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半端者の戦い方  作者: 半端者の柑橘系 
第六章 第二都市編
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第54話 実演、神の領域。

金曜日サボってしまったので連続投稿です。


「馬鹿な……何故だ!?」

あの時ハウが地面を切り抜き、ザルツを退場させたのは見捨てた訳ではないと踏んでいた。


あの時ケイとザルツはこう話していたのだ。

「ザルツ先輩、一階に落ちたら魔力の回復と気配を完全に消して、レインの野郎が強くなった時でも弱くなったとかでもいい!!そこの隙をついてくれ!」


「え?階段を駆け上がる必要があるんだけど?」


「頑張ってください!!」

ザルツは苦笑する。自分一人に色々やらせすぎだろと文句を抑え、純粋な疑問を問う。


「君よく鬼畜って呼ばれない?」

こうして作戦は決行。

レインの筋力…つまり本領が戻った瞬間。


自分達がどうやってこの力で彼らを倒そうと策略した瞬間を確実に狙い、成功させたのだ。


警戒していた筈、

ハウの挑発に乗った事が原因…それともいつの間にか選択肢からザルツを除いた事か?


「(考えても仕方がない。今はこいつを!!)[火魔法・爆]!」

小規模の爆発がザルツに直撃した。炎剣を地面に落としそのまま倒れた。


それを見て突撃しようとする三人を……


「[氷魔法・槍]」

無数の槍が真っ直ぐにケイ達に突撃。

リサとハウが防御に回ったところをケイは致命傷になる部分以外は防がずそのまま突撃。


怪我だらけの体のまま。不思議と体は痛くない。


「[燃焼]」

「いい加減その突撃も慣れましたよ!!」

少し怒りを含めながら氷を右腕に纏い始める。


「[氷魔法・甲]!!死ね!!ケイ・タケダ!」

複製が死んだ事で、ザルツを簡単に追い詰めた筋力と能力を用いてケイに殴り掛かる。


ログロ達でも力勝負を諦めたのだ、至近距離で勝つのは無理なのだろう。


しかし顔を血だらけにしながらも、意識がザルツ。

仲間の死はザルツが絶対に許さない。


「(俺の剣なら……俺の好きに動かせる筈だ……!!)伸びろ……!!炎……剣…!!」


刹那、ザルツ思惑通り炎剣が急速に伸び始めレインの右腕を貫き、攻撃を停止した。


(ザルツ先輩…ありがとう…!)

ケイの全身に今この瞬間許される雷を全て蓄える。

そして………


「[燃焼]」

レインの体を袈裟斬り。複製の様に勢いよく血を吹き出したレイン。


レイン完全に戻った筋力と魔力による防御でもケイの火力はチーム内一、防げる訳がない。


ケイはザルツの下へと駆け寄り、心配そうに見つめる。


「ザルツ先輩!!」


「僕は大丈夫だ………流石だな……ケイ。君なら斬ってくれるだろうと思っていたよ」

ギリギリで防御をしたらしく、致命傷は防げたらしい。


ただ後ろには痛みか悔しさか、声を荒げていた。


「うぅァ………ア……アァァ…ァァ!!!」

肩から脇腹にかけて確かに切断した、トドメを刺して本当に終わらせる。


「じゃあな。レイン!!」

そう斬りかかろうとした瞬間、レインが突如振り向きケイの手甲剣を受け止めた。


「!!」


「私は………こんな所では終わらない……!!!」

その目は……かつて…アドラスが似た様な目をしていた。自分諸共何かを……


(自爆か!?まずい…ザルツ先輩……!!)

ザルツに覆い被さり、少しでもダメージを肩代わりしようとした時。


レインは想定外の手段を取る。

「全てを壊せ……!!![土魔法・震]!!」


この城は大きく揺れ、爆音を鳴らしながら派手に倒壊。


「ケイ!!」「参謀!!」

二人が心配そうに叫ぶが、ケイにとっては自爆だと思っていた為少しだけラッキーだった。


その後、ザルツを抱えたまま地面へと落下。

正直そのまま無抵抗で飛び降りても無事な気がしたがお互い疲労中な為丁寧に着地した。


「ザルツ先輩、大丈夫ですか?」


「あぁ……大丈夫だ、歩ける」

ゆっくりと地面に置き、ザルツは立ち上がる。


「(魔力が残り少ないな…)生きていない事を祈るしか──」

ザルツが途中で言葉を止める。それは圧倒的な魔力の気配がここにいる全員を襲ったのだ。


(嘘だろ…!レインと始めて会った時の何倍も……)

ケイはそれに少しだけ動揺するも、こんなことを行う人間は一人しかいない。


「でもどこに…!?」


レインは誰よりも早くこの城の地下へと侵入。そこにはある()()が眠っているのだ。


(こんな所で私は死ぬ訳にはいかない。なんとしてでも[夢]を叶えるのだ!!)


