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半端者の戦い方  作者: 半端者の柑橘系 
第七章 タクト編
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第60話 頼りない出会い

ログロをリーダーとしたパーティは解散。

こうしてケイ、ハウ、リサ、レノアの四人パーティで第三都市リーバへと向かう。


ハウが提案した温泉は何処にあるかも知らない、ログロ達も──


「知らんな」

「知らな〜い」

との事。探すしかない。


「と、言っても何処にあるのやら」

ケイがぼそっと呟く。

暫く歩いたが温泉特有の硫黄の匂いがしないし昇る湯気もない、少々骨が折れる。


するとレノアが突然口を開く。

「ケイ君、その剣はどうしてそんな重そうな鞘に入れてるの?」


彼が身につけているドライヴの剣。この剣は[燃焼]を誰でも扱えるものにできるかも知れないものとして色々実験していたのだ。


「これはとんだじゃじゃ馬な剣だ。[燃焼]が扱える俺でも雷によってダメージを受ける」

神の杖を使ったレイン程かけ離れた親和性…ではないが、あまりケイの体に合っていない。


「だから、鞘をより強固にして欲しいと街の人に作ってもらったんだ」

ただ待つだけでも雷によるダメージを受ける事はブレイの件で確認済み。


なら雷が流れない様にするしか無い。

レノアの治療のおかげで剣の代償を知ったケイ。これを完璧に扱えるものに預けたいと常々思っていた。


「………レノアさん頼みが───ん?」

ケイがそう言い終わる前に声が聞こえた様な気がした。泣き叫び懇願する様な……?


「参謀も、一人の戦士らしくなって来たな」

「だね!!」


リサとハウも同様の……もしくはそれ以上の違和感を感じ取った。


「誰かは分からないけどなんかあったんだね」

そう言うとリサは先程の音がどこから鳴ったものかを思い出す。


「あっち!」「あそこだ!」

これも戦士の技の一つ……?なのか?


「これも魔力によるものだから戦士の特権だな」

特定した場所まで走って行く戦士二人と、レノアを抱えケイもそれを追う。


(私はこのままで……良いのだろうか…?)


「レノアさん大丈夫か?」


「あ!ううん!!大丈夫!!」

レノアの表情に何かを感じケイが心配した。


着いた先には一つの村。木や草花に隠れて様子を見るとそこには柄の悪そうな男三人とこの村の住人だろうか?老人達が揉めていた。


「助ける?」

リサがケイに聞く、彼女が飛び出さぬ様腕を掴み

「まだだ」

待機を指示する。


そのまま見たものだけで判断すれば怪しい男達が老人を脅している様に見える。

(事情を知らない俺達にとって勝手な判断はダメだ)


様子見。今の判断はそれだ。

男達の話を聞く。


「何故ですか……!!?娘は返してくれると約束してくれたはずじゃ…!!」

老婆の一人が必死に声を荒げる。


「は?どうしてお宅らに返さなきゃいけないんだ?」

そんな約束なんて知らないと言わんばかりに男はつっぱねた。


「どうして…!!!私の家宝である『宝剣』を差し上げたでしょう!!?それを渡せば娘は返すと…!」


「そうだなぁ……じゃあ返してやるよ」

老婆の顔が少しだけ明るくなる。


「二年後…いや三年後かな?あんたの寿命、病気がきたら返してやるよ。あんな美人は俺達と一緒にいて価値がある」

ニヤニヤと表情を浮かべた男達に老婆は絶望した。

この男達は初めから娘を…!


「一つ学べたな。何事も口頭で約束をするもんじゃねぇってな!!」

男は老婆を殴り飛ばそうとした瞬間。

木の上から声が聞こえる。


「そこまでだ!!」

ケイ達が隠れていたちょうど真上の木。

見上げると、ある男がそこに立っていた。


「え?誰?」

素っ頓狂な声を出したリサ。気持ちは分かる。

と言うかいつの間に?


