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半端者の戦い方  作者: 半端者の柑橘系 
第八章 第三都市・永劫編
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第70話 『永劫の街』

70話まで来てしまった……これからも応援よろしくお願いします。

海を越え、船に揺られながらリーバへと向かうケイ達。着いてからどうするかを考えていた。


絶賛船酔い中の男がいるが無視だ。胃の中にあるモノを吐き出さない様に必死なのだ、今のハウに考えを寄越せというのは酷だ。



船の中では様々な噂があった。

『五傑』と呼ばれる騎士の一人が死んだという噂で、

その代替として副隊長の女騎士が隊長になったと言う事。


その人に話を聞いてみたら、その女騎士の能力は……と言い終わる前に寝てしまった。


酔っ払いだ。

そんな事がありながらも情報収集に努めたがあまり収穫はない。


「あそこに着いて最初に何するか………今考えても全然分かんないな」

これがもし旅行なら観光名所に行けばいいのだが、いかんせんこれは旅行じゃない。


ログロ達の有り難みを改めて実感した二人。

「取り敢えず宿の確保…じゃない?」


「まぁ…そうだな」

そこをクリアしてからこれからについて考えてもおかしく…ないか。


今はまずゆっくり休もうと決めた二人。

船酔い野郎が「苦しい……くるしい……」とうるさいが彼の事は無視だ。それが遺言だったから。


そんな事をしながらも三人は熟睡した。

気持ちいい朝を迎えられそうだ。


そんな中、ケイ達とは違う『穏やかな朝』を迎えた人もいる。


─────

[場所はオリアーナの家]

日差しが…………の顔を照らし朝を迎えた。誰かと大冒険して何かと戦った夢を見た。


何か忘れてしまった気がするが気のせいだろう。

部屋の奥からいい匂い。何かを焼いている様な───


朝起きたらする事はまず。

「お姉ちゃんおはよう!」


「起きた?おはよう」

朝の挨拶だ。

オリアーナは目玉焼きとフレンチトーストを作っていてとても美味しそうだった。


丁度出来上がった頃らしく、皿に料理を運んでいた。

「ゆっくり食べてね。ルティア(リサ)


「いただきます…!」

ナイフで斬るとふかふかな生地とハチミツがとても美味しそうだ、ルティアはそれを頬張り彼女の笑顔に磨きがかかった。


「美味しい?」


「うん!!とっても!」

世界一可愛い私の妹、その笑顔に一点の曇りもない。

ただただ嬉しそうにルティアを見つめる彼女の手は止まっている。


嬉しそうに暖かい表情を向ける彼女は妹が自分の料理を平らげるところを最後まで見たいという思い。無意識の中だが彼女にはあった。


「も〜!お姉ちゃんも食べないと!!一緒に食べた方が美味しいよ?」

ルティアの言葉にハッとし、オリアーナも食べ始める。そんな平和な朝。


そこそこ大きいフレンチトースト、食べ応えのある目玉焼きを二人は平らげ、一緒に皿を洗っていた。


「お姉ちゃん!明日の朝ご飯は何にする?」


「早いね!お昼ご飯じゃなくて?」

食いしん坊で気が早い妹に苦笑しつつ理由を聞く。


「え!?それは……恥ずかしいんだけど……朝お姉ちゃんが台所にいて朝から一緒にいるのが好きなの」


「……へ、へぇ〜そうなんだ〜」

真っ直ぐな思いに少々照れしまったオリアーナ。

そんな優しく強い眼差しによる照れを感じたのかルティアの顔も赤くなる。


「ちょ……なんでお姉ちゃんも照れてるの!?私結構恥ずかしかったんだからね!家族に感謝する事がこんなに恥ずかしいなんて!」

ごめんごめんと軽く謝って彼女はこの幸せな日々に笑みが溢れた。


するとルティアの提案を真剣に考え出し答えを出す。

「そうだね……あそこの草原でピクニックでもしようか!」

ルティアは大賛成!!と何度も強く頷き、二人はサンドウィッチを一緒に作ろうと約束。


ジャムを作るために、二人は森の中で果物を取りに出かけた。


────

[場所はケイ達に戻る]


船の揺れに慣れ、朝を迎えた三人は窓から見える巨大なリーバを見て度肝を抜かれた。


広い…とても広い。


圧倒的な街並みに今までとは明らかに違う冒険が待っている事を悟ったケイは気合いを入れ直す。


「みんな起きて」

眠そうに目を擦りながら起きたレノアと、昨日の苦しさは何処に行ったのかとても気持ちよさそうに目覚めたハウ。


荷物を纏めて船を降りた。

入口で様々な手続きを済ませた後、街並みを見ると、


「デカ…!」

スケールが段違いだ。家や店などは今までの西洋風となんら変わらないがとにかく大きい。


こんな所から宿を探すのは一苦労しそうだ……。

するとここで黒服の男がケイ達に無言で手紙を寄越しどこかへ行ってしまった。


「え?」

あまりにも一瞬で突然すぎる出来事に無言で受けとり警戒させる時間も与えずに消えたあの黒服。


手紙を開くとそこには……


「ログロさん!?」

ログロの直筆で長文が書かれてあった、ここにくる事は一緒に作戦会議をしたから知っているのはそうだが何故手紙を………?