展示品の様にガラス越し入れていた武器。

ガラスを壊しそれを握ると凄まじい力がレインを襲う。


その力、自分が持てる全てのポテンシャルを出し抜く。


倒壊した建物をぶち破り、上空にピタッと静止している人間が一人。


「レイン……なのか?」

魔力総量が増えたのも理由だが、どこか気配が違う気がする。


(レインが持っている()()()は一体…?)


その杖は真っ白でどこかシンプルな形状をし、人間くらいの長さをした杖。その杖の名は………


「[煌炎・黎明ノ神杖]」

淡々とそう呟いたレインはどこか虚げた様子だった。

その武器はオリアーナが作った魔力充電用の()()()()()


生き物の如く自動で魔力を蓄え続ける為この武器を使う以上魔力切れはない。


ただレインの様な魔法使いでも……


「ガハッッ…!!」

大量に吐血。体が持っていないのだ。


供給量は膨大。武器を握った数秒で肉体の許容範囲外の魔力がレインの体に供給され続けてる。


オリアーナの様な莫大な魔力総量、魔力消費を行うものだけに作られたもの。


もし神と戦う為に工夫を凝らしていたレイン以外の人間がその杖に触れれば間違いなく爆散する。


(住民の魔力を吸収した後に使うつもりだったからな……代償か…!!)


ここでレインは一つ考えた。

(今の私の魔法なら住民一人一人に[土魔法]を打ち込み魔力を吸収できる!!)


そうして魔法を放とうとした時、それを許さない女が誰よりも速くレインに猛攻を仕掛けようとしている。


「させない!!」

体力が今のところ誰よりもあるリサである。

杖に適応する前に畳み掛けるという訳だ。


(私だけまだ命を賭けていない!!賭けるなら今!!この瞬間!!)


作戦を邪魔された怒りを抑えずそのまま吐き出すレイン。


「私に……触るな!![火魔法・獄]!」

火魔法を極太レーザー光線に様に無駄を圧縮し飛ばす。


「……アァ゛ッ…!!」

なんとか胴体の貫通を避けたが左腕が綺麗に切断。

大量に出血し動けなくなる。


「ッ!?」

そんな中、レインの腕がドロドロに溶け地面に落ちた。


(この膨大な魔力量を私は扱い切れないのか?魔力負荷に体が耐えれていない…!!)

この魔力を身体強化に回したところで、性質の違う魔力を受け入れたら肉体が四散する。


(はやく住民の……現代の人間な魔力を吸収さねば……)

ここで明らかとなったのは神と人の魔力。原理は一緒だが性質の圧倒的なギャップが肉体負荷が強すぎるのだ。


「リサ!!」

雷を纏い、此方に斬りかかろうとしたケイ。

ここでレインはあえて魔法を使わなずに防ごうとする。


ただ杖を横に持ち雑な防御。

(!?いや動じるな。このまま杖ごと破壊する!)


[燃焼]を杖にぶつける。その後何かが()()()様な音。


「……え?」

魔力で作った手甲剣が……欠けた。

レインは杖の一撃でケイを遠くへ吹き飛ばす。


圧倒的な魔力の差。

それは武器も同じだった。


(ここまでなのか……?)

欠けた剣を見てショックと動揺が隠せない。

飛ばされた痛みより、欠けた衝撃が強すぎた。

体が動かない。


「……ここまでだとはな」

どこか残念そうに語ったレイン。が……


「ッ……!!ガハッ……ガッ……ハッ!!」

嘔吐したかの様な吐血。敵に思いを馳せている場合ではない。


(このままチンタラしたら先に私が死ぬ……早く魔力を……!)

足を引き摺り住民の下へと向かう。丁度住民は広場に集まっているだろう。


「私の『夢』の為に……犠牲となるがいい!!」

それがレインの勝利宣言。

戦いはもうすぐ………終わる。

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