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半端者の戦い方  作者: 柑橘系
第二章 入学試験編
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第6話 最終ラウンド。

ケイはもう、身体強化以外に魔力を回す必要が出てくる以上、魔法はない。ザルツはそう確信していた。これ以上、長引かせるつもりはない!


「一瞬で仕留める!!」

残った魔力で身体強化+能力の重ね掛けで戦士並みのポテンシャルを得る。体術をメインに襲い掛かる。


「来い!!ザルツ!!!」

近くに刺さっていた剣をここで使う。お互いに魔力を回復させたくないと思っていた為、都合がいい。


剣と素手、一見すれば素手では勝ち目が薄い様に見えるがザルツの残った魔力を使えば同等としくはそれ以上を期待できる。


ーーー油断した方が負ける。

剣と拳のぶつかり合いに会場は息を呑んでいた。


「クソっ!!」

少しずつ、本当に少しずつだけど!押されてる…!

元より俺の一撃が効きづらいのに、防御までやられたらダメージは与えられない!


闇魔法を使うか……!?いや、今の俺の精神状態じゃ飲み込まれるのは俺!!得策じゃない!!


攻撃と攻撃だったのが、防御と攻撃になり、一方的な展開となっていく。ケイの攻撃は悉くカウンターされ、体がどんどん鈍くなっていく。


「どうしたケイ!!ここまでか!?」

拳、足、体の全てを使い、ケイをどんどん押していく。


ケイ、君はここまで僕の予想をたくさん超えてきたね…でも!

それが全てじゃない!!僕は弟の為、家族の為に勝つ!!勝つんだよ!!


「倒れろー!!!ケイ!!」

「まだだ!!!」

剣は、ザルツの回し蹴りで……粉々となる。

魔力はないと確信していたザルツはここで勝ちを確信。隠せてるかギリギリだが、もう防御に魔力を回せてない。全てを足と手に回していた。


「これで終わりだ。ケイ」

手刀で、ケイの胸を貫こうとする。


「だと…思ったか!!」

すんでのところでカウンター。長い様で短い試合。彼の動き方は体が学んだ。速度だけで言えばケイの方が早い。


カウンター…!だが、耐えてやる!勝つのは……

僕だ!!


手刀と拳。ここで終わるのは…………

観客達が唖然とし、声がピタリと消えた。

その様子にザルツは疑問に思う。


なんだ……勝てたのか…?あ………いや………終わりなのは…僕か。


観客達、ザルツ、全員が見えた景色はたった一つ。

ケイの強爪が、ザルツの腹を貫き、抜く。

ザルツは粉々になった剣を見て、呟いた。


「なんだ、やっぱあの剣、魔力こもってないんじゃん」

「流石、お前なら気づくと思ってたよ。あんたは

絶対、刺さってる剣について何かしら考察する。俺の作戦は絶対にバレちゃいけなかった」

「1回目は風魔法が止み、地面を削り魔力を高めた時、2回目はあの水弾、そこで剣に魔力を供給した」

改めて考察すると、ケイもギリギリじゃねぇか。


「前に、水魔法を使って索敵する骸骨に会ったんだよね、それを逆に使えないか考えて上手く行った」

半分運だけだったけどね。


「まだ戦うか?」

「ふっ……満足だ」

ザルツは気絶した。ここまでの戦いは今までした事が無かったのだろう、満足そうな顔だった。


「勝者!!!ケイ・タケダ!!!!!」

歓声がどっと湧く。リクもすぐ倒れた。


こんなに湧き上がる戦いを見れたのは初めてだ!!

二人とも!!いい試合だったぞー!!!

前は学生しかいなかったから、ちょっと新鮮。

気絶する瞬間に、呑気な事を思ったケイだった。


[数時間後…]


「ここは……医務室か」

「そうだね」

隣にはザルツさんがいた。そう言えば…


「あの〜〜ザルツさん…試合の時、敬語抜けて…すみませんでした!!」

「………ハハッ!!たかが一個上なんだから別にいいでしょー!」

ザルツはツボってしまい、まだ完全に治りきってない腹部の傷と相まって苦しそうにしていた。

落ち着いた後にケイは戦いの後に思った事を言ってみることにした。


「ザルツさん、俺と一緒に旅してくれませんか」

ポカンとした表情でザルツは見る。

「正直ここに3年残るつもりはなくて、決勝がどんな結果でも俺は旅に出てやりたい事をやろうと思います。その為には…」

「仲間が必要、でしょ?」

「ピン!ポーン!協力してくれませんか」

この人が仲間に入ってくれたら本当に頼もしい。

もっといい口説き方があるのだろが、今はできる事は真正面から頼むだけだ。


「僕もやりたい事がある」

「やりたい事?」

「数年前に失踪した、弟を探す。君と一緒に旅に出たいと心から思うよ。けど、今は出来ない」

「…………残念ですけど、分かりました。それじゃあ

決勝、応援頼みますよ!!」

「任せろ」

打算的な面で言えば、貴族と関係を持てた。

だが今、一人の人間と心を通じる事ができたのがひたすら嬉しい。


「君の決勝を楽しみに……その前に誰が決勝に来るのは見たいよね」

「そうっすね」

二人は急いで服を着て、監視(医者)の目を掻い潜ってコロッセオに着くと、丁度試合が始まるところだった。


「準決勝!!第二試合!!

リサ・サイトvsハウ・ゲレーロ!!!


「同じレベルの奴と戦うのは初めて!!楽しみ!」

元気はつらつに言うリサとは対極に、ハウは氷の様に静かだ。

「かかってこい。お前の鎌に興味がある」


「試合ー!!!!開始!!!」

剣と鎌。お互いに武器を作り出して甲高い音を鳴らす。俺達の戦いとは違い、力と力。至ってシンプルで……面白い戦いが始まった。




次回

6.5話:リサ・セイトという人間。

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― 新着の感想 ―
質問板からきました。 伏線の使い方に迷っているとのことでしたけど、作品としては全体のテイストがあっているので、現状で良いのでは? (´・ω・`) サクサク物語が進むのが長所に思えたので、視点の整合性…
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