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半端者の戦い方  作者: 半端者の柑橘系 
第八章 第三都市・楽園編
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第81話 さようなら、仲間。

今回は短めです。


ララ最後の部下、リシャウが登場。

背中と腰に剣を掛けている。他と比べて少々風変わりな剣の持ち方だ。


「ララ!?大丈夫か……死ぬな…!」

心配そうに語る彼女を大丈夫と雑に返したララ。

リシャウはララに心酔している、忠誠心の厚さは人一倍。


「…………?」

「………!?」


ケイとララが同じタイミングで宙を見つめた。

それに疑問をもった両陣営は、二人の名を呼ぶ。


「参謀…?大丈夫か」

「ララ……?」


ハウとフェレターの心配に二人ははっとし、敵を見据える。


状況としては五分。

もし戦うとなったらどうかるかは分からないだろう。


「………残念だけど、ボク達はここで撤退させてもらうよ。もう一度……鍛え直す必要があるらしい」

絶え絶えな息のまま喋る彼女を心配そうに支えるリシャウ。


「…………じゃあね」

残念そうに語る彼女は魔法か何かで全員去った。

すると建物中からゴゴゴ…!と地震の様な音が鳴る。


「なんだ!?」

ガイルの一言に、ケイが申し訳なさそうに答えた。


「すみません…ララぶっ飛ばした時…多分重要な骨組みも…ぶっ飛ばしちゃった…」


「それだけ壊れるか?絶対工作されただろ」

悔しそうに呟くハウ。反省回をしている場合ではないのだが……


なんとか脱出した三人。

建物が瓦礫だらけになってしまった。


あんなにデカいコンサートホールも今は瓦礫の山。


「ふ〜!危ない危ない!!」

こんな所でも能天気さを発揮するガイルにハウは呆れた様子だ。


先程までの格好良さはどこに行ったのやら。

「ガイル!大丈夫か!?」


すると奥から炎の翼で此方へと飛んでくるフレア。

このループでは初めましてだ。


「フレアか?大変だ、フェレターが裏切りやがった」

彼女の表情が悲しみに染まるが、すぐさま冷静となりケイに質問する。


「君がケイ・タケダか?そして、奥にいるのがハウ・ゲレーロ」


「知っていたのか?」


「まぁね、ま、君達の様な英雄は顔くらいバレたっておかしくはないでしょ?」

ハウの質問を簡潔に返したフレア。


そんな中ガイルはフレアの胸を凝視している。

「なんだよ、気持ち悪いな」


特に頬を赤らめるとかはなく、シンプルない罵倒。

この男が突発的な行動をするなんて日常茶飯事なのだから。


「お前、その缶バッチ!!」


「あぁこれ?それが……全然記憶がないんだが…不思議と離したくなくて持っているんだよ」


「それ!俺も持ってる!!なんでかは分からないんだけど……離したくねぇ〜って思っちゃうんだよ!」

一見すると記憶に何かあるのではないか?と疑ってしまう会話。


その会話を一言たりとも聞き逃さなかったケイ。


その缶バッチは……一番最初の………

そうして、これから先の戦いに憂いを帯びた。


取り敢えず、ガイル救出は成功したがこれからどうすれば良いかは分かっていない。


(このまま俺達はオリアーナの能力に飲み込まれて終わるのか……?)

そして、“あの時”感じた違和感。


「………………」

みんな……みんな強い。

レノアさんの[燃焼]もハウのパワーや繊細さもフレアさんも能力も、ガイルさんの剣術も全部…全部強い。


(俺にしか出来ない事………恐らく俺しか感じなかった“違和感”を探る必要がある)

それがこれに繋がるかどうかわからない。けど……必ず…このループをぶっ壊す…!!


(ループ壊して、あとは………)

死の淵ではないと言うのに、走馬灯の様に今までの冒険の記憶がケイに流れ込んできた。


隣にいるハウやザルツ先輩の頼もしさ、後ろを守ってくれるリサやレノアさん。


俺が人を殺しても、助けてくれて……守ってくれて…頼ってくれて………


(かけがえのない日々って…本当にあるんだな)

しみじみと感じたケイ。完璧である必要はない、人を殺し、人としての道を外れた“半端者”でも背負う事はできる。


「取り敢えず建物治すか。警戒を絶やすなよ!」

ケイに“背を向け”能力を発動しようとフレア。手から血が止まらないのに変に冷静なハウ。そしてそれを見てオロオロしているガイル。


「参謀?どうし───」


「[燃焼]」


────────────

[時はレノア達の戦闘終了時]


彼女からの思いを受け止めレノアは自身の怪我を治療した。


暫くした後に、近くにあるコンサートホールから爆音。その後綺麗に倒壊。


あそこにはケイや救出するべき人達が集まっている。

ケイ達が上手く脱出してくれる事を祈ってそこに駆け寄る。


幸いそんなに遠くない為、すぐ駆けつけられそうだ。

そこで見た物は………


「……………え?」


地面に倒れているハウ、そして騎士の男の人と女の人。


多分この人が『五傑』だ。もしかしたら…いや、もしかしなくてもこの女の人も五傑だ。


そしてそれをどんな感情で見ているのか分からない。

ケイが………そこに立っているのだ。


「な……なに…してるの…けいくん……??」

雷を纏わせ、レノアを静かに見据えていた。

一体彼には何が見えているのだろうか。


レノアは急いで剣を抜き、ケイに襲いかかる。

「偽物だな!?ケイ君をどこにやった!!」


「…………違う、本物だよ」

彼女の表情が絶望に染まる、なんで、どうして。そんな事が喉の奥まで来たがなんとか抑えた。


ノクシアの様にララに着くのか。それはない、なら何故?


「俺は………独りじゃないって知っているから」

「なら!!」


涙目になりながら剣を振るうレノア。誰よりも彼が全て背負うのは絶対に違う。


“背負わせちゃいけない”そんな人がいるなんて、彼に会うまで気づかなかった。


「なんで………みんなを!!」


「気絶しただけだ、殺しちゃいない」

冷静に剣を返すケイに一撃、自分の想いを伝えなくてはならないと感じたレノア。


全身に雷を蓄え、その一撃で自分も戦えると伝えたい…!


「[燃焼・ほ──」


「レノアさん。後は……頼む」

優しい顔となったケイに一瞬だけ力が抜ける彼女の隙を的確に突く。


「[燃焼]」

その圧倒的な加速は、レノアの胸を切り裂いた。

ここで彼女を斬れなければ想いは伝わらない、そんな覚悟で斬ったのだ。


“気絶”した彼女を一瞥し、ゆっくりと何処かへと歩いていくケイ。


そこにあるのはただ……空虚な感情だった───

次回:背負うのは

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