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【第六十話】英雄へのご褒美と、カオスな遊園地デート(エピローグ2)

復興作業が一段落した数日後。 僕は四天王たちに呼び出された。


「カケル殿。私たち、頑張りましたよね?」 渡辺綱が上目遣いで迫ってくる。


「おう! 世界も救ったし、大工仕事も手伝ったぞ!」 坂田金時が鼻息を荒くする。


「……つきましては、その、報酬をいただきたいのですが」 頼光がモジモジしながら言う。


「報酬? お金ならまだ……」


「違う! 『デート』だ!」


全員の声が重なった。 世界を救ったご褒美は、僕とのデート権。 断れるはずがない。 というわけで、僕たちは京の都に新設された娯楽区画(僕が提案して季武が作った)へ繰り出すことになった。


「すごいですわ……! これが『メリーゴーランド』……!」


綱が感動している。 目の前にあるのは、金時が地下でペダルを漕いで回す、木馬の回転遊具だ。


「カケル殿! 乗りましょう! これは『愛の逃避行』のメタファーです!」 「いや、ただ回ってるだけだよ」


綱と二人乗り(密着)させられ、僕は目を回した。


次は、射的コーナー。 「ふん。止まっている的など、目をつぶっても当たる」 頼光が弓を構える。 彼女が狙うのは、景品の「カケル人形(貞光の手作り・呪い付き)」。


ヒュン! 矢は見事に命中したが、威力が強すぎて景品ごと屋台を貫通し、背後の壁に突き刺さった。 「あ……やってしまった……」 「頼光さん、出禁です」


そして、食べ歩き。 「兄ちゃん! あれ全部食いたい! 経費で落ちるか!?」 金時が屋台の列を指差す。 綿菓子、たこ焼き(タコはないのでイカ)、クレープ(のような薄焼き餅)。 「落ちないよ! 僕の自腹だよ!」 僕の財布(巾着袋)がどんどん軽くなっていく。


「……カケル様。少し、抜け出しませんこと?」


不意に、袖を引かれた。 人混みの中に、狐のお面をつけた浴衣の女性。 玉藻前だ。


「玉藻さん? 今日は忍んでるんですか?」


「ええ。あまり目立つと、怖い奥方(頼光)に怒られますから」


彼女は僕を路地裏へ連れ込み、お面を少しずらして微笑んだ。 その唇が、僕の頬に触れる。


「これは、わたくしからのご褒美。……いつか、わたくしの国(那須野)にも遊びにいらしてね?」


「えっ、ちょっ……」


「カケルゥゥゥ!! 何をしておる!!」


背後から鬼神の咆哮。 頼光に見つかった。 「貴様! 私とのデート中に泥棒猫とは! 成敗してくれる!」


「あら怖い。逃げますわよ、カケル様!」 「待てー!」 「カケル殿! 私も混ぜてください! 泥沼展開、大好物です!」


夕暮れの都を、僕たちは走り抜けた。 追いかけっこ。 悲鳴と笑い声。 世界を救った英雄たちの休日は、戦場よりも騒がしい。

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