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半端者の戦い方  作者: 半端者の柑橘系 
第六章 第二都市編
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第45話 ベテランの躍動

前回のあらすじ

ケイとドライヴ。本能と理性の対決が終わり、ケイが勝利。ただ街の混乱は更に混沌を極めていた。

その様子を見て、ログロ、ブレイのベテランが醸成された殺意を持って遂に動く────!!!

「ログロ。非常事態だ」

辺りの探索を終えたブレイは隠れていたログロへと報告。


「街の人間がおかしくなっちまった。老若男女問わずあの神について呟いてやがる」


「………ならもう隠れる必要はないな。行くぞ、術者を叩いて全員を元に戻すんだ」


ブレイは笑みを溢すと街中へ堂々と顔を出す。

近くの広場では子供達が空に向けてオリアーナ様と何度も呟いていた。


「………異様だな」

怒りを含んでログロが呟くと、ブレイがログロの肩を掴む。


「おい、待て。誰かがこっちに……」

誰かが此方に向かって走ってくる。

敵か────と一瞬警戒したが、それは解かれた。


長髪の金髪をたなびかせながら走る女。


「レノアちゃん?」

目を細めながらブレイは呟く。


レノアが此方に向かって全力で走ってくる。

声を荒げて、ログロ達の名を叫んでいた。


「レノア・マフォード。どうした?」

息を切らし、喋るのもままならない彼女を宥めながら

言葉を紡ぐ様に彼女は話始めた。


「ハウ君と……ケイ君が……戦闘中…ストライドさんが………地下で…ドライヴという男に殺されて……戦死……しました……」


「………は?」「…えっ?」

ブレイ、ログロは驚愕の表情を浮かべる。

と言うより、それしか言葉が出てこなかった。


彼は強さで言えばまだ粗削りな所があったが、判断能力・速度は確かだった。


と、言うことは裏社会に行かせたロズも…………

ブレイとログロは拳を強く握る。怒りに身を任せてしまいたいがグッと抑えた。


「………よくやってくれた。レノアちゃん」


「あぁ、ご苦労だった」

レノアの肩を軽く叩き、ログロ達は前を見据える。


「お前はケイ・タケダと合流しろ、気配を辿ってみた所、奴は勝った。ハウ・ゲレーロは……一人で大丈夫だろう」


恐らく、ケイは瀕死に近い筈。

一分一秒を争う事態になってきたな。


「ブレイはレノア・マフォードの護衛。俺は敵を見つけ次第、殺す」


「はい」

「了解」

おちゃらけていて、普段から飄々としているブレイも怒りによって声色が低くなっていた。


こうして、ブレイとレノアはケイの元へと向かった。


一人になった時、抑えていた気持ちが独り言となり溢れる。

「ロズ……ストライド……」

自分が行けば、二人も死なずにケイに背負わせる事も無かっただろう。


遺体は残っているだろうか、今でも地下に行って弔ってやりたい。


「………すまなかった」

様々な考えが浮かんでは消えた。

こうして出たのは……謝罪だった。


誰よりも此処を警戒している様に見えて一番甘く見積もっていたのはログロだった。


(………タラレバを語ってもキリがない。罪悪感も後悔も全て糧にする)


怒り、憎しみ、悲しみ、様々なものを孕んだ感情を

息吐く事で、外に出した。


「………全員。皆殺しだ」

背後に大量の改造魔物。中心にリーダーらしき者がいた。


………剣を強く握る。

こうして、怒りに任せた武人が今─────動く。


──────[視点はレノアへと移る]──────


暫く走った後、我慢出来なくて私は口を開いた。

「あの!!」


「ん?」


「ログロさんは一人で大丈夫でしょうか……」

私の様子を見て、軽く笑ったブレイさん。

そこには確実な信頼があるのだろう。


「大丈夫だ。あいつは強いからな、今はケイやハウの事を心配するべきだ」

円形の街。

その中心には最も広い広場がある。


「ケイ君!!」

ボロボロになった建物。

その近くで倒れてケイ。


「呼吸は………ある。良かった……」

背中には斬られた後、左腕は雷の調節失敗しちゃったのかな…??大火傷をしていた。


それと隣にはシンプルで綺麗な剣をケイ君は掴んで離さない。

この剣は………ケイ君のじゃ……ない?


