第二十九話 立方体の部屋!
俺が発言したと同時に、俺は別の場所へと転送された。
フワッと浮いたような感覚が一瞬俺を襲う。
しかし、その感覚はすぐに消え去り、目の前に広がる情報を処理する。
ここは瑠実のときの「白い部屋」のような感じではないので、「能力で作られた部屋」ではない可能性が浮上してきた。
人によって違う可能性もあるから断定はできないが…、可能性としてはありうる。
能力で作られたであろう部屋の壁の触り心地と、全く違う。
前は、ツルツルと、否、ザラザラともしていた。
簡潔に言うと、”この世には存在しない感触”であった。
今回は、よくあるコンクリートと同じ、少しザラザラとした触り心地。
俺は状況整理を終え、立ちあがる。
この部屋は立方体のような形をしていて、扉が正面・背面・右面・左面の四方向についている。
度の扉から移動するか…
俺は扉を観察する。
どの扉も、綺麗に清掃されており、埃一つもない。
もし、手跡が少しでもあったら、その方向へ行こうとは思ったが…
俺はすぐにその安直な考えを改める。
そちらが罠だった可能性も否めないのだ。
…結局判断材料は一つもないので、自身の運に身を任せることにした。
誰もがよく知る方法でどの方向へ行くかを決める。
「ど、れ、に、し、よ、う、か、な」
結果———…方向が変わったからどの面の扉かは忘れたが、多分正面だろう。
俺は決意を決める。
ふうっ、と息を吐き、ドアノブに手をかける。
「おうカチコミに来たぞ!!!」
大声で虚勢を張りつつ部屋にはいる。
…が、再度同じような部屋に突入する。
これは… ループ…?
…変な場所に飛ばされちまった…
まあ、いつかは出られるだろう。
そんな適当な考えに至り、俺は扉を開け続けることにした。
通った場所には印をつけた。運よくもっていたマーカーペンでバツ印をつけていく。
いつどこでなにがあってもいいように、必要であろう物をカバンに詰め込んでおいてよかった。
過去の自分にとても感謝した。
何度も扉を進むにつれて、気づいた。
というか、気づくのは少し遅かったのかもしれない。
この部屋は、ループしていない。
広い空間… そう仮定するしか、ないよな。
そして、終わりがわからない扉の迷路を、俺は彷徨い続けることになる―――
♢ ♢ ♢
「…とりあえず、状況把握から行きましょうか。」
青空との電話を終えた後、琉生は、周りを見渡す。
白いコンクリートのような床・壁・天井の、立方体の部屋に、扉が四方にそれぞれ一つずつ。
「これは、誰かの能力であることは、間違いないですね…」
琉生は思考を巡らせる。
そして全方位の扉を開く。
勿論、同じ部屋が続いている。
琉生は抵抗力を発動し、天井・床にも穴を開く。
…想像通り、同じ部屋が見える。
ここは、同じ部屋が続いている場所のようだ。
この場所に全員が飛ばされているとは限らないですよね…
そう琉生は思考する。
結論は、全部破壊して見つけ出そう作戦だ。
いるかどうかもわからないが、ちまちま一つずつ扉をあげて探すのでは時間が惜しい。
だからこそ、脳筋のような考えに至る。
思い立ったが吉日。早速破壊を開始する。
広い。とてつもなく広いが、根気強く続ける。
自我さえ失わない程度に、技を使い続ける。
ほとんど空洞が開いていないかのように感じる細長い棒を部屋の中心の空気上に生成→上下に拡張→そこからさらに左右に拡張…と繰り返し、部屋を破壊していく。
それにしても、かなり上下に開いたと思ったが、その先にも部屋が見える。
ほぼ無限に部屋が続いているようだ。
…精神に来ないかだけが心配だ。
が、あきらめずに琉生は技を発動し続ける―――
♢ ♢ ♢
「一人、一人になっちゃたよ…」
孤独。それは人を弱くする。
しかし、恐怖が強いほど、またしても、抵抗しようという力も強くなる。
孤独になってはいけない人物が、孤独になった。
藍の眼の色が変わり、部屋の破壊を行う。
進む方向は、決まったかのように、一定の方向へと向かっている。
本能で分かっているのだ。
能力で活性化された力が発揮される。
藍の敵の位置を捉える感覚が、鋭くなっていた。
スピードも上がり、恐ろしい速度で敵の位置へと向かう。
それはもう、光速にでも匹敵するかのような速さであり、毎秒速さをあげている。
そして、戦いは、始まる。
すみません。
不本意ながら二週間も休んでしまいました。
以後気を付けると前回言ったはずなのですが…
本当に申し訳ありません。
今後も一週間に一度を守りたいですが、休む時伝える手段がないので、大体二週に一回程度だと思ってくれたらいいです。
今後も連載を続けていくので、これからもよろしくお願いします!