内容はこうだった。


──ケイ、リサ、ハウ、レノア。元気か?俺達は今ギルドでストライドとロズが生前受けていた任務を丁度終わらせていた所だ。


ザルツは今ネオニィシティへと向かい準備を進めている所らしい。


さて、お前達四人だけでは色々大変だろうから俺の知り合いを紹介しよう。


船着場から見て右辺りに路地裏があるだろう、そこに『服屋』を経営している俺の幼馴染がいるからそいつを頼れ。


彼女には話をつけてある。

ケイと神の四天王の密接な関わりがある以上戦いは避けられないだろうが、絶対死ぬな。また会うぞ。


ps.お前に手紙を渡すであろう人物は超がつくほど人見知りだ。頼りになる奴だが意見を求めたり、話しかける事はしないでくれ。


……との事。

あのベテラン二人組には助けられてばっかりだ。


「じゃあ……その服屋に行ってみようよ」

レノアの言葉に二人は頷く。明らかに異質な雰囲気を放つ路地裏へと進んだ三人は路地裏にあるどの店よりも暗い所が『服屋』だと理解。


ノックして入ってみる事に。

「綺麗……」


レノアが思った事をそのまま溢した。

なんと外側の汚い店に比べて内装が高級店並みに綺麗なのだ。


宝石を纏った服などにより店のキラキラが増している様にも見える。


ただそこに店員はいない。

「すみません、ログロさんに言われてここに来たのですが……」


店全体に響かせる様に言ってみたものの返事はこない。


数秒後上からドタドタと人が降りてきた。

こんな綺麗な内装にそぐわないボサボサな髪に服はボロボロで雑。


そんな女性が此方を凝視している。

「お!お前らがログロの仲間か!」


驚いてどこか嬉しそうに語っているが声が低い…

レノアと比べて圧倒的に低いのだ。


「座れ座れ」


近くの席に四人は座り、彼女は話を切り出す。

「ワタシの名前はノクシア。服作ってる。よろしく」


ケイ達の返答を待つ前に話を続ける。


「さて、どうしてここに?実はログロからな〜んも説明されてないんだよね」


「それは………」

ケイ達三人は、ログロ達と旅を始めてからここまで至る道を全て説明した。


「なるほどね〜いいな〜大冒険。ワタシもそうしたかったよ。で、この街について説明しろって言うのとアンタ達をここで匿うのがワタシの役目」


「匿う?」

ケイが?を浮かべ問う。


「うん。ど〜うせアンタ達は厄介ごとに首を突っ込むだろうから守ってくれって言うのもログロの頼みでね」

任せろ!と自信満々な表情だ。頼りになる人かどうかはまだ確定していないが、頼っていい人である事は確かだ。


「んじゃ…この街リーバについて十五年以上住んでるワタシが解説しよう!


まずこの島国の全てが街、まぁそれは地図を見てわかるだろうけど。


だから国は円形に街を作り四つの地区に分割。

そして五人の優秀な騎士…今は『五傑』〜なんて言われている人達が街全体を守護している。


地区名はシンプルで北地区、西地区……みたいに方角で分けてるの、ここは南地区。


真ん中にあるのが政治の要であり信仰と対処、オリアーナ大聖堂」


「オリアーナ大聖堂?」

やはり彼女は神としての信仰も厚いのかと嫌な予感がケイ達に走る。


「そ、けど今となって彼女を信仰する人はいないんじゃないかな〜神バサバゼの信仰が今は厚いけど、元々いた神を別の神に差し替えるのは違うってなったんじゃないかな?」

という事はもしかして彼女はオリアーナとして国を支配している……と言うわけではなさそうか?


まぁ別人として実質的な支配をしている可能性は十二分にあるが。


「ま、そんなもんかな。観光名所とかどうでもいいでしょ?」

すると彼女は立ち上がりどこかへと消えてしまった。

現れるのも急で消えるのも急で不思議な人だ。


これから行うべきはオリアーナの情報収集だ。

彼女が人々にとってどういう存在か見極める。

催眠されたリサ………

ちょっと興奮するよね。

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