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半端者の戦い方  作者: 柑橘系
第二章 入学試験編
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第4話 試験開始

「トーナメントを発表します。」

試験監督と思われる人が声高々に言う。

2回勝てばベスト4。意外と簡単と思っているケイだったが、気を引き締めなおした。


一回戦、テンネンさん?と戦うらしい。

トップバッターだ。ちょっと緊張してきた。


ちょっと奥にはコロッセオの様な物があり、地球にあるものと瓜二つだ。そこで、リサ達は上から俺たちの試合を見ている。俺も最初は見る側でいたかったぜ…

すると男は話しかけてきた。見た目は昭和ヤンキーそのもの。はっきり言って、そんなに怖くはない。


「お前、見ない顔だな、去年受けた奴にはいなかったところを見ると、お前は今年から初受験かね」

「そうですけど、何か?」

「何がどうじゃない。ただ、生意気。そう思っただけだ」


話を遮る様に審判は話し始める。

「対象者を戦闘不可能にすれば勝ち!殺生は固く禁ずる。はじめ!」


相手の出方を伺うべく、防御の姿勢を取る。

見た目の偏見通りに彼は殴りかかってきた。

戦士の派生?だったか。武闘家だ。


「おら!おらおら!!どうだ!?ビビってんのか!」

殴る。殴る。殴る。シンプルイズベスト。ヤンキーというより、チンピラだな。これは。

頭がガラ空きな事に気づき、カウンター一丁!!


「邪魔だ!!」

ひたすら殴りまくるあいつに渾身のアッパー。

彼はダウンした。


「え?」

いや、これは…慢心でも過信でもなく、これは…

あいつが弱いだろ!!いや、俺も強くなったんだろうけどさ!!


「あ〜これダメそうですね。勝者!ケイ〜」

雑!!


こうして会場に戻った所にリサがいた。

「お疲れ!!ワンパンだったね!」

「あ……あぁ」

「あの人、武闘家だと思っただろうけど、ただの一般人だよ」

囁く様にリサは言う。鍛えてないのかい!!

「じゃ!!私も頑張るからー!!」


翌日。

俺は試合を観戦し、リサが敵を気持ちよく吹っ飛ばす姿。

ザルツ・シッヴァカーネと呼ばれる奴の魔法が化け物じみてること。


ハウと呼ばれる奴の大暴れ、イーヴィと呼ばれる人の流麗な剣技。しかもこの人俺の次の対戦相手だ…

それに勝てばあの、ザルツって人と相手か……


「中々…大変だな」

さっきは奇跡(笑)で手札を一切晒さずに勝てたけど次からそうもいかないかもな…

数時間後、俺こと、ケイ・タケダと

寡黙の騎士(勝手に名付けた)イーヴィ・サラが

ぶつかる。


フィールドは前回と変わらず、少しその風が吹いてる。ん…まてよ…そよ風……

「ベスト4決定戦!!これに勝てば様々な所で優遇されるぞ!始めぇ!!!」


わざわざプレッシャーをかる必要はないのに…

俺と違ってベスト4にかける思いは人による。俺だって負けたくない。気持ちの強さだけじゃどうも出来ない事があるかもしれないが、何も出来ないわけじゃない。ここの戦い…絶対勝つ!!


「あなたは」

イーヴィさんが話しかけてくる。

「どれほどこの戦いに賭けてる?思いの強さとか」

正直どう思ってか俺も分からんけど、少なくとも!!


「全部賭けますよ!俺もね!!」

「安心した。全力でやらせてもらう……!!」


彼女の剣はレイピアに近い形をしている。ケイはそれに対応し、カウンターが求められる戦い方だ。それが苦手かどうか、本人もよくわかっていない。

ただし、この戦いは、彼自身を大きく変える出来事となる。


「……………」

「……………………」

待つ。お互いに。彼女の一回戦の試合を見ていた。

攻めが主体そうに見えたが…相手が弱く見えるくらいには彼女は強い。


「沈黙=忍耐の強さじゃないよ、ケイ君」

急接近。顔近っ…の前に、レイピアの突き技を避ける!!避けなきゃ死ぬ!!


