のソフィアは感覚派だ。私が黒板に手本を書くと、ものすごいスピードで真似をする。


「書けた! ねえ見て見て、ナタリー!」

「あら、ソフィア様。ちょっと線が踊っていますよ。もう少しゆっくり丁寧に書いてみましょう」

「えー、でも合ってるでしょ?」

「合ってますけど、綺麗な字は大人のレディの嗜みですよ」


唇を尖らせながらも、ソフィアは素直に書き直し始める。

その一方で、弟のトーマスは慎重派だった。


「トーマス様、どうしました? 難しいですか?」

「……うまく、書けない。線が曲がっちゃう」

「大丈夫ですよ。ほら、力を抜いて」


私はトーマスの小さな手に自分の手を添えた。


「ここから、スーッと横に引いて……そう、上手です」

「……できた」

「素晴らしいです、トーマス様!」


私が褒めると、トーマスはパッと顔を上げ、はにかむような、でも誇らしげな笑顔を見せた。

三人の間に笑い声が弾ける。

子供たちの純粋な好意が、私の心に温かく染み込んでいく。

彼らは私を「奴隷」としてではなく、一人の「先生」として見てくれている。


その日の夜のこと。

皆が寝静まった頃、廊下の向こうから苦しげな音が聞こえてきた。


「ケホッ、ケホッ……! ヒューッ……」


子供部屋だ。弟のトーマスの声だ。


この地方は昼と夜の寒暖差が激しい。

昼間は元気でも、夜になると急激な冷え込みと乾燥で喉をやられたのだろうか。

私はベッドから起き上がり、許可を得て子供部屋へと入った。


部屋ではエリザベスが心配そうに背中をさすっていたが、トーマスの咳は止まらない。


「奥様、私に考えがあります」

「ナタリー? でも、薬湯も効かなくて……」

「お薬ではありません。部屋の空気を変えるんです」


私はベッドの枕元に立ち、両手を広げた。

イメージするのは、前世で風邪を引いた時に愛用していた「スチーム加湿器」だ。

大気中の水分を魔力でかき集め、冷たい霧ではなく、人肌程度の温かい蒸気としてトーマスの顔の周りに留める。


「……潤え、癒やしの蒸気」


どこからともなく、微細な水蒸気が集まり、濃密な湿気が溢れ出す。

暖かく湿った空気が、トーマスの荒れた喉の粘膜を優しく包み込んでいく。


「……ん……」


数分もしないうちに、激しかった咳が嘘のように引いていった。

トーマスの呼吸がスッと深くなり、安らかな寝息に変わる。


「すごい……。あんなに苦しそうだったのに」


エリザベス様が涙ぐんで私を見た。


「ありがとう、ナタリー。魔法薬よりも効くわ」

「いえ。できることをしただけです」


私はその後も、朝までベッドの脇に付き添い、魔法で部屋の環境を制御し続けた。

湿度は喉に優しい六十パーセント。温度は二十度。

魔力を細かく操作し、その数値を一定にキープし続ける。


(……できる)

(温度と湿度を、ちゃんとコントロールできたわ)


