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半端者の戦い方  作者: 柑橘系
第四章 第一都市編
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第26話 最強の護衛

(もう戦える奴はあれで終わりか)

ドライヴの心を満たせる奴はいなかった。

         退屈。

美味しいとこ取りなんてつまらない。


ノアの事をさんざっぱら酷評したドライヴだったが、

奴もそのタイプだ。全く人の事を言えていない。


「もっとギリギリの戦いほしー!」

残念そうに叫ぶとまだ息があるケイに留めを刺そうとした…が。


「悪いが、そいつはうちの参謀でな」

どこからかそんな声がする。


(背後───)

剣をノールックで背後に振るう。それを受けた男は驚いていたが軽く受け流した。


どちらも距離を取り、ケイを中心として互いを見つめ合う。ドライヴに攻撃した男。それは…


「数ヶ月ぶりのシャバの空気は美味いな」

一矢パンツしか纏ってない姿のハウ・ゲレーロ。


「うお!お前服着ろよ!!」


「すまないが焦ってここに来た為、服はない」


(こいつ…)

ハウのその堂々した佇まいに少し引き気味のドライヴだった。


変態が来たが、任務は確実に遂行する。


ここはハウと戦いたい気持ちを抑え────


「れる訳ねぇだろぉ!!」

ケイに留めを刺すフェイントをしたが、ハウにはバレていた。


ハウが用いる大剣とドライヴの長細い剣がぶつかる。


「強いなぁ!!」

「黙って戦え」


ハウの回し蹴りをくらい、軽く浮く所にすかさず、打撃の連打。


「お前が俺と戦う必要が無いように、俺もお前と戦う必要はない。吹き飛べ」

あえて斬らずに平打ちで吹き飛ばす。

ホームランだ。


(痛って!!斬られてねぇのに…まぁ、確かにお前を殺すのは任務外だ。けどよ)


「俺様の私情はどう……なんだ!!」

ケイを一撃で倒した技、[燃焼]

それを使い、雷を放出する様に加速する。


「ッ!!」

防御には成功するが、防戦一方。

だがこのまま何もしないハウではない。


「大会ぶりだな…使うか」

目を手で覆い、魔の目を起動する。


(あ?何を……なっ!?)」

剣が消滅した。魔の目の本領、体外に放出した魔力を

()()()()()()()


制限時間は一分。だが先に戦いを辞めたのはドライヴの方だった。


「任務失敗。か…」

少し悔しそうに言うと、手をヒラヒラさせる。


「おい、変態。そこの死にかけにこう伝えろ。まだ挑んでくる熱いハートの持ち主なら……冒険者の街(カミリーズ)で待つ。とな」

そう言い残し、雷の様な速度でどこかに飛んでいってしまった。


「随分と厄介な奴に目を付けられたな、参謀」

ニヤリとケイの方を向く。ハウは気づいていた。


「何!?気づいてたのか!?」

[気絶したフリ]はハウには効かなかった。


何故ここに囚人のハウがいるのか?


それは、セリーナに褒美としてハウを牢屋から解放し

仲間になる様に手配してくれ…


という願いを一つ返事で淡々とこなしてくれたセリーナには頭が上がらない。


その為、ハウなら真っ先にここに来ると信じて、ドライヴに負けた後は変に抵抗せずに沈黙を貫いた。


「ま…貫かれた事には変わりないが…」

依然出血が止まらず、激痛に苛まれている。


「今度は必ず…殺…!す…」

限界が来て、倒れた。

教会のお世話になる人がまた一人増えた。


────────[数時間後]──────────

命に別状はないザルツだったが、力という力を使い果たした為、目を覚ますのが一番遅かった。


「ん……天国…?」

夢でノアとの別れを告げたザルツはもう死ぬのかと思っていた。日差しの暖かさに勘違いをしている。


「現実です」

目覚めを待っていたのはケイ…ではない。ハウだった。


「ハウ・ハゲーロ!?」


「ハウ・()()()()だよ!!ハゲを促す苗字になった覚えはねぇよ!!」

そもそも掠ってすらいない。


そんな事もありながらも、今までの事を軽く説明したハウは、筋トレに向かった。


「やれやれ、変な奴が味方になったな」

ザルツはそう呟き、寝た。


現在、治療が終わったのはケイとリサ。ザルツは強度の筋肉痛でレノアの治療待ちだ。リサは元気ではあるがまだ復帰は許されていない。


ドライヴに思いっきり斬られたレノアだが、意識さえあれば自力で回復できるそうで問題はなかったそうだ。


夜───ケイは教会の屋上から星を見ていた。

ドライヴとの戦いは…あっさり負けた。

傷こそ簡単に治してくれたが、なんとなくまだ痛い。


勿論リベンジするし、強くなる気もある。

奴が神の四天王側ならいずれか戦う事になる。


(ハウはアレと互角に戦っていた。彼は獣族と人間のハーフだ。純粋にパワーが…いや、俺でもやりようはあるな。膂力の差で片付けるな)



──── 冒険者の街(カミリーズ)で待つ。


と、奴は言っていた。あの戦いで少し怖気ついたのかもしれない。行きたくないと言う気持ちもあるにはある。


「まぁ…行くよな」

記憶を取り戻すには神の四天王を倒すしか無いのだから。


そんな事を考えていたら背後に気配を感じた。

ずっと前から居るのに顔を出さない。


「誰だ」

数秒後、ひょこっと顔を出したのはレノアだった。

少し驚きつつも何処か安心したケイは何故ここにいるから聞いた。


「えっと……お話…したかったから?」

彼女もよく分かっていないのか…?


「これから……どうするの?」

ぎこちなく聞くとケイは考えるポーズを取る。


「カミリーズへ行く。こっから学校を越えて南へ」

現在、日本時間に合わせると七月。

そこに着く頃には八〜九月くらいにはなっているだろうか。


「え?今なんて…」


「カミリーズへ…行く」

するとまた彼女はグッと距離を詰めてくる。

学園の時然り、突然顔面ドアップは心臓に悪い。


「凄い!!同じだ!!」

嬉々として喋るレノアだったが……


「な…!な………!そう…!なんだ」

目を合わせずに顔を赤らめそう答える。

レノアは少しニヤニヤしてる様にも見えたが…気のせいか。


離れて欲しい。そう伝えるとあっさり離れた。


「あ!ごめんなさい。[()()()()]近かったね」


「ちょっとじゃ……無いです」


「?なんか言った?」

慌ててなんでもないと返す。彼女は「早く寝なよ」と言い残し、優しく手を振って教会へと戻った。


彼女は悪女だ。人の心を掴んで弄ぶ────────

しかも()()()()


「はぁ……なにで悩んでたんだっけ…」

顔の熱さと疲れで、部屋に戻った。







次回:第二都市[カミリーズ]に向けて。


新たな仲間と敵が───?

お楽しみに。


         [感謝のついで]

遂に合計pvが1000を超えました。ありがとうございます!面白い作品を作れる様に努力します。

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