第72話 永劫のルールについて
※説明回かも?
先程の輝き、それよる失明の様な現象。その景色はあまりにもリアルで……はっきりとした感覚があった。
そして、レノアの発言によりケイは更に混乱。
「八時……いやでもさっき二時…って……」
酷く混乱しているケイを宥める様にレノアは口を開く。
「ケイ君は寝ぼけているんだよ、きっと。さっきだってぐっすりだったし」
「眠いよな、俺のせいですまない」
ハウの謝罪にケイは落ち着き平静を取り戻す。
そうだ、夢だったのだ。
嫌な夢を見た……と伸びをした後ケイ達は西地区へと向かう。もしあれが予知夢に近いものなら、
「よし、行ってみるぞ」
人の善意によるありがたい妨害が待っている為違う道を行ってみる事にする。
作戦と違う動きに?が浮かぶ二人。大丈夫か?どうしたの?と心配する声が聞こえる気がしたがそれに構う予定はなかった。
夢とは違い、差し入れをするであろう店が少ないルートでなるべく人に絡まれないルートで向かう。
現在十時。
無事着いた、まさか人と会わなければここまで短縮出来るとは思っていなかった……。
騎士団に着き、ケイを不思議そうに見つめる二人。
(ごめん。ひと段落してから…話す)
扉を開けると夢と同じ男がケイ達を冷たく見つめている。
「俺はケイ・タケダ、後ろにいるのはハウ・ゲレーロ、レノア・マフォードです。あなた達騎士団に協力して欲しい事があります」
夢とは違い汗をかかず冷静に騎士団達に目を見据えた。夢による事前練習があったからかも。
「それはアポを取らず突然やってきなヤツの態度かよ?」
見放す様に返す男。結局冷や汗がケイの顔に伝った。
「はぁ……副隊長の俺でも話せない事か?」
「話せません」
キッパリと返したケイ。
そこに感情の揺れはない。
「………チッ。分かった、案内してやる。なんだって英雄サマの頼みだしな」
皮肉混じりに話す男に少々の苛立ちを感じつつ、ケイは男の案内で階段を上がっていた。
階段の折り返し部分に必ず大きい窓があるのだが、上がれば上がる程にどんどん景色が狭くなって行くのを感じる。
「……全く、こんな高い建物にするなよなぁ」
舌打ち混じりに男は呟いた。それに着いては同意だ。
そんな中、外から風切音が聞こえた様な……
「ッ!!危ない!!」
「あ?」
窓ガラスを豪快に割り男の首を槍で切断。ケイがそれに反応する前に、謎の人間は消滅。
(消え……!!)
男の首が下の階へと落ち、下から悲鳴が聞こえてくる。
「まさか……英雄が!?」
「よくも……!!」
下から凄い勢いで騎士達が上がってくるのが分かった。それの誤解を解く事は不可能。
今は……逃げるしかない!!
「ハウ!レノアさ───!?(いない!!?)」
騎士団の部屋に入るまではいたのは分かる。階段を上がる瞬間?もしくはもっと前?
「いや、今は考えてる場合じゃない!」
階段を騎士達より更に速く上がりそこから飛び降りる。そうすれば多少の追跡からは逃れるだろう。
隊長の部屋に入るがそこに隊長はいなかった。
死んだあの男は確か副隊長と名乗っていたが、もしかして彼ですら詳しく知らないのか!!
窓を割り上から飛び降りる前に時計をチラッと見る。
時間は……[十時五分]
(飛び降り──)
そんな中、夢と同じ様に大きい鐘の音が響いた。
「なっ!?」
また目が暗闇に覆われる。この時痛みに襲われる事はないが突然真っ暗になる為びっくりしてしまう。
こうして二回目のループもケイは何も出来ずに終わった。
─────
[場所は時空空間]
オリアーナは底で世界全体を観測。この狭間は能力の拡大解釈によって作れる様になった自分だけの世界。
そこにララと一緒に観測をしていたのだ。
「随分と早くループを終わらすんだな」
「一回目の[永劫]で能力発動の為に世界全体に結界術を用いて一枚、前のループで二枚、そして今回のループで三枚。ちゃんと貼り終わった」
結界術も用いる為には先に代償を支払う必要がある。
依然ケイはドライヴと話す為に二本の指を犠牲にした。
彼女はこれにより七つのルールを作成。
破れば死ぬ。それだけだ。
一.ループしている事話すのは可能。
二.[永劫]による支配を受けているものは原則死なずダメージと前回の輪廻の記憶は引き継がれない。
三.支配者は支配を外した者の監視や妨害不可能。
四.支配を外したもの同士戦うのは禁止。
五.リーバの外から来た者などによる『部外者』が[永劫]の支配を外す事が可能。部外者に認定されるのはこの街に来て二時間以内の間。
六.輪廻の終わりは一日の終わり。
夜二十四時になった瞬間に朝八時へと戻る。
七.以下のルールを支配を外したものには強制的に理解させる事。
………と言う、自分にも相手にも制約を作る。
これらは結界術に複雑な代償と得られる能力を熟知していないと出来ない芸当。
何故こんなにも結界術への理解が深いのか?