前世の私は、密閉空間の温度管理に失敗して命を落とした。

けれど、魔法がある今なら……。

トーマスの安らかな寝顔を見ながら、私は不謹慎にもそんな「自信」を深めていた。


そして翌日。

昨夜の看病を見ていたエリザベスが、私を手招きした。


「ナタリー、こちらへいらっしゃい」


連れられて入ったのは、母屋の一角にある書斎だった。

部屋に入った瞬間、古紙とインクの混じった独特の香りが鼻腔をくすぐった。

壁一面の本棚には、革張りの分厚い本がずらりと並んでいる。

この世界において、書物は非常に高価なものだ。これだけの蔵書があることは、グランヴェル家の豊かさの証明でもあった。


「昨晩は、トーマスのこと、ありがとう。とても助かったわ」

「それに、子供たちへの教え方もとても上手だわ。あの子たちが勉強であんなに楽しそうにするなんて初めてよ」

「恐縮です……」

「あなたは聡明ね。だから、この書斎への入室を許可します」

「入室の許可……ですか?」

「ええ。仕事の合間の自由な時間に、ここの本を読んでも構わないわ」


私は目を丸くした。

奴隷に知識を与えるなど、通常では考えられないことだろう。


「ただし、本を汚したり持ち出したりしないこと。それと、得た知識は子供たちの教育に役立てなさい。いいわね?」

「はい! ありがとうございます!」


私は深く頭を下げた。これは願ってもないチャンスだった。

その日から、私は時間を見つけては書斎にこもり、貪るように本を読んだ。


地理の本、歴史書、植物図鑑、そして法典。

本から得られる情報は、断片的だったエルフの記憶を補完し、この世界の輪郭をはっきりとさせてくれた。


私が今いるのは「ガルディア王国」。大陸の西方に位置する農業大国だ。

そして、法典に記された「奴隷法」の記述を読んだ時、私は背筋が凍る思いをした。


——『奴隷は主人の所有物であり、家畜と同等とみなす。生殺与奪の権利は全て主人に帰属する』


逃亡者は死罪。反逆も死罪。

所有権の証である「隷属の首輪」や「焼印」は、魔法契約によって魂そのものを縛り付ける。

書斎で得た知識は、私の知的好奇心を満たすと同時に、自分の置かれている立場の危うさを容赦なく突きつけてきた。


 ◇    ◇    ◇


夕方になり、もうすぐ一日の仕事が終わる。

家族の夕食が終わり、あとは後片付けだけだ。


「ふぅ……。今夜のスープも美味しかった」


祖母のマーサが、満足げにスプーンを置いた。


「コクがあるのに、口当たりが軽くて……なんだか、胃の腑からポカポカしてくるよ」

「お口に合って良かったです」


(……いつか)

(いつか絶対に、この異世界で材料を揃えて、「納豆汁」を作ってみせる。この森のキノコたちと、私の作った納豆で!)


私が皿を下げようとすると、マーサは「ごちそうさん」と言って、スッと音もなく椅子から立ち上がった。


テーブルに手をつくこともなく、滑らかな動作だ。そのままスタスタとドアに向かって歩いていく。


「あら、お義母様」


エリザベスが声をかけた。


「杖、お忘れですよ」

「……おや?」


マーサは振り返り、椅子の横に立てかけられた自分の杖を見て、きょとんと目を瞬かせた。


「本当だねぇ。なんだか今日は膝の錆が取れたみたいに軽くて、持つのを忘れてしまったよ」

「ふふ、お義母様ったら。きっとナタリーの温かいスープで血行が良くなったのね」


マーサは朗らかに笑うと、結局杖を手に取ることなく、少女のような足取りで部屋を出て行った。


部屋に戻った私は、窓から外を眺めた。

日は沈み、農園は深い闇に包まれている。

遠くに見える長屋には、微かな灯りが見えるだけだ。

あそこで多くの奴隷たちが、疲れた体を横たえている。


昼間、ギルが言っていた「腐るほどある」藁。

そして、本で知った冷酷な奴隷制度。


(……生き残らなきゃ)


