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半端者の戦い方  作者: 柑橘系
第四章 第一都市編
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第21話 リサの大暴れ

暴れるちゃん。

現在、ザルツやケイが民を気にせず戦えるのは、セリーナの采配のお陰であった。戦いが始まる数時間前に民達の移動を開始。避難は無事終わっていた。


「リサ殿」

「イシオン近衛隊長」

今回の指揮権はリサに任命。本来は彼が第一線に出て指示+戦闘だったが、今回は一歩引いた所にいる。

かなりの腕がたつ衛兵で、指揮官としては更に優秀だ。


「正門から来る。確実に、構えて下さい」

「はい!!」


数秒後、正門から魔物の突進。牛を模した改造魔物が門を吹き飛ばす。あの時のグリフォン。小さい貪欲な魔物ゴブリンや、屈強な肉体と重たい棍棒を持つアークなど。厄介な奴らの集まりだ。


その為正門から堂々と入った、この魔物達を倒し切れば勝ち。後はノアを三人で押し切る事が出来れば尚良し。


現在、衛兵達と魔物と交戦中。その中に一人の男。

シャウハートがいた。


彼に目をつけられたと感じた時、魔物達はリサを狙うのをやめた。


こいつはささっと倒しておきたい。出来れば無傷が理想だけど……いや、やる!!無傷で!


覚悟が決まり、大鎌を作る。


「取り敢えず、けちょんけちょんにして目的を達成するわ!!」

目指すは完勝!!


「かかってこ…」

「隙あり」

相手が話す前に先制。命の取り合いだ、無駄な騎士道精神はいらない。


「水魔法」

鎌の一撃をステップで避け、リサの腹部に手を当て吹き飛ばす。

水魔法とは応用性が高い。しかし、生き物を殺す威力に仕上げる為には魔力量をそこそこ消費する。


「いっ…!たくない!?吹き飛ばされただけか!」

シャウハートが何をしたいのか分からない。

殺すつもりじゃな……それはないか!


シャウは追撃の構えだ。来る──!


「凍れ」

シャウハートの一言に腹部が凍る。だが、リサは冷静。

次の手が来るならそれに対応する。

凍っているのは服だけで生身には届いてはいない。


「何もしないままでいいのか!!フンッ!!」

球体の氷が何個か飛んでくる。当たったら痛そうだ。


「当たったら……ね!!」

素手で腹部の氷を砕き、すぐさま飛んできた氷を蹴り飛ばす。


ザルツの様に能力や、自分の全魔力を身体強化に使わなくてもリサは簡単にノアと戦闘中のザルツと同じ出力が出せる。


その後、地面に着地し、シャウハートに聞く。


「氷?そんな魔法あったかしら?」

一般の魔法使いが出せるのは火、水、風、雷、闇だけじゃ…?


「能力で凍らせただけ〜。でもそんな五つの魔法()()()()今の魔法使いは使えない。知ってる?もう遥か昔に…絶滅した魔法が

あるらしいよ。僕はそれを一度でいいから見てみたいんだよね」

聞いた感じ、魔法が好きなのか?ず〜っとワクワクした表情でいるけど……?ま、どうでも良いや。


「いい情報を聞いたわね。後であなたの代わりに調べてあげる。ま、その時にはあなたは居ないけど!!」

狙うのは奴の首。一撃で仕留めるに越した事はない。


しかし、氷で綺麗に防がれてしまう。

その時の奴の表情はいかにつまんなそうな感じだ。


「さっきの氷は弱かったかもしれないけど、これは

違うよ〜!どうすんの〜?」

先程の退屈そうな顔から一変、気味の悪い笑みを浮かべる。笑うなキモい。


「確かにこのままやれば何も起きないわね」

「……?」

「でも私。[力]凄い自信があるの!」

その後、シャウハートの顔が恐怖に染まる。


「まっ!待て!!」

「じゃあ……ねぇー!!」

魔力を手と腕に集中させ、絶大な威力を得る。

奴の氷ごと、シャウハートの首を一閃。


「あんた、バカすぎて戦い甲斐ない」

男は不敵に笑う。先程のキモい笑みじゃない。

世界は自分を中心に回っているとそう思っている様なそんな笑みだ。


「キモ。楽にしてあげ…ッ!」

脚が刺された様な─いや、()()()()


「今ここで一番強い衛兵はお前だ!!リサ・セイト!

お前に注入した毒は心臓まで移り、殺す!!ざ〜んねんだった…!」

言い終わる前に切り落とす。これ以上聞くのは無駄だ。


辺りを見渡したら、正門の魔物が全員停止。

こいつが司令塔になってたか。


「大丈夫か!リサ殿!!」

「大丈夫です!!」

目を充血させながら元気に答える。

説得力ないぞ。


「イシオン隊長。私今、相手にしてやられたのに何故か…いい気分。なんです」


「良い気分?」


「はい。体の隅々に意識が…行く様な…」

イオシンは心配して様々な言葉をかけたがリサには届いてない。リサの顔にも先程の男の笑みが浮かんだ。


         なぜ??


脚から毒が血管を通して心臓に回る感覚。

手は震え、目は充血し、徐々にだが力が入らなくなる感じ──


リサがやろうとしているのはこの世界に誕生した英雄と呼ばれた戦士が行った()()()()


毒が血管を通る際、そこをピンポイントに()()()()()()()


──ある戦士は心臓を強化し、剣を受け止め反撃した事があると文献に残っていたが不可能という事で、

忘れている人が多い。


この瞬間だけ、リサはたったこの時だけ、

()()()()()()()()()()()()()()

長い深呼吸を終えた後、イオシン隊長は何かを察する。


「……無茶だけはするな。魔物を探知した。

北東、北西、南にそれぞれ国民が避難している。

南をお前に任せたい。まだあそこは経験の浅い若者しかいないからな」

心配そうに見つめるイオシンの肩をバシバシ叩き。

眩しい笑顔でこう答える。


「了解」


建物の屋根でもう一度深呼吸。

現在地()からあそこ()まで、

おおよそ一キロ。


シャウハートは誤解していた。

リサという、ケイ、ザルツ、ハウ以上の天才を。


ジェット機…とまでは行かないが、かなり速度で街を走る。もっと時短になった道のりを全て無視して直進。逆にそれが良い方向へ行った。


本来二十分以上かかる道のりを五分でたどり着き、グリフォン軍団を鉄球で一掃。


「あれは…リサ殿!?」

「助けが来たぞ!!」

新人の衛兵達は喜び士気が高まる。


その言葉はリサには届かなかった。

今の彼女に届く言葉は勝利の凱旋のみ、彼女は武器を振り回す兵器となる。


狂気の笑みを忘れず、毒による苦しみは忘れ、目の前にいるグリフォンをただ切る。


──ケイ、ザルツ先輩。ごめんなさい。みんなの助けは出来ないけど、絶対私がみんなを守ってみせるから。その代わり絶対倒してよ!何分も何時間も何日もやるから!!絶対に!!


一人の少女の盲信にも近い信頼は、無意識だがケイとザルツに届いていた。


彼女が抑えてくれるから今この戦いがある。

それを決めるのは…ザルツの役目だ。

戦いは…もうすぐ終わる。


私の作品を面白いと思って見てくれる人向けの情報。

(後々出ます。覚えておくと面白いと思います)

戦いを楽しんでいる度。(0〜100)


ケイ:10(まだ恐怖が勝っている)

ザルツ:40(上手くいけば楽しい)

リサ:80(変態)


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