男は木をずるずると降り、男達を見据える。


「飛び降りずにゆっくりと降りるのダサ!」

「言うな」

リサとケイがこそこそと話す。そんな二人の様子などを全く見ずに男…というより少年は黒スーツの男達に近づく。


「誰だお前?」

男が問うと少年は一言。


「『転移者』…と言った所だろうか?」

黒髪をたなびかせ少年はそう語った。同年代そうな感じがする。


「……あっそう。で何の用?」

完全に舐められてる。男達一人一人を一瞥しながら大声で叫ぶ。


「スタータス!!オープン!!!こい!チート能力!!」

この村全体に響くいい声。今はそんな事はどうでもいい。現実は無情だ、この少年の思った通りにはならずに……


「ひぶっ!?」

綺麗に殴られて地面に突っ伏している。

あちゃ〜とリサは声が溢れてしまった。


「誰だ!?」


「え?誰!?」

少年も森の方を振り向く、俺達がいる事知らなかったのかよと思ったケイだが今はいい。


「こいつの仲間か!!やっちまえ!!」

男達三人がケイ達の方へと殴り掛かる、ケイの前へと立ったのはハウだった。


「俺の仲間に触れるな」

そう言い残し姿を消す。


「何処に……?」

「後ろだ」


はっと振り向いた三人の腹部を殴り気絶させた。

その呆気なさに退屈な様子。


「大丈夫ですか?」

腰が抜け尻もちをついていた老婆にレノアとケイが駆け寄る。


「え……えぇ」

たった数秒の出来事に情報が混雑し過ぎて混乱していたのだった。


すると少年がケイを見て叫ぶ!!

「に、に、に、に、日本人!!!!!!」


状況が更にややこしくなった。


村の中で先程の老婆が村長で、村には老人達が村長含め六人。


『娘』というのは拾い子で小さい頃から大切に育てて来たとの事。


「成程……その『娘』が連れされた。というわけね」

リサの言葉にケイが頷く。どうやら事態はそう複雑じゃない。


「お願いします、娘をどうか救ってはくれないでしょうか……!!」

頭を机に擦りつけるんじゃないかと思うくらい低く…低く頭を下げた老婆。


「わかりました……僕に任せて…」


僕に任せて下さい……そう言い終わる前に、

「リサ頼む」

「りょ」

彼女は何故か隣にいた少年を蹴飛ばし外に出した。


「はい、分かりました。俺達に任せて下さい」

老婆と同じくらい頭を下げてケイ達は答える。人助けはする。可能な限り…だが。


こうして村の時間に巻き込まれたケイ達。そうして後回しにしていた少年と話す。


「あんた!日本からの転移者だろ!!」

ケイを指差し少年は語る。レノアの表情が少し引き攣った様に見てたが…気のせいだろう。


「と言う事はあなたも?」


「あなたはやめてくれ、僕の名は鷹斗、タクトって呼んでくれ」

彼の眼鏡がキランと輝いた。年はまさかの一個下で十七歳。彼の様子はどこか調子に乗った幼子に近かった。


「……タクト。君はどうやってこの世界に?」

ここで転移者に会えたのは僥倖。今すぐに全ての話を聞きたい興奮を抑えケイはゆっくり聞く。


「車に轢かれたらここにいた。で!異世界転移!!

異世界と言えばチート!!チートといえば無双!!なぁ君にはどんなチートが??」

ケイの顔に?が浮かぶ。本当に同世代の人間か分からなくなった。


「ちーと?あぁ〜っと…ゲームの話?」

思いついたのはゲーム。大した印象がない。


「違う!!異世界漫画と言えばチートだろ!!」


「悪い…それなら良く分からん」

ゲームをしていたと言う記憶はある、腹が立つ事にそこら辺りも抜け落ちていた。


「え〜!!!」

ここでタクトはケイ達一人一人を男達にした様に一瞥。するとリサを凝視する。


「何よ」

タクトを強く睨みつける、その表情には軽蔑が含まれていた。


「か……可憐…だ…」

レノアにドギマギされられているケイにとってもう忘れていた事だったが、リサも中々の美人。


他に恋ずる奴とそもそもリサに恋愛感情を一才抱かないアホ二人(ザルツとハウ)


リサもそう言うものだと思ってしまっていた。

目の前の男にわっかりやすい好意を向けられ彼女の目は………


「は?」

不可避の──軽蔑である。

タクト編。

スタァ〜ト!!


という事でやっぱり冒険編二は削除します。

ややこしくてすみません。

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