第4.5話 1と2を決める戦い。前日。
「勝者!!ケイ・タケダー!!!!」
イーヴィとの死闘を制し、ケイは勝った。
最後の一撃は運10割のラッキーパンチなの所もあるが運も実力の内である。
直ぐに治癒魔法を施され、全回復した。
その後、拍手でお互いの試合を讃えてくる男が来た。
「おめでとう!ケイ君!」
この男はザルツ・シッヴァカーネだ。
「ありがとう…ございます?」
「それと、イーヴィさん」
座り込んで良い顔をしていない彼女に同じ目線になり話しかけた。見た感じ貴族の様な華がある感じだ。
だが彼は、服が地面についても一切気にせず話を切り出す。
「君の村はお金に困っているんだろう?僕は君の様な人を見捨てない。だから、代表であろう君に問いたい。僕達が君の学費と、村の支援をさせてもらえないかな」
彼女の顔が明るくなるが、その後、すぐ遠慮して断った。
「私は負けた。来年なんとかしてお金を貯めて今度こそベスト4になってみせるよ」
「負けたからこそだよ、君の様な優秀な人をそんな目に遭わせたくない。僕を信じて欲しい。なんだって僕は慈善団体シッヴァカーネ家の長男だからね」
ザルツはウインクして、彼女に答える。
その後、彼女は彼の圧に負けて了承した。多分良い事なのだと思う。ただ、それを聞いていた俺はいろんな気持ちに襲われる。
誰もいない場所で座り、考えだす。
もし俺が負けたら、彼女はベスト4。倒れる前、彼女があんな顔になった理由が理解できた。
彼女みたいに俺は自分以上に誰かのために生きてはいない。あの時、新しい武器ができた高揚感と全能感が全てを支配し、彼女に立ち向かった。自分の為だけに生きてる俺は………
「お疲れ…どうしたの?」
リサはその後、心配そうに聞いてきたが、俺がウジウジしているのを見抜いたのか、ビンタしてきた。
「痛い!!」
「あのね!勝者には勝者の!敗者には敗者からしか見えない景色があるの!!いちいち勝った後考えるのは違うと思うよ!」
「…!!」
叱咤激励……と、思って良いのだろうか。
少なくとも、頭がクリアになった様な気がする。
「そうよ、別に私達は助かったからね、それでいいの」
そう言ったのは、偶々近くを通りかかったと言うイーヴィだ。
「イーヴィさん?」
「もし私とあなたが逆の立場でも私は悩まない。だからと言っちゃ変だけど、あなたも悩まない!わかった?」
「…………はい!!」
やっぱり俺は単純だと思う。ケンカしてもその人に許しの言葉を得れば全部なかった事だと思っちまうタイプなんだろうな、俺は。でも、迷いは消えた。
どうせここまできたんだ。目指すは…
「優勝…」
ぽろっと出た言葉だが、リサはそれを聞き逃さなかった。
「やっぱり?でも、私も負けない。決勝で会いましょう?ケイ!」
「……!ああ!」
こうして、準決勝が始まる。
ここから先の戦いはセイト学園を担う生徒たち。
ベスト4は決定した。今ここにいる四人は、勝つ事以外考えていないのだから。
トーナメントはこうだ。
準決勝第一試合
ケイ・タケダvsザルツ・シッヴァカーネ
第二試合
リサ・セイトvsハウ・ゲレーロ
ザルツは魔法の達人。嫌でも頭脳戦になるだろう。
勝つのはどちらか。誰にも分からない。




