第25話 敵襲
「レノア…さん?どうしてここに…」
リサの治療が最優先なのだが、頭の中にある言葉を紡いでいくにつれ不要な言葉が出てしまった。
「ええと、それについては後でいい?」
困り顔で答えるとケイはハッとし、冷静さを取り戻す。
「…ああ!勿論だ」
ここから先のレノアはいつもの頼りない笑みを浮かべる少女ではなく。天才僧侶としての
佇まいがそこにあった。
治癒魔法の応用だろうか、青白い光でリサの体を見ている。
「………すごい。リサちゃん、臓器の至る所に魔力が籠ってる」
それは感嘆の一言。リサはあの時だけの覚醒を、完全とは言えないがモノにしていた。
「解析完了!!そして…治癒魔法」
今まで見た治癒魔法は白い光で傷を少しずつ回復させる程度のものだったが、彼女──レノアは違う。
緑色の光でリサの変色した体がみるみると元に戻る。
「よしっ!終わり…!」
腕を伸ばし、やりきったー!と言わんばかりの顔で満足そうに言うと、ケイは呆気に取られた。
「え?治ったの」
「うん。でも治るには暫くかかるかな〜」
「まじかよ」
現状を全然理解できない。これが天才…なんでもありか。
「ケ…イ」
毒に侵されていた先程の声より、少しだけ元気そうな声でリサは呟いた。
「おいおいリサ聞いたか!?毒治ったてよ!」
外は段々明るくなり、日差しが部屋に入ってくる。
二人は安堵した。リサは優しく微笑み寝た。
今言うことはただ一つ、感謝だ。
「レノアさん…今リサはこんな状態だ、俺から言わせてくれ…ありがとう!!」
頭をピタッ!とレノアに下げる。するとレノアは慌てて頭を上げさせる。
─当然の事をしたまでだから!!
屈託のない笑顔でそう言うと彼女はそう言い、他の治療者の所へ向かった。
[ここから視点は???に代わる]
「さて、目的は果たさないとな」
彼はネオニィシティにこっそり入って、やる事がある。それは本来ゴーストに任せたかった任務。
アルテミア家が地下に優秀な本が置いてある書庫があるとかないとか。それと…
あの馬鹿は無駄に正々堂々だからこうなる。
なんで俺様もこんな所に…とため息を吐きある場所はと向かう。
彼はノアについては高く買っていた。
ただこの任務においてあの無骨さと武人さは不要だが。
「……君」
イオシン隊長とその部下二人にに止められる。何か不快に思った事でもあるのだろうか。
彼はリサと共に正門の守備を担当した。
それとこの街の中で最強だ。
実際、あの戦いでは無傷生還した。
「…なんすかぁ?」
「君から変な気配がする。それはまるで魔も…!」
全て言い終わる前に二人の部下が両断され、胴と泣き別れ。
「貴様!!」「遅い」
イオシンも部下と同じ胴を両断。即死だ。
「ゲッ!こいつ強いな。残念だな〜俺の間合いから早く抜ければ勝負になれたかもしれんのに」
服についた血を水魔法で洗い流し、教会へと向かう。
「ここか。(この街はあの神ではないなにかを信仰してる?まぁ俺には関係ないか)」
教会へと着き、ゆっくりと扉を開く。
[視点はケイに戻る]
─数分前─
リサもザルツも復帰には時間がかかる。だが命には別状がないのが一人となくなったのが一人。
本当に安心したケイは前日に、お見舞いに来たセリーナにあるお願いをした。
英雄の為にと快く引き受けてくれた。後は執事さんにお願いが…
「あの…どちらさま…ですか?」
レノアが恐る恐る聞くと男はレノアの方を一切見ずに答える。
「お前に用はないかなー」
そう吐き捨てるとレノアの胸に血しぶきが飛ぶ。
「え?」
レノアは状況を飲み込めないまま倒れる。
ケイは扉を開け、レノアがこいつに斬られた事を知る。出来るだけ冷静に静かに聞く。
