第三十一話 不穏な気配!
場面は変わり、零弥視点。
現状を能力により瞬時に把握し、黙りながら作業を行っている。
カーテンの擦れる音さえもが大きく聞こえるこの部屋で、ペンで紙をなぞる筆跡音だけが一際目立っていた。
ここで能力を使用して全員を助けることが可能かと言われたら、不可能だ。
粒子が圧倒的に足りなすぎる。
この量だと、吹き飛ばされた隊員の約三分の一程度しか元に戻せないのだ。
三分の一という数字を聞けば、少なすぎると思うかもしれない。
が、しかし。
元の隊員の量が多すぎるのだ。
大体日本人口の十一分の一はこの抵抗団に加入している。
否、実際はそれよりも多い。
さらにそれの三分の一ともなると、…考えるだけでも恐ろしい。
となると、術者を先に叩こう。となるわけだ。
術者の心当たりのある人物の名前を、今紙に書き記している。
今ある粒子をほとんど使わない能力の一つだ。
能力説明をすると、<データが破損していて確認できません> という代物だ。
「…おっと、これは一応奥の手だよ。教えるわけにはいかないね~」
零弥は虚空に向かって呟く。
そして―――
「…あれ。こいつは、脳が死んでる―――? ハハ… とてもいい人材を手に入れていたみたいだね…」
勝利の笑みを、浮かべたのだ。
♢ ♢ ♢
彼らが帰ってくる。
大勢の人数の足音が建物に戻った。
それを確認したかのように、次の態勢に入っている人物がいた―――
「おうおうおうおう、新参野郎もうやられちまったのかよ。」
「そうみたいだね。」
「初めていいか?」
「いいんじゃない?」
その不気味な声達は、その場から消える。
広い魔方陣のようなものが上空に召喚される。
「呪い」
魔方陣を受けた生存物すべてに、呪いがつけられた。
これは大きな爆弾である。
爆弾———それは単なる比喩であるが、実際そんなものである。
全生物に、生きていられる時間が決定された。
約120時間。約五日。
それが与えられた時間。
この五日以内に、歴史に残る大戦が勃発することを、人々はまだ知らない―――
ここから大きな山場に向かいます。
この山場で終わるか…? それともこの次まで続くか…?
ちょっと考えつつストーリーを展開していきます。
これからも頑張って連載を続けるので、今後もよろしくお願いします!




