表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
半端者の戦い方  作者: 柑橘系
第三章 学園編
16/51

第12話 旅立ち前。


「君ともっと仲良くなりたいから、話そうかなって」

「なっ!?」

()()()()()()()()()()か……と

ケイは照れている。言葉通りそのものだが、今彼は彼女の魅力?に翻弄されている。これで一目惚れなんだから恐ろしい。


「私、あの……えっ……と、あの先生にずっと迫られてさ…最初はちょっと距離が近いな〜くらいだったんだけど、段々エスカレートしてって…」

まだ入学して数日くらいなのに……


「それって…もしかして、入学する前から続いて感じ?」

たった数日くらいでここまでエスカレートすると言う事……完全におかしい訳ではないが、そこだけ聞くと色々省略した?と思った。


「私が僧侶なのは知ってるでしょ、冒険者ギルドの僧侶として、色んな人を治療してたんだけど……」

もう大方想像がついた。


「あぁ…えっと…もしかして…」


「うん、あの先生、つい最近まで冒険者だったんだね。あの人の顔が見覚えがあったから。きっとそれで…目をつけられたんだと…思う」


「こればかりは……ドンマイ」

最悪な男に引っかかったな…レノアさん。運がないとしか、言えることがない。そうすると彼女は少しもじもじし始め、ケイに問う。


「あの……ケイ……君。キミに聞きたいことがあるんだけど…」

「?」


「転移者ってホント?」


その時、忘れていた目的を思い出した。何故ケイが、ここに来たのか、それは人脈形成。転移者について知ってる人間に会うことだった。ザルツ先輩、リサの二人は家族に調べさせる事を約束してくれた。


後でザックにも聞いてみよう。

この事を今、思いだした。


「あぁ、本当だよ」

「え!?本当なの!」

レノアは体をグイッと近づけ、超至近距離で話す。

それに少しドギマギした。顔が熱い。つい目を逸らしてしまう。


「凄い……初めて見た!!」

「君の知的好奇心を満たせたなら…何より…!」

言葉を紡いでなんと放つ。数秒しか目を合わせられない。なんでだー!?


「………顔、赤いですよ?」

「そ、そうか!?」

ケイの頭はもう、絶賛錯乱中である。オーバーヒートする前に早く離れてやれ、レノア。


「どうやってこの世界に来たんですか?」

この姿勢のまま、レノアは続ける。鈍いのか…わざとなのか……


「それが、全然覚えてないんだ。と言うか思い出せない。あぁそれと、俺以外の転移者知らない?」

「うーむ。全然。と言うか、知識としては知ってるだけなんだよね」


気づけば彼女は自己紹介の時とは考えられない程、彼女は言葉に詰まる事なく流暢に喋っている。


ケイが転移者である事について知った所を境か。

距離の詰め方が尋常じゃない。仲良くなれた!と思ったらグイグイ行くタイプなのだろう。



「やっぱりか。からは長い時間をかけてやるしかないな」

「一年後に旅に出るんだよね、凄いね、私は冒険者が

傷ついた姿で帰ってくるのを見て、すぐ諦めたよ

ちょっとカッコ悪いけどね。本気で目指してた時期もあったから尚更…」


それは、俺達も同じだ。何も出来ずに志半ばで野垂れ死ぬかも知れないが、諦めるわけにはいかない。

俺は帰る。帰らなくちゃいけない。何故か常にそう思う。


「それまた一つの選択肢なんだから。かっこいいと悪いとかない。当然だろ?」


彼女は嬉しそうにそう答える。

「そうだね、私も頑張らないと」


──────

[数ヶ月後]

昼休みに中に呼び出された。それは前のレノアではなく、教師、カマルであった。彼の授業は分かりやすくかなり、やりやすい。


感覚派と努力派の中間にある人物な為、どちらの面倒も見れる。授業しか会うことがない為、彼がどんな人物か、最後まで知る事は出来ないだろうな。


職員室に行き、カマルと話をする。


「あともう一ヶ月で、お前達は旅立つ。だから、これを渡しておきたくな」

渡したのは招待状だ。ケイ・タケダ様へと丁寧な字で書いてある。


「これを書いたのはアルテミア家の女王候補。

セリーナ・ラフ・アルテミアからの手紙だ。

詳しい内容は実際に確認してみてくれ。まぁ、簡単に言えば会って話したい。だってさ、試験でお前の名前が広がったんだろうな」


「なるほど、分かりました、それでは失礼…」

しましたと言う前にカマルに遮られる。


「その前に、特別稽古を付けてやる」

「え?」

「良いから来い」

半ば無理やり、ケイを引っ張って連れて行く。

着いたのは学校近くにある森、ここで行うらしい。


「今ここで教えるのは人間の闇。()()()についてだ」

その言葉は恐怖と怒りを孕んでいる。圧だけで勝てないと分かる。いきなりなんでこんな事を?と思ったがすぐに吹き飛んだ。理由は至ってシンプル。

死を最も身近に感じた日が今日で更新だ。


先生の殺気はとんでもない。レター先生でも、こんな殺気を出した時はなかった。


「お前らの名は、お前らが思ってるより遥かに早く広がっている。お前らを疎ましく邪魔だと思う人間がいると言う事を教えておく!」

「つまり、狙われるかも?と言う事ですか」

「ああ、そう思ってくれて構わない。だからそれ用の対策として、三つ!お前に教えておく!!心して聞け!!」


その後、先生から命をかけた訓練で無事、しごかれたが、それを見せるのはもう少し先のお話。それを教えてたのは俺だけらしい。一体何故?


