第1話 どっちつかずの才能。
ーーー生きてる!?生きてますか!?
ーーー痛む所ありますか!?
ーーー声は聞こえますか!?
ーーー意識あるかこれ?まぁいいか、
ーーー人生は幸せですか!?
うるさい………というか後半から心配じゃなくて胡散くさい勧誘みたいになってんじゃん。ん…?待て…これは…
「生きます!」
不本意だが最初の質問に答える形になった。
「生きてる!?」
男は大きく驚く。聞いたのあんただろ。
「大丈夫か?お前、魔物に吹っ飛ばされてたな?」
「MAMONO?」
「そのよくわからない服装。お前…転移人か、何も知らないだろうし簡潔に説明するとお前、誰かに召喚された、もしくはなんならかの要因で転移したぞ」
一瞬、頭が真っ白になったがもう受け止めるしかない。幸か不幸か、現世の記憶がない。制服を着て、学校に行って……そこからが思い出せない。親も友達も、全体像はぼんやり浮かぶが、顔や声、名前は誰も出てこない。考えても仕方ないし、今はやめよう。
「それは……受け止めたくないですけどそうらしいですね、あんなのを見れば嫌でも…」
「お前、もしかして、現世に執着があるタイプか?」
「いまいち思い出せません、もしかしたら全部ないのかも」
「………………」
男は黙る。よく見れば筋骨隆々で、大きな剣を持ってる。その割には顔は整っている……何を言ってるんだ俺は。
「どうしました?」
「俺は、いろんな転移人や、召喚人の師匠をやってきたんだけどお前みたいに前世に思いを馳せる奴初めて見たからいろんな人がいるんだなぁ…って」
その後、お互いに自己紹介をする。
彼の名前は、レター。ザ・横文字で、顔もどちらかと言えば海外。並びに東洋系だ。
そんな事を考えていた直後に衝撃の流れになる。
「取り敢えず、俺の弟子なれ、強くなるのは置いといてこの世界について知ったほうがいいだろ?」
え…?ちょっと待って!この先進むのに必要な起承転結の承が、転転転転転!!になってるって!!承を下さい。
こうして連れて行かれ、水の前で変な姿勢を組まされ
男は、あ〜〜まじか〜と勝手に絶望をしている。
なんなんだこの人は。
「はっきりいう!お前は!!戦士にも魔法使いにもなれない!通称!!半端者!!」
ヒドイ。何も理解できないまま、罵倒?された。俺の気持ちは気にせず、この世界について黒板モドキみたいな奴に書き出し説明し出した。
「世界名はバサバゼ。あ!お前!今ダサいって思っただろ!?一応言うけど決めたの俺じゃねぇからな…!コホン、お前らに合わせて言うと剣と魔法の世界だ。誰でも魔法が使える。職業は、大きく分けて戦士が魔法使いかの二択だ。そこから僧侶など武闘家など枝分かれする。戦士と魔法使いの違いは、簡単言うと、魔力の使い方だな。魔法使いは魔力を伸ばし、火、水、風、雷、闇。」
「闇!?」
全然関係なさそうだけど!?
「質問は後で受け付けてまーす。魔法の違いについては後で説明する。魔力を伸ばすというのは鍛えれば魔力量が伸びんだ。逆に言えば戦士は伸びない。勿論、成長期みたいに一定のラインまでは伸びるがな。」
取り敢えず、紙をもらってメモを取った。
「戦士のメリットは至ってシンプル。身体強化効率が良い。魔法使いも身体を魔力で強化できる。だが、その差が圧倒的だ。しかも魔力を外に出す魔法と違い、
血液の様に循環するから減ることはない」
戦士でいい気がする。勘だけど。
「それで、魔法。これ言うと何故か転移者は驚くんだが、魔法には詠唱はいらない。あ、それは流石に誇張しすぎだったな、得意な魔法は無詠唱で行えるらしい」
「らしい?」
「俺は戦士だ、魔法使いのことは知らん」
なるほど……
「だから、ほれ、これ読んで魔法の勉強しとけ」
魔法の本を手に入れた!!じゃない、よく先生名乗れたな。
「それで最初の半端者の話に戻ろう。これは正式名称じゃない、まぁそんな酷いのあってたまるかって話だが。この世界にはそこそこいる。戦いの道を進んでいない奴らを含めれば更に増える。
簡単に特徴を言うと、戦士ほど身体強化効率は良くないし、魔法使いみたいに魔法は使えるものの魔力は一定で止まるだろうな」
あまりにもボロクソすぎて心が折れかけてきた。
何故だ…!?
「よく言えばいいとこ取り、悪く言えばどちらも極めることのできない半端者。ど〜しよ〜もないでしょ」
啓は黙る。と言うか黙る事しか出来ない。
「取り敢えず、成長期が終わる前にある程度まで伸ばすぞ、結局はフィジカルに頼る場面も多いしな……ってスマン!鍛える気がないなら奥にのどかな村がある。そこで仕事を紹介してやっからそこで……」
確かに、力を求める必要がないなら平和で安定した生活をすれば良い。だが、俺は帰りたい。元の世界に変えるためにはこの世界のことを調べ尽くさなかちゃいけない。力を手に入れて、必ず帰る。
ならやってやろう。そうすればきっと希望は見えてくるはず…!!
「やります。いや…やらせて下さい!」
頭を下げ、懇願した。半端者でもある程度戦えるってところを見せてやる!
「良いだろう!ただし!!」
「ただし??」
「突然、誰も寄らないような森に来たと思ったら大声で、すてーたすおーぷん!!って叫ばない事を約束してくれ!!」
「誰もしねぇよ」
なんやかんやで修行が始まった。
どうも。