答えはシンプル。彼女がこの術の生みの親だからだ。
世界コントロールする為に『相手に有利となる結界を張る』という代償の下、時空の巻き戻しを可能としていた。
これからオリアーナは支配を外したものを偶々見てしまう事故を防ぐ為に監視を停止し、瞑想を始める。
(これから起きる事は殺し合いじゃない。その為の仲間集め…と言った所か)
ララの仲間は現在、ララを含めて五名。ケイ──並びにオリアーナと決戦の為にはまだ必要。
(部下とケイがルール作成時に鉢合わせ、副隊長を殺したが特にお咎めなし。つまりこれは戦う事じゃなくて殺す事に焦点を置いているのか)
支配を外しているララと四人の部下。
四のルールである、支配を外した者同士による戦闘の禁止とはつまり殺す事を禁じていると言うわけ。
ダメージを与える事には一切ルールは関与しないと見て良いだろう。
「(仲間を増やす必要があるが……増やした所で記憶を消されて元通り。なるべく一回のループで仲間を増やす……)チッ!!」
ゲームのタイムアタックみたいに数分、数時間で増やし彼女と戦う必要があるのだ。
(まぁいい。此方にもやり方があるんでね…!)
これからケイに求められるのはリサの救出ではない。出来る限りの仲間を集め、オリアーナに立ち向かう。
─────
[場所は服屋]
[永劫]の完全発動。
ケイも………先程のルールを理解させられた。
「クソ……!!そう言う事かよ!!」
怒りに身を任せて自分をふとももを叩く。何故自分が永劫の能力対象外に選べたかは分からない。
だがやる事はそう複雑じゃない。
考えているのはララと同じ、少し焦るくらいだ。
心配そうにケイを見つめる二人を一旦部屋の中に戻す。こればかりは話さなくてはならない。
「え?西地区に行かないの?」
ノクシアは不思議そうにケイに語りかける。無論それも重要だが………
ケイはこの街についてから今に至るまでの経緯を説明した。三人は半信半疑だったがこんな所でつまらない嘘をつく必要はないとケイを信じた。
「なるほど……ルール」
ハウがそう呟くと、ある疑問を口にする。
「で、[永劫]が一体オリアーナにとって何の意味を持つのか、だな」
「それは俺も考えた。だけどルールからも読み取れるものは無い以上考えても仕方ないと思う」
今考えるべきは『これからどう動くか』それだけ。
スピード勝負に拍車がかかったとだけ考える。
「ルールを振り返ってみよう。思わぬ落とし穴に触れ
るかもしれないから」
みんなには申し訳ないがこのループは作戦会議に費やしたい、次のループからは西地区に向かいなんとしてでも仲間を増やしておきたい。
本当は早速動いて記憶を失い俺の一挙手一投足に疑問を浮かべられるのはしんどい。
だがケイには弱音を吐く余裕すらも今はないのだ。
「一はいいとして、二のルールはおそらく………俺以外のほとんどは不死になるという解釈であってると思う」
────二.[永劫]による支配を受けているものは原則死なずダメージと前回の輪廻の記憶は引き継がれない。
この時レノアは衝撃の一言を呟いた。
「なら私はケイ君の為に命を賭ける」
その目には覚悟が刻まれている。死んでも蘇えれると言うのなら、恐れる事は何もない。
彼女は絶対に!!ケイには言わないが、彼女自身強くなったのはケイの為。
『あの顔を見たくない』から今も彼女は戦う。
無論痛みが消える訳でもない。
ただ戦い続ける。
それはハウもケイも同じだった。
「………ありがとう」
レノア達に優しく微笑んだケイに二人も軽く笑う。
「それで、他のルールなんだが……他は良いとして四のルールだな。このルールのお陰で?俺以外にもループを知覚している奴がいると裏付けている」
ケイしか永劫の支配を外した人間がいないのならわざわざこんなルールを作る必要はない。
「四のルールが厄介な理由として、戦うのは禁止。と言うのは言葉的に面倒くさい。何を以って戦うと言う判断されるかは分からないのが厄介だ」
もし副隊長を殺したあいつが知覚者([永劫]の支配から外れた者)なら四のルールはもしかして……
「まぁもしそんな奴がいるなら…そいつがもし協力的な奴なら良いんだがな」
呆れながらにハウは答える。
こうして作成を提案し提案されたりして作成を練り直す事、数時間経った。
敵の動きはない。
もしかして仮にそんなのがいるとしても自分の事で手一杯になっているかも知れない。
リーバ全体のマップを知り、ノクシアによる国の内情なども調べてもらった。
面倒な制約こそ増えたものの、作戦内容は最初から変わらない、ノクシアから教えてもらった『五傑』の一人フレアを味方取る。
やるべき事はそこだけに今は集中する!!
死滅回遊なんて……見てない(大嘘)
某呪い合う漫画と同じで所々ちゃんとルールは振り返るんで無理して覚える必要はありません!!