その後は、至って普通の授業で、特に変わり映えはなかった。

こうしてザック、レノアと共に、一年間、授業と鍛錬に励んだ。


主にあのカマルとか言う先生。バケモンみたいな強さをしていた。学校教師はこんなもんらしい。

絶対嘘だ。最初から俺たちは思ってたけど。


月日が経つのは早い。気づけば明日、出発だ。

ザックや、レノアに話しておこう。


こうして教室に行くと、レノアがいた。


「レノア」

「ケイ君……?あ、そっか、冒険の始まりか、少年!」

変な口調で俺の背中を叩く、不思議と勇気をもらえた気がする。


「そう言えば下で待ってる事を伝えてってザック君は言ってたよ」

「え?わかった…?」


一体なんの様なのだろう。ザックの事だ。大声で鼓舞でもしてくれるのだろうか?


「来たぞ、ザック。なんの様だ?」

「待ってたよ、ケイ、()()()()()()()()()

()()()?なんの話だ…あぁ、()()()()


冬の入りに、俺はザックと勝負した。勝ったのは俺だったのは覚えてる。ザックは威力は良いのだが、剣術が甘い。上から目線な評価になってしまうが。


「リベンジ……スタート!!」

剣を作り、急いで爪を作る。


「剣術を磨いてきたんだ!ここで……勝つ!!」

彼の一撃を受ければ受けるほど、隙が無くなっていくのが分かる。だが、今度は隙をなくす事を意識し過ぎて、威力がない。


「隙あり!!」

すぐさま背後に忍び寄り、首に爪を当てる。

俺の勝ちだ。


「っ〜!!」

声になってないが、悔しそうに頭を掻く。


「やっぱり、まだ勝てないか〜!!」

尻もちをつき、地面を叩く。悔しさの余韻がまだ抜けてない様子だ。


「ザック、君の助けもあって俺は学校でやっていけた、ありがとう」

手を伸ばし、ザックはそれを受け取る。


「ああ、こちらこそありがとう、ケイ!

ケイ・タケダの冒険譚、聞かせてくれ!」

友情が芽生えたのは間違いない……筈だが、具体的になんかあったか、と言われると特にない。

長い歳月がなんとかしてくれたのだから。

──────────────────────

「準備は終わった。出発だ!!」

ザルツは声高々に宣言する。見送りに来たザルツ先輩の友達……いや、女性が多いな、なんか、

ザルツ様〜!!て言ってる。なんだアレ。


「ああ……あまり気にしないでくれ、ファン?と言う奴らしい」

「暫く出番がないうちに何があったの!?」

「何言ってんのリサ?」


二人が話している間に、ケイは持ってた招待状を見る。セリーナ・ラフ・アルテミア。調べてみた所、評価はかなり高い。顔よし、スタイル良し…しか評価は無かったが。見た目はどうやら良いらしい。


「それが、君目当てのお貴族様、か」

ザルツ先輩が、ひょっいと手紙に視線を渡す。


「アルテミア家とは繋がりが無かったから、私もどんな人かは知らないのよね」

残念そうにリサが呟く。まぁ、一体なんなのだろうか…?


そして、貰った地図を見る。

これを見ると、不思議な世界だとしみじみ思う。


学校がこの世界の中心にある。物理的に。


そこから北、東、南、西に進むとそれぞれ街がある。


俺たちが向かう街は北の街。ネオニィシティに向かう。街の印象は……?


「ネオニィシティ?あそこは良い場所よ。御綺麗な貴族の街。あなたを招待した…彼女はそこにいるのは間違いないけど……一体どう言う事なのかしら?」

リサは頭を悩ませていたが、すぐ考えるのを辞めた。


まぁ、こっちには貴族×2だし多分大丈夫だろう。

そう思っていた。神の四天王の動向も気になる。

これからは世界情勢に目を向ける必要もありそうだ。


第一都市、ネオニィシティ。そこで待ち受けるの果たしてなんなのか…?

それよりもケイの頭を悩ませている要因があった。()()()()()()()()()()()()()気がするのだ。思い出そうと思えばすぐに思い出せる。


だが、それについてはあまり気に留めなかった。


[視点は、セリーナ・ラフ・アルテミアに代わる]


「ケイ・タケダ……興味ある人間よね」

「同感です。魔法使いと、戦士の半身。私めも興味があります」

煌びやかな服に身を包んだ、いかにも貴族な彼女は

執事風の男と話していた。

彼に依頼があった。ハウ・ゲレーロには断られた為、消去法であいつにお鉢を回した。


「私の()を彼に賭けるべきか、見定めてやる。

覚悟して来なさい!」

不適な笑みを浮かべて、彼女はケイの登場を心待ちにしていた。


「お嬢様」

「なに」

「クッキーを焼いて来たのですが」

「たべる」



学園編:終

次章

第一都市編

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