この「特別な待遇」を守るためではない。

いつか、この世界で自分の居場所を見つけるために。


そして——叶うなら、もう一度あの味に会うために。


私は柔らかいベッドに身を沈めた。

まだ不安はある。罪悪感もある。けれど、今日はゆっくり眠ろう。

明日もまた、新しい日常が待っているのだから。

──────────────────────────────────

【ネバり姫の納豆料理】特濃「とろとろキノコ納豆汁」


ふとした瞬間、私の脳内ライブラリから、前世で研究し尽くしたとっておきのレシピがポップアップする。


それは「特濃キノコ納豆汁」。


誤解しないでほしい。ただの味噌汁に納豆を放り込んだだけの、安直な料理ではない。

これは分子調理学と酵素化学に基づき、計算され尽くした「飲む美容液」なのだ。


まずはベース。

鍋にお湯を沸かし、上質な鰹節と昆布で黄金色の出汁ファースト・スープを引く。


そこへ投入するのは、森の恵み、キノコたちだ。

スーパーマーケットで手軽に招集できる「キノコ・アベンジャーズ」を想像して欲しい。


まずは香りの王様「マイタケ(舞茸)」。

その名の通り、見つければ舞い踊って喜ぶほど美味と言われるが、私もこれを手に入れたら小躍りする自信がある。その芳醇な香りは、スープの格を数段引き上げる。


次に、出汁のかなめ「シイタケ(椎茸)」。

彼こそが旨味成分グアニル酸の宝庫だ。昆布のグルタミン酸と出会うことで、旨味の相乗効果は数倍、いや数十倍に跳ね上がる。


そして、味のバイプレイヤー「ブナシメジ」。

「香り松茸、味しめじ」の言葉通り、プリッとした食感と、噛むほどに染み出す滋味深い味わいは、スープに奥行きを与える。


忘れてはならないのが、庶民の味方「エノキダケ」。

安価だからと侮るなかれ。そのシャキシャキとした食感は、とろみのあるスープの中で絶妙なアクセント(リズム)を生む。


最後に「ナメコ」。

ナメコの持つヌルヌル成分(ムチン質)は、スープにとろみをつけ、旨味を舌の上に長く留まらせるための天然の増粘剤シックナーとなる。


これら5種のキノコを、鍋いっぱいに投入する。


そして、ここで私は「冷凍」という科学の魔法を行使する。

いいか、キノコを買ってきてそのまま鍋に入れてはいけない。それは素人の所業だ。

これら「キノコ軍団」は、一度冷凍庫で凍らせるのだ。

水分が氷になると体積が増える。その膨張圧によって、キノコの強固な細胞壁を物理的に破壊する。


するとどうなるか?

解凍時に、細胞内に閉じ込められていた旨味成分の元(核酸)と、それを分解する酵素が一気に混ざり合うのだ!


そして重要なのは、沸騰した湯に放り込まないこと。

酵素が最も活発に働く60度から70度の温度帯を数分間キープする。

この「スロー・ヒート」処理により、旨味のビッグバンが起こる。


そして真打、「納豆」の登場である。

ここでも私は妥協しない。決して、粒のまま入れてはいけない。


山形県の伝統技法「納豆汁」にならい、すり鉢で形がなくなるまで徹底的にすり潰すのだ!


ペースト状になるまで、親の仇のようにゴリゴリと磨り潰す。

物理的に豆を破壊することで、ネバネバ成分であるポリグルタミン酸がスープ全体に拡散し、味噌汁がまるでポタージュのような濃厚なコクをまとうことになる。


味付けは、赤味噌と白味噌の合わせ技。

さらに隠し味として「酒粕さけかす」をスプーン一杯投入する。

酒粕の芳醇な香りとアルコール分が、納豆特有のアンモニア臭を上品に包み込み(マスキング)、納豆が苦手な人でも飲めるようにまろやかに変化させる。発酵食品同士のマリアージュだ。


最後の仕上げ。ここが一番の緊張感クライマックス

沸騰させないよう細心の注意を払いながら火を入れる。

なぜなら、納豆の健康成分「ナットウキナーゼ」は熱に弱く、50℃程度で活性が低下し始め、70℃以上ではほとんどが失活(死滅)すると言われているからだ!


風味を取るか、酵素を取るか。

ギリギリの温度管理、それが納豆オタクの腕の見せ所。


お椀に注ぎ、仕上げに刻んだネギを散らせば……完成だ。


食べる直前に、七味唐辛子をパラリと振りかけて。


(……黄金色に輝く、とろりとしたスープ)


マイタケの香り、シイタケの旨味、シメジとエノキの食感、ナメコの喉越し。

そして、すり潰した納豆のクリーミーなコク。

それらが一体となった、温かい「奇跡のポタージュ」だ。


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       納豆料理レシピ

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◆ 特濃「とろとろキノコ納豆汁」


◑材料

・納豆

・キノコ

 - マイタケ(舞茸)

 - ナメコ

 - シイタケ(椎茸)

 - シメジ

 - エノキダケ

・長ネギ

・赤味噌/白味噌

・酒粕(隠し味)

・出汁(鰹節と昆布)

・七味唐辛子

・(お好みで)豆腐、油揚げ、こんにゃく等


◑作り方

1.【下準備】キノコ類は石づきを取り、使いやすい大きさにほぐして、前の晩から「冷凍」しておく(細胞壁を壊して旨味倍増!)。

2.納豆をすり鉢に入れ、粒の形が無くなるまでペースト状にすり潰す(包丁で叩いてもOK)。

3.鍋に出汁を入れ、冷凍したキノコ(と他の具材)を凍ったまま入れ、中火にかける。

4.キノコに火が通ったら、すり潰した納豆を入れる。※ここからは特に沸騰厳禁!

5.味噌を溶かし入れ、隠し味の酒粕も加える。

6.沸騰をさせない(煮えばな)で火を止め、お椀に盛る。

7.ネギを散らして、七味唐辛子を振りかける。


※キノコの種類が多ければ多いほど、旨味の相乗効果で美味しくなります。スーパーの「きのこセット」でもOK!

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