第9.5話 ザルツとノア。騎士としての想い。
本来はこれを10話にするつもりでしたが、丁度ザルツが曇ってくれたので、深掘りに変更しました。
[ザルツ視点]
学校の誰もいないところで森を…自然を眺める。
自然の感想は…出てこないが。
ザルツは弟?の発覚により、どうするべきなのか、何が正しいのか分からなくなっていた。
どう言う見た目か、言動、ケイに問いただした。
ケイは言葉に相当詰まったが、変な優しさは逆に傷つけると考え、嘘一つない情報をザルツに伝えた。
ケイが言うには、ノアは異形で、人とは見れなかったと言ってくれた。察しのいい彼の事だから色々考えてくれたんだろう。僕は……どうすれば……
人類の敵として回った以上、誰かがノアを殺すのだろうか、駆除する対象として…………一体何があったのか、わからない……三年前にいなくなってから……
[六年前、ザルツは12歳、弟ノアは9歳]
そう言えば、あの時は僕がまだ魔法使いか、戦士、どっちの才能の有無を調べてなかったな。
ただ、ひたすらに騎士に憧れていたから、魔法使いの才能になるのをひたすら嫌がっていたっけ。
才能を調べる前日…確かノアが…
「にいちゃん!!勝負だ!!」
ノアは木剣を持ち、ザルツに向き合う。
「いいよ、かかってこい!」
ザルツも木剣を持ち、ノアに向き合う。
ノアは事あるごとザルツに勝負を挑んで負け、悔しさで泣く。お互いに一発与えたら負けというルールだ。
「お!また勝負か!?真剣勝負だぞ!」
父を審判として間に入る。シッヴァカーネ家は騎士の家系……というわけではない。父の影響が只々大きい。
「……………始め!!!」
二人はほぼ同じ速度で切りかかる。
いつも一発で決着がついていたが、今回は、剣と剣のぶつかり合い、木剣のいい音が鳴り続ける。
「ぐ〜〜!!」
ノアは目先の剣にひたすら打ち込んでいる。ザルツの攻撃に的確に反撃し、経つこと30秒。
「隙あり!!」
疲れが出て、立て直そうとしたノアの隙をザルツは見過ごさない。ノアの軽く吹き飛ばす。
「…………ぅぅぅ…!」
今にも泣きそうなノアだが、今日は違う。涙をグッと堪え、ザルツの顔を見る。
「ありがとうございまじた!!」
鼻水をすすり、涙声でそう言った。いつも悔しいー!と泣きじゃくるのではなく、相手に向き合い礼をする。弟の成長に心から感動したザルツはノアをギュッと抱きしめる……前に
「こちらこそ、ありがとうございました!!」
弟だとか、家族だとか、非公式戦とか関係ない。
二人の騎士が、全力を尽くしたのだ。他に言うこともあるまい。
「強くなったな!!二人とも!!」
父は二人を大きい腕で包み込む。二人で強い騎士になる。それを目指して……
[翌日]
体を清め、父に才能を調べてもらう。帰ったらどんな訓練しよう、そう考えていた時に、父を見ると……
父の顔が…青ざめた。
「魔法……使い……」
その言葉に、母も父もノアもみんなその場に立ち尽くした。
「…………え?うそ………だろう?父様…」
戦士は身体強化効率を伸ばし、魔法使いは魔力を伸ばす。魔法使いも強化は出来るが必ず上限があるし、同じ魔力消費でも、効率の差は無論出る。
それでも、挫けない。
魔法使いになっても、剣は振るえる。それだけで十分!!その間、僕はノアと試合をあまりしなくなったような気がする。
[三年の時が経つ。ザルツ15歳、ノア12歳]
ノアには戦士の才能があると発覚した。少しだけ、妬いたけど。
ザルツは、父と母にノアの才能を祝してパーティをした。ノアは浮かない顔をしていた。
今思うと全然、あいつの為になってないなと思う。
その日の夜。ノアに勝負を挑まれた。
「勝負だ、にいちゃん」
「…………おう」
剣を構える。三年前と同じ。父が審判。唯一違うのはそれを母が心配そうに見ていると言う所だろうか。
「始め!!」
………勝負は一瞬で決した。
剣と剣がぶつかる瞬間、僕は吹き飛ばされた。
負けた事はあまり気にしていない。いや、ちょっと気にしたけど。本当に傷ついたのはそれじゃない。
ノアの……言葉だった。
「にいちゃん…?」
この言葉が、全てだと思った。たった三年で一瞬で追い越してしまった。追い越させてしまった。
「強かったよ、ノア。ありがとうございました」
笑って返すと、ノアはゆっくりと
「……ありがとうございました」
その後、ノアは家にある書斎に籠るようになった。
一年後、母だけに伝言を残し、家を出た。
伝言内容はこうだった
『探してくる』
当時は理解できなかったが、今なら理解できる。
僕の才能を魔法使いから戦士に変える方法を探そうとしたのだろう。けど……そこから一体何故、僕の友達に剣を向けたのか。それだけが分からない。
[時間は現代に戻る]
「どうしてなんだ……ノア」
その時、ケイの言葉を思い出す。
ーー俺と一緒に旅しませんか?
「旅………」
弟に向き合う為に。きっと弟は生きている。
なら僕がする事は…………
戦士と魔法使いという二つの才能に分ける。
という設定は、ザルツという人物ができた後でした。
一応、僧侶は武闘家など、[そこからの派生]は設定として忘れないようにしています。
正直、今思うと良い設定か。と言われると「う〜ん?」と答えます。一つだけ言える事は、ザルツがいてこそ!この設定が生きると思ってしまいました。
突然すみません。現場からは以上です。
追記:誤字調べてたらWi-Fiてwwww突然見た瞬間超ツボった。はぁ。




