第9話 弟
神の四天王の襲来により、学校側は責任を追及された。危うく、このどこかの国を背負うエリート二人を死なせてしまう所だった!と見ていた貴族から
非難轟々。その話をザルツさんから聞いた。
「え……そこ?貴族ってこう……悪い奴のイメージが……あるんですけど」
そう言うと、ザルツが少しムッとした表情で言う。
「酷いね、僕も貴族なんだけど!」
あくまで仕事は慈善団体。だが、シッヴァカーネ家は貴族の中でもトップ。凄いね!
そんな事はどうでも良い。
後で知ったが、あそこに見にくる貴族達は学校が許した人のみで、ざっくり言えば良い人達。
学校が試験を開き優秀な人材を集め、育てる。
それを見た貴族達は三年後(卒業後)
その人達をスカウトする。野球のドラフト会議に近い
「で、あの四天王?とか言う奴、なんか
言ってたかい?」
「[ノア]と名乗ってました。逆にそれくらいしか言葉は交わしてません」
もう少し俺に余裕があれば、言葉で良い情報を引き出せたかも知れない。あの時は生き残る事以外考えていなかった。
そんな事をケイは考えていたらザルツの顔色が大きく変わりケイの肩を強く掴んだ。
「ノア……って言ったか…?今…?」
ザルツの状況をいまいち理解してないケイは、考えて、察してしまう。普段冷静な先輩が、激しく動揺する事は見た事がない中、一瞬で動揺した。
それは……
「そんなに焦るって事は……まさか…」
正直勘づきたくはなかった。今までの戦闘で勘の良さに助けられたが今、この瞬間だけは何もわからない
馬鹿でいたかった。
「………………あぁ。僕の弟だ、たった一人のね」
まだ、断言は出来ない。が、もし確定した場合、弟を人として、先輩は見れるだろうか。少なくとも俺は見れなかった。
[ここで視点はケイの師。レターに代わる]
「速いな」
四天王なる者を全力を使って追いかけてるが……
速い。森をこんな綺麗に避けつつ、加速。
こんなフィジカルを持つ奴を、あいつらは良く抑えられたな、決勝に勝ち進んだって聞いて来てみたらこのザマだ。やっぱり俺は疫病神かもな。
ノアを追跡しているレターだったが、突然、ノアが停止。それはノアが加速した刹那に。どうやってやったかは不明。ノアの振り向きざまのカウンター。それを綺麗にレターは避け、お互い臨戦体制。
「はぁーーーー」
レターは長く息を吐き、武器を作る。
それは反りがあり、彼が一人で考えだ武器。
刀である。ただし、この世界には刀。という概念はない。あくまで反りがある剣。そう言う扱いだ。
それに、彼が作る刀は切れ味が異常だ。
「良い武器だ。一朝一夕でできる者じゃない」
それをレターが褒めると、ケイ達にも使った大剣と短刀。二つの武器を用いて睨む。
『待ちなさい』
女の声が、二人の頭に響く。
『今ここで、あなたは死んではならない』
「なんだと!!◼️◼️◼️◼️!!我があいつに負けるとでも!?」
ノアが地団駄を踏み、どこにいるかは分からない奴に話しかけている。
『命令だ。今すぐ自分の拠点に戻るんだな』
「…………破ったら?」
『それは……………残念だ……!!』
その瞬間。とてつもない魔力を感じた。
これまで生きて来た中で、とんでもない、人ならざる者の魔力。レターとノアはこの圧力に、押された。
「な……!!?」
「ッ!?」
『帰れ、ノア。それと』
彼女?は俺を見ている。そう感じる。それ以外しか
わからない。
『お客人。今回は見過ごしてくれ、君の実力は重々承知しているが、それを使うのは今じゃない。」
ハハッ、今ので反抗する気なんて無くなったよ。
「OKだ。じゃあな野郎の仲間」
とんでもないもんに手を出しちまったかもな…
レターは冷や汗をかいていた。現役の時だって敵に威圧されてビビる事なんて無かったのにな…
トホホ……と、家に帰るレターなのであった。
……




