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半端者の戦い方  作者: 半端者の柑橘系 
第八章 第三都市・永劫編
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第77話 もしかして

今回情報量多め

すみまぜん!

心は折れても、状況が変わる事はない。

フレアを味方に出来たどうかも不明で、敵だけが増えていく。


今までの事情を隠す事なく全て伝えたケイ。

かなり詰みと言った状況だ。


ノクシアは裏切り、『五傑』の一人は敵に回る始末。


二人もそれを聞いて活を見出す方法を考えているが厳しい様。


「俺……一旦周りを見てくる」


「え?ララから狙われるんじゃ……?」

心配そうに話すレノア。勿論ケイの答えは……


「みんなで行こう」

それなら守れるし、頼れる。一人でやるべきなのかもしれないがこうするべきだと思った。


ハウ達三人で街を散策してみる。もしかしてこの四回目のループで何かが変わっているかもしれない。


一回目のループと同じ道で西地区へと行ってみる。


今日はあまりお得なものが売っていないのだろうか?

静かだ。


「へいにいちゃん!これ食べるか!?」

「そこのお兄さん、これ食べる?」


一回目のループと相変わらず人情溢れる街で少し泣きそうになるが堪えた。


(主にあの()()は………ん?待て三人?あのお爺さんは!?)


───少年よ空腹になるな


あの名言みたいな迷言を放ったあの爺さんがいない。

いつもそこで空腹そうな子供にご飯を与えていたあのお爺さんがだ。


そして、この商店街……どこか……

「まさか…人が……減っているのか?」


オリアーナが[永劫]に付与したものは主に二つ。


一つは時間の繰り返し。

現に今、知覚者全員を見事に苦しめている。


二つは……別空間への()()

彼女が言う『楽園』


人々の願い、理想、夢、全てを叶えてしまう。

俗に言う“バーチャル空間”だ。


ただ現実は対象の人物の魂を彼女が作った別空間に移し、彼女が時を戻している間そこで過ごしてもらうというもの。


今この瞬間から、『知覚者』を除く世界全体が楽園へと向かうまで…どれくらいかかるだろうか…


少なくとも今ケイは、それに気づいていない。


「え…?ケイ君それ本当?」

知覚者ではないレノアとハウも『楽園』の対象内…なはずなのだが、特に異変は見当たらなかった。


今は情報が少ない、南地区と西地区はループの都合何度も行っている、もしかしたら何かを掴めるかもしれない。


───────────


こうして探してみること三十分。


言ってしまえば、特に何かを掴めた訳ではなかった。

ループ回数で言えばまだ数回。この街に対する土地勘なんてものはそもそもないのだから……


「一つだけ、わかった事がある」

ケイの声に二人は頷く。


「人が減っている。これは確かだ」

これでもし次のループで自分に限らずレノア達も消えてしまう可能性がケイの中に出てきた。


神隠し……何があったのかも分からない…。

今までのループの中で何か違和感があった感じはないと思う。


(これが吉となるか凶なるか……もしこれがララの想定外だった場合……『手を組む』可能性も出てくる)

奴には一杯どころか二杯以上食わされたが四の五言っている場合じゃない。


「……次ララ、もしくはその仲間に会ったら…」

レノアはまさかと言いたげな顔になる。


「彼女に協力を持ちかける。あいつは……オリアーナに従うとは思えない…!」


根拠なき自信。“ララならこうするorこうした”がこの永劫の中ではそれが見えていない…と思う。

具体的な説明はない。けど……そう思った。


「そして………試してみたい事がある」

ケイの手が震え、息が荒くなっていく。これ以上受け身では何も起きない。



二人が分からそうに返すと、ケイは重々しく告げる。

「このループって…破壊できるんじゃないか」


最初から考えとしてはあった奇策。

最 恐らくララでさえ序盤の序盤に取り消しているだろう。


オリアーナを探して…リサを奪還して………


「それが出来たら良いんだがな」


「だね」

ハウもレノアも、そうしたいのは山々だろうが、少なくともそう出来ない理由は一瞬でわかる。


結界が広大すぎるのだ。

世界に貼られているこの結界を破れるのなら最初から誰か破れているだろうから。


ララが味方に出来なかった時はその方面も検討してみよう。

「今はひとまず…次の区。東へ地区へ行こう!」



──────────

[場所は秘密基地]


「…………まさか…こうなるなんてね」

呆れながらララは呟く。

ララは彼女の目的に賛同していたのに。


──人の上に神がいるというこのシステムを変えたい。

オリアーナはそう言っていた。


彼女に協力を持ちかけたのは、現状に不満を持ち、その不満を自ら解消できる“力を持つ”という点だけを見てそう判断したのだろう。


「ノクシアぁ?ちょっとやってもらいたいことがあるんだけど」


「なに?」

不機嫌そうに返すノクシアに、ララは心外そうに返す。


「……ちょっと、ボクもこの事態は想定外なんだから。怒んないでよ」

嫌な予感がララに強く訴えてきた。


(“人を減らす”もしくは別の場所に“転移”させるなんて事をすれば住民にバレるのも時間の問題な筈…オリアーナは何をしたいんだ?)

ケイ達もそれに気づく筈だ。次彼らが打つであろう手を考える必要がある。


「……もしかしたら、あなたの予想外をついて、ケイは協力を持ちかけてくるんじゃない?」

ノクシアの言葉にララはきょとんとした。その顔には「絶対嫌」とはっきり出ていた。


「………それで、やってほしい事と言うのは?」


「ケイが次打つであろう手は他の『五傑』に助けを求める事だろうし、まぁ範囲広めで頼むよ」


「もう一度、フレアの所に行く可能性はないの〜?」

鎧女……ララの部下の一人が口を挟む。


「仮にそうならそうでいいや、ボクもケイもオリアーナについて調べる必要が出てきたし……まぁあまり気負う事なくやってほしい」


次ケイが狙うであろう場所は“東地区”

『五傑』の一人、『殺意』の剣豪……

ガイル・ディストラ。

かつてのフェレターのライバル。


「………そうだ。ララ、ワタシが一つ…確かめてこようか?」

ノクシアが口を開く。


「??」


「ワタシが……ケイを殺してやる」

ルールの一つである知覚者同士の戦闘禁止。


このルールの本質は“殺すな”それだけだ。

ただそこにどんな代償があるかなんて簡単に分かる。


「何がしたいの?」


「もしワタシの考えが当たっていたら………ルールを無視できるかもしれない」

彼女の目が大きく見開かれた、本当か!!顔どころか口にも出ていた。


「だがこれは、あくまでも予想に過ぎない、その為にはケイを実験台にする必要があるんだ」

情報は共有しないと断言したノクシア。疑われると言うのにその堂々とした立ち振る舞いにララは負けた。



「いいよ、わかった、まぁ殺せるもんなら殺してみてよ」

ララは彼女が完全に裏切ったかなんて分からないしどうちらかと言えば疑っている。


だが、あのログロとブレイと一緒に冒険者として名を馳せていた彼女なら…利用価値はある為……。


「ケイは………ワタシが殺す」

この殺意がなんであれ、ケイの心を今度こそ折ってやろうと思うララだった。



次章:

第三都市・楽園編。


お楽しみに!!


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