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半端者の戦い方  作者: 柑橘系
第四章 第一都市編
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第22話 決死のサポート

ザルツのタイムリミットは後十五分。

このままダラダラ戦えば、だが。


ザルツとノアの剣に迷いはない。しかしどちらも大した一撃は入れられていない。


技や魔法を華麗に変え、相手の虚を突こうとするザルツと、一撃入れたら(だいたい)勝ちなノアにとって

後者の方が有利だ。


余計な思考が混じらず攻撃を畳かける事ができる。

択を誤る心配はザルツより少ないだろう。


ザルツの顔には疲れは見えるが焦りや怒り、恐怖を孕んだ表情はない。そこにあるのは稽古中の様な静かで

沈む様な集中。ザルツは理性を置き去りにする。


「………いい…気分だ」


「奇遇だな、俺もだ」


短刀は剣を両手で持たずに片手で弾き、大剣は全身で受け止め反撃。カウンターメインの戦い方に本当に少しずつ姿勢が崩れ一撃が乱れる。


ノアは目の前の相手(ザルツ)を完膚なきまでに叩き潰すまで戦い続けるだろう。死にそうになったからと言って逃げるつもりは毛頭ない。


だが───彼は絶対に逃げられない。


「助けに来たぞ!と」

「ッ!!」

短刀で弾き、男を軽く飛ばす。ノアは感じた…

(魔力の爪!!これができる奴は…!!)


ザルツが嬉しそうに声を上げる。

「ケイ!!」

「ささっと片付けましょ、ザルツ先輩!」


──タイムリミット(魔力切れ)まで残り十二分──


ケイの登場により、これからが本当の戦いだ。

暗殺者姉弟の戦いにより、疲弊はしているが怪我は回復している。体力に問題はない。()()()


挟み撃ちの体勢からザルツの隣に立つ。

奴が正面から向き合うと言うのならそれで応える。


長い沈黙。時は止まっていない。


同タイミングで三人は前に出る。


一歩

一歩

また一歩

前に出る。


ここから約三十秒、彼らの判断次第で狩人にも獲物にもなりうる。



「フンッ!!」

「だらっ!!」

コンマ数秒先に出たのはノアとケイ。

強爪に魔力を強く込め、大剣短刀両方受け止める。

「そこっ!!」

ケイの左後ろから炎剣でノアの心臓を狙う。

「甘い!!」

剣に費やした魔力を身体に戻し、ノーガードで()()()()()


「剣、お留守になってるぜ!」

ケイの奥の手、対魔のナイフ。強爪にかかる負荷が減った事で使う機会が出来た。


ナイフで大剣をへし折る。あの大きさの武器を作るのは他より少しだけ時間がかかるだろう。


畳み掛ける。


「………やるな」

ノアはぼそっと呟き、二歩下がり応戦。

短刀を楽に弾く。


「ここだ!!」

ノアの足に強爪を刺す。身動きが出来ないだろう。


「今だ…!!ザルツ先輩!!」

炎の出力を上げ胸部に一閃。両断はできなかったが問題はない。


「……!!こいつ…!」

ノアの体がどんどん燃えていく。少しでも魔力に触れたらああなるのだろう。全然知らなかった。


焼かれる痛みに苦しそうな声を上げているノアを横目にザルツの方を見る。


後は燃えて灰になるのをただひたすら待つだけだ。

これで終わり…と思っていたがザルツがまだ、警戒を解いていない。まさか…


炎は依然としてノアの体を焼き続けている。だが、身体の一部が崩れて取れたりと体に異変が()()


「ケイ。」

「…はい」

「第二ラウンドだ」


炎を吹き飛ばし、上裸の姿となったノアの気配は…

静かだ。先程の禍々しく恐ろしい魔力から出されるものでは無く一切の揺らぎがない。


「流石だ。お前らにはいつも驚かされる」

「…?」

「…!?」

ケイとザルツは驚いて声が出ない。


人はどう足掻いても体を動かしたら魔力が揺らぐ、戦いの最中はそれを見て相手の手を読む。


喋る時でもそれは同じ。


あの気配と一緒だ。()()()()()()は二人に重い緊張が走る。


「ここで勝たなくてどうやって強者になる」

ぼそっと呟き、地面が揺れる。


「(地震…!)」

ケイはすぐさまそれは違うと判断。

これは……


「本気だ。」

ザルツが誰に言うでも無く自分に言い聞かせる様に

そう言うと強い魔力がノアを覆う。


「『無燼禍神ノ剣』」


どこからか出てきた大剣を持つと体が古臭い鎧に覆われる。あれはノアの魔力()()()()


剣だ。剣そのものに入っていた魔力がノアを選んだのだ。


「ザルツ。」

鎧に囲まれて少しこもった声でザルツを指さす。


「第二ラウンドと言ったな。違うだろう…最終ラウンドだ」

その威圧感は凄まじい。元より魔力が減っていたケイを心の底から震え上がらせるには十分だ。


「あの剣に注意しろケイ。攻めるぞ」

ザルツの覚悟が伝わり、震えが止まる。

ノアは此方をただ見つめている。その冷徹さは不気味以上の何者でもなかった。


「勝負だ。ノア…いや…ゴースト!!」

二人はノアに斬りかかる。ケイはナイフで、ザルツは

炎剣で。


「ケイ」

ノアはザルツの方を見ずにケイのナイフを素手で止めた。ザルツの一撃は鎧により容易に弾かれた


「貴様の全力…見たかったものだ」

「がっ!……ア゛ア゛ア゛!!」

剣の柄で胸部を一撃、骨が折れる音がした。


「ぜん…力…?ふざけ…!やがって……ごぶっ!!」

ケイを遠くに蹴り飛ばし、戦線離脱。

ザルツはケイを心配し、追い掛けたい気持ちを抑え

目の前の敵に集中する。


「決着を付けようザルツ」

「無論だ」


ザルツのタイムリミット(魔力切れ)まで残り十分──




これで今年ラストの作品…の予定です。

やる気次第ではもう一本くらいはやるかも?


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