彼女の突き技はとにかくブレない。正直、彼女の能力を見れずにここで決着がついてもおかしくないほどに

速く。鋭い。


「良いの?避けてるだけで」

「アンタが隙を見せてくれたら反撃しますよ」

「そう、残念」

突き技は更に鋭くなる。

太ももに1回。胸に2回。刺された。大軍の蜂に刺されそうになる経験は一度だけあるが、もはやそれと同じくらい…それ以上だ。


「ただ、俺は待つ()()()()()()!!」

腹部に深く剣が刺さる。それを魔力と筋力で止め、タイミングを完璧に合わせる。

その瞬間、そよ風が来る。風に魔力を込め、対象者に当てる


「風魔法!!」

風、雷魔法は自然にあるものに魔力を送り利用する。

風は吹いてなきゃ使えず、荒れた雨雲じゃなきゃ雷は使えない。ただし、威力を強化するだけで済み、魔力消費は少ない。その為にケイは、魔力を大量に込める。

魔力を込めた風はひたすら鋭くなる。

剣でギリギリ受け止められたが、コロッセオの壁に激突する。


「ちゃんと返しまたよ。一発」

砂埃が消えると受け身をしくじったのか、彼女の頭から血が出ていた。彼女から強く睨まれると、

体の全ての毛が逆立つ様な…プレッシャーに押された。


「おいおい。無傷…か」

彼には砂埃の間から見える彼女のダメージが見えず、風魔法のダメージが効いていない様に見えてしまった。


[ここでイーヴィ・サラ視点に切り替わる]

イーヴィは負けられない。彼女はある目標がある。外れにある、貧乏で明日生きているかも分からない、そんな故郷を救う為に今ここにいる。

誰も助けようとしない。そんな村を助ける。その為に、高額の入学金をかけて、ここにきた。

あいつの様に推薦されて、金も何もかけずにきた奴とは違う!!


「私は…!!」


ここでイーヴィの能力が発動する。

私の能力は、不屈の精神を得た瞬間。全回復する。

知っていたが、まさがここで……


「ケイ・タケダ。ここで必ずあなたを倒す」

「おいおい。無傷…か」

事態は良くない方に傾き始めている。


[視点はケイに戻る]

無傷!!不味いな、丁度風が止んだ。そして接近されると、今度こそ終わり。二度も同じ手に引っかかってくれるとは思えない。


「棒立ち厳禁!」

思考していた事により、体が反射で動かず、悪手を踏む。


「!!水魔ほ…!」

両手を使い、防御の姿勢を取ろうとしたのが最後、手を貫かれる。


「アアあああああ!!!」

痛みで悶絶する。勘違いしていたのだ、自分が痛みに強いと、ただ、ここにダメージが入ると覚悟して受けていたから彼は耐えられた。何もかも、足りない。


地面に膝をつき、息をして、後の事を考える。

行けるか?無理なのか?

痛みで覆われた体をなんとか回して、彼女の方を向く。胸部の出血と手の出血で、視界が揺らぐ…!?

そんなに出血してないと思ったのに…


「さようなら、ケイ君」

彼女の剣が俺の体に突き刺さろうとしている。負ける…?ここで…??そんな………


反射的に刺される箇所を守る。

ただ、いつまで経っても痛みが来ない。

感覚が戻る。手に押されてる感覚がある。なんだ?


彼女の顔を見るとあり得ないと言う顔で見ている。

自分の手を見ると、信じられない物を見た。

手の甲から長い爪の様なものが生えている。

なんだこれは…魔力??か…?


ハッと意識が戻される。残りの力で彼女を押し返す。

「あなた……戦士だったの?いやでも魔法を…」

「………………」

ここでかっこいい台詞があると良いのだが生憎、

決め台詞はない。ただ、一つだけ言うことがある。


「別に……ただの半端者だよ」

ここから先は剣と剣のぶつかり合いの様に鈍い金属音をコロッセオ中に響かせた。

元々、剣術に自信があった……と言うわけではない。むしろ下手くそで、褒められたものではないが、先生にボコボコにされてきたんだ、多少、自信を持ってもいい。


かと言って!多少どころかかなり剣と扱い方が違うから想像以上に難しい!!

突き技が主体だから、彼女のレイピアにちゃんと合わせないとこっちが刺されて死ぬ!!

体への貫通は防げているが、これ以上、防御をしているだけじゃ話にならない。


攻めて、攻めて、攻め続ける…!!

体力も魔力も、お互い限界。最後の一撃を込め、

イーヴィに放つ。


「それを待って……いたんだ!」

すんでのところで交わされて、胸を狙われる。

……

………

…………貫かれた。



ただし、俺じゃなく。彼女が。


「が……はっ…」

彼女の剣はギリギリで俺の胸で止まった。

余った左腕で爪を作り、彼女の腹部を貫いた。


「左で爪を作ると、右の爪は消える。両方の維持は無理…かな」

彼女は二度、貫かれた腹部を見て悲しそうな顔をしたが直ぐに俺に優しく微笑んだ。


「おめでとう、君の……勝ちだ……よ」

地面に倒れ、俺も数秒遅れて倒れる。


「勝者!!ケイ・タケダー!!!!」

歓声と驚きでコロッセオは包まれる。

勝てた……本当になんとか……ね。

















これからも頑張ります。正直、まだ不安です。未熟者ですがよろしくお願いします。

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