そんな事を考えていたら、

突然ブレイさんが小声で話しかけてきた。

「レノアちゃん、ケイを連れて遠くに行け」


なんで?私はそう聞きたかったが、彼の表情を見て

察し、私はケイ君を抱え遠くに行った。


チラッと見えたが、ブレイさんに襲いかかる二人が見えた。

──────[視点はログロに戻る]───────


ログロは名も知らぬ改造魔物の首元に剣を置いて脅していた。


「兄弟?何人兄弟だ?」

ゆっくりと少しずつ剣を首に食い込ませる。


じわ…と血が垂れてきた。


「ろ……ろろろろ六人!!!長男(ドライヴ)次男(アドラス)は死んだ!!後四人!!」

完全に怯えていた。

無理もない、辺りにいた魔物は全てログロが片付けた。


多勢に無勢の状況を簡単に覆された男の目には驚愕の一文字だった。


「…………お前達を作ったのは?」


「父親……!!神の四天王!!」

涙を出し、チラチラと剣を見て、手があり得ないほど震えていた。


「そうか……助かった」

すると男は希望を含んだ目でログロを見る、助けてくれるよね?そう言いたげな表情。


(助かる…!!!!)

完成に安心した男は何処へ逃げようかを考えていた。

だがそれは甘すぎる。


「えっ?なんデッ────」

喉を掻き切り、一瞬で殺した。

助ける訳がない。


(ブレイの所へ向かうとするかな)

ブレイ達が行った方向へ走ると、改造魔物の気配を持つ二人が地面に突っ伏していた。


「答えろよーー仲間構成をよ〜」

一人の男に座り、頭を踏みつけていた。

ただ、男は苦しそうな言葉こそ出すも、口を割らない。


(この男……何者なんだ??魔法使いの癖に[転移]の能力と体術だけで……)

もう一人の男が悔しそうに見つめるがログロの登場で死んだフリをし始めた。


「ブレイ、もう尋問する必要はない。俺と戦ったやつが全て喋った」

ブレイの下で倒れている男が何か口を開こうとした瞬間、首を両断。


死んだフリを続けている男は静かに殺した。


「さて、本丸を叩く準備をしようか」

まずはレノアと合流し、ケイと話し合い……をしたかったのだが、ここで問題。


「ログロ!!ハウの気配が感じない!!」


「何?」


少し焦りを含みながらブレイは続ける。

「だが、生きてる感じはするから多分何処かへ飛ばされた。俺達の魔力探知外の所に……」


ログロが顎に手を置く。


もう仲間には死んでほしくない、だがこのままハウを捜索し時間を無駄にすると……


市民達、並びに自分達までにも攻撃が来てもおかしくない。


「…………ハウ・ゲレーロを信じよう」

ストライドの二の舞になるかも知れないが、奴が死ぬ奴にどうも思えなかった。


「…………本当に、それでいいのか?」


「あぁ、時間が惜しい、動くぞ」

城を潜入したリサ、ザルツ、そして現在交戦中のハウ。


戦いはもう終盤戦。

一手誤れば負けに繋がる戦いが今も火蓋を散らしている。


──────[視点はハウへと移る]───────

[おおよそ三十分前]

謎の男に壁側まで吹き飛ばされたハウ。


(………強い。参謀の援護は……来ない所を見るに何かあったな)

逆に援護に行きたい所だったが、この男。中々に強い。


もしかしたらドライヴと同等…もしくは、その次に強い可能性がある。


赤髪で、体はほっそりとしているが騙されてはならない。


この男は……かなりの膂力を誇る。


「自己紹介がまだだったな、俺の名前はカイザル。

赤竜を人型に改造させた改造魔物だ。あ、後戦士」

軽い声色で、自己紹介をしている間も

一切警戒を解いていなかった。


「戦士と戦うのは試験ぶりだな。俺の名はハウ。ハウ・ゲレーロだ」


「獣族……!!」

あまり話は聞いていなかった。

ハウの容姿を見て、カイザルは笑っていた。待ちきれないと言う様子。


「(変な奴…)かかってこい。漢ならこっちでな」

先程作った、大剣を捨てる。

鈍い金属音が鳴る。


奴は体術メインの武闘家ならそれに準ずるのがハウのポリシーだ。


魔法と剣の世界で、二人はそれを使わない。

漢の勝負が今───始まる。

休日は一日投稿。

平日は二日に一回投稿でやっていきたいです。

よろしくお願いします

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