「誰だ?」
「手先」
「どこの」
「神の」
神─────その単語を聞いた瞬間、足に魔力を強く纏い、蹴り飛ばす。
男は教会の外に吹き飛ばされる。
「やるな…!」
相手の強さに関しては気づいている。レノアについては怒りはあるが冷静。
「魔物の気配がするな」
最初に感じたのはそれだった。人間では絶対出せない気配。そんな気配が奴からする。
「改造魔物──だからな」
「語呂が悪いな」
「そう言うなって」
男…?は飄々として油断ならない。飄々としている奴はこの世に沢山いるがこいつは何か違う。
「俺の名はドライヴ・ブラッド。狼系の魔物を改造し合体させできた理性を持った魔物。それと…
ケイ・タケダで合ってるよな?」
合ってるよ。そう答えると男は不気味な笑みを浮かべた。玩具でも見つけた目。
剣を作り臨戦体制となる。
「まずは一人目だなぁ」
「魔物は魔物らしく死んどけ」
リサとザルツ。二人が戦えない以上、ここで奴は殺す。言葉を操る魔物に情けはいらない。
ここら辺りは人はいない。教会全体を守りつつ、チャンスを伺う。
辺りにある建物の屋根にに上がり、ドライヴの剣と
魔力の爪──強爪がぶつかる。
その間には二人の思考が相手を出し抜くべく、ぶつかり合っていた。
「(このままじゃ埒が明かない。魔法を使う…違うな。ならこうする!)」
ドライヴが追いつく前にに屋根から飛び降り、姿を消した、
「あ!おい!逃げんな…!チッ」
つまんねぇ。ネチネチ戦うつもりじゃねぇだろうな。
刹那。屋根下から音が聞こえた。
ピキピキと屋根に穴を開けようとしているのか?
これは一体?
何を…
「ん〜?…………うおぅ!!」
屋根から魔力で作ったナイフがドライヴの顎目掛けて飛び出した。
残念な事に弾かれたが、頬を掠めた。
「あぶね」
建物内にはいない事を確認。外を見渡すと
何かを投げようとしているケイを発見。
「叩き落とす…!」
同じようなナイフがかなりの速度で飛んできた。
動揺なく叩っ斬ろうと思ったら剣が折れた。
肩にそこそこ深く入ったが、
直ぐに抜き投げ捨てる。
ケイの武器。対魔のナイフだ。
ただ、ケイは隙を見逃さず顔を蹴り飛ばす。
相手はさっきと違い大袈裟なダメージリアクションはなかった。
ひとまず距離を置き、相手の出方を伺───
「それだけか…よ!!」
少し離れた所をケイに急接近。
折れた剣を一瞬で再生させ斬りかかる。
「クソ…!」
爪で受けきったが、動揺は隠せない。
「(今のが素のフィジカルで出る一撃かよ!?)」
軽く吹き飛ばすと、男は地面に着地する。
警戒しなくちゃいけないものが増えただけだ。
問題はな…
───そう意気込んだのも束の間。男はボソッと呟くように言った。
「燃焼」
ケイが次に見た光景は、胸部の鋭い突き刺さられた
痛みと、
先程の空中戦とは比べ物にならない程の上空にいた。
「はっ?」
簡潔に言うと打ち上げられた。
それをどうやったかは不明だが。
「さよなら〜!!」
剣を抜き、出血が止まらないところに
間髪入れず地面に蹴り飛ばす。
「…………………」
今の一撃でケイは完全に気絶した。
もう誰も、教会を守れる者はいない────
「さて♪後は俺様の美味しいとこ取り…つまんね」
解説コーナー!!(見たい人向け)
──ケイの爪編──
エピソード30までやって来て具体的なイメージを説明していなかったので、他のアニメ、映画で例えると…
マー◯ルのウル◯リンの爪、
ダ◯の大冒険のハ◯ラーとかの爪攻撃とか
崩壊:スターレ◯ルのギャ◯ガーの必殺技とか
そんな感じに爪が出て来ます。ちなみに痛みはなし。




