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半端者の戦い方  作者: 柑橘系
第四章 第一都市編
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第24話 毒。

[ザルツが目を覚ます前]


「感慨に浸ってる場合じゃねぇか。リサとも連絡取れてねぇし…取り敢えず…僧侶様でも探すか」


ケイはザルツとノアの戦いが終わった後、駆けつけた。援護については間に合わなかったが戦いは無事勝利を収めた。


「……………」

ノアの体がボロボロとゆっくりと崩れていく。


「燃え尽きた…のか?」

だが、それが何なのかは分からない。中身ゴーストっぽいし…そう言うものなのか?でも前倒したゴーストは…


おっと、今はザルツ先輩の命優先だ。こんな所で考える事ではない、遺体が残っていたら調べよう。


と、思った矢先、ケイの足をノアが掴む。


「何っ!」

何かする気か!?と反撃の準備に出ようと思ったが違った。それは攻撃ではない。

刹那──ケイに()()()()()()()()()


────────────────────────

啓を含む三人の男子は放課後、誰の家で遊ぶかを考えていた。


「啓!どうする?」

一人の爽やかな友人がそう聞く。


「俺の家で良いんじゃない?」

暗そうな友人が答えるが二人は難色を示した。


「だって…お前家に最近行きすぎて申し訳ねぇっつーか…」

そっか…と二人は悩んでいた所に啓は名乗りあげる。


「んじゃ…俺の家で。母さん許すかなぁ〜」

無事許され、三人はゲームで遊ぶ……

そして、屋上で話す姿や、勉強する姿。顔の見えない親と思われる者との会話。

そんな中、無理矢理記憶は終了した。

────────────────────────

「はっ!?(なんだよ…今の…)」

時間にして数秒、記憶内では数分。夢の様な時系列の移動に混乱したケイだが、うなされているザルツを見て、即座に正気になる。


「やべっ!ザルツ先輩!リサも探さないと…」

教会へ行く道の途中、リサを探したがいない。

彼女は確かこの街全体の守護を任されていたから簡単には見つからないか…


ザルツ先輩やリサの心配がありつつも教会へと着く。

結局最後までリサは見つけることは出来なかった。


「あ!ケイさん!!大変です!!」

僧侶の女の子が走って駆けつける。

辺りを見渡すと負傷した衛兵達は少ない。僧侶達が懸命に治癒魔法を掛けている。


「あぁ悪い、その前にこの人も頼めるか?」

「それはもちろん…ですが!大変です!!リサさんが…!」

リサは違う部屋で三人の僧侶達と共に治療を受けている。

女の子は泣く寸前だ。彼女の目から溢れる涙を指で軽く払い、事情を聞く。


「リサさんが…ずっと毒に侵されてたみたいで…

解毒しても全然良くならないんです…」

取り敢えずリサがここに運ばれてきた事に安堵したのも束の間、今度は毒による問題がある。


「魔法でどうにもならないんだったらなんかないのか?薬草…とか」

嗚咽を漏らしながら、残念そうに答える。


「何にも…ないんです。それ程…リサさんが受けた毒は深刻で…!!」


「……………ッ!!!」

クソ…!!


そうするとリサの治療を担当していた男がこちらに話しかけてきた。

「少なくとも後三日は延命できます。そこからが勝負です。我々は絶対に諦めません。最善を尽くします」


しかしこの三日間。毒によりうなされ苦しむリサをただ見る事しか出来なかった。


「(ザルツ先輩もまだ目を覚さない。万事休す。ただ限界まで力を使った為にこうなった。いずれは目を覚ます。ただ───()()()?)」

嫌な考えが頭の中によぎる。死───?


どんな毒でも治せる薬草か魔法を探すしかない。

あの三日間は図書館に籠りただひたすら本と向き合う日々だった。セリーナにも協力してもらい城の地下にある書庫も読ませてもらったが特に良いものはなし。


「(恐らくそんな神の様な魔法は禁書エリアに入っているだろう。禁書の封印を解くのが先か、リサが死ぬが先か…)」


僧侶達の実力ではどうにもならないのか?

そんな事を考える事もあった。第一線で治療の手を止める事なく、奮闘している彼らを責めるなど言語道断だ。


そんな彼らも悔しさからポツリとこう溢していた。

──マフォード家の天才達なら…


リサの手を握る事しか今出来ることはない。

まだ万策尽きた訳では無いのだから。

今日はもう遅い。

宿で寝よう。


「ケ……イ…ザ…ルツ……ぱい」

「……!?リサ!?」


突然声を出した彼女に驚いて夜分に大声を出してしまった。いや、そんな事は今考えるべきじゃ無い。


「大丈夫か!?おい!」

少し…どころかかなり強く手を握っている事に気付いた。だが、リサには申し訳ないがケイも追い詰められている。


「一緒に……戦えなくて……ご…めん」


自分の体の事は彼女が一番理解しているだろう。

もう悟ったのだ。自分は助からないのだろうと。

リサの涙にケイにも涙が出てきた。


「待ってくれ!




どうすれば……そんな事を考えていたら頭を優しく撫でやれた。



「大丈夫だよケイ君。えっと…後は…私に任せて?」

金髪の長い髪に、女神の様な優しい笑み。


「レノア…さん?」

無意識のうちにケイの中で一筋の希望が見えた。


─── マフォード家の天才達なら…

あの時、僧侶の男がそう言っていた。彼女の姓は…


     [レノア・マフォード]




もう少し続きます。

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