俺らの寮!
[前回のあらすじ]
入団してるやつらから入団拒まれてたけど、なんか色々あって入団認めてもらいました!
「入団おめでとう! 今日から私たちの仲間だよ!」
本格的な入団手続きを終えた俺は、零弥に祝われていた。
この後、ちょっと詳しく抵抗団の説明をしてくれるらしい。
「ありがとう。というか、もし俺が負けていたらどうするつもりだったんだよ。」
「ん? いや君が負けるわけないって信じてたからさ!」
なんだこいつ。
信じる信じないの問題じゃないと思うんだけど…
そう思っているとき、そんじゃ説明をするね。と言って零弥が説明を始めた。
「抵抗団には約70以上の部隊があるんだよ。1つの部隊に5人ほど所属していて、仕事の難しさによって、送られる部隊の数が変わってくるんだよ。」
部隊… かぁ…
どんな人と同じ部隊に所属できるかなぁ…
コミュニケーションで失敗しないといいけど…
「ミッションの難しさレベルって今教えた方がいいかな…」
なんか零弥が思案している。
「せっかくだし、教えてよ。」
と言っておいた。
ちょっと気になるしね。
「分かった。じゃあ教えるのは君に仕事が来たときにするよ!」
なんだこいつ。
教えてと言ったのにまた今度にしやがった。
まぁいいか。どうせ今度教えてもらえるし。急ぎじゃないし。
そんな会話をしている間に、零弥が足を止めた。
「ここが君の部隊の寮だよ。」
おお。ここが俺の部隊…!
「君は第52番部隊に所属することになったよ。」
そういって、零弥が寮への扉を開ける。
「コミュニケ―ション頑張ってね~」
零弥が俺を応援してくれた。
ちょっとイラつくけれど。
そんなことを考えながら、俺は寮への一歩を踏み出した。
「あ!」
「お!」
俺が所属した第52番部隊の寮には、琉生と翔汰がいた。
「やっと来たか。今日から俺らの部隊の隊員としてよろしくな。」
言い方的にこいつらは俺がこの部隊に所属するってしっていたのか…
まぁそれは一旦置いとこう。
そんなことを考えていると、翔汰が握手を求めるかのように右手を俺の方へと出した。
俺はそれに応えて握手をした。
「今日から、よろしくおねがいします!」
うんうんと翔汰は頷きながら言った。
「期待してるぜ!」
この雰囲気なら、全然いいかも!
よかった。失敗せずに済んだ…
「この部隊には他に3人隊員がいるので、その人たちも紹介したいのですが… 生憎彼らは買い物に行っていてね。後々紹介します。」
そういえば零弥が一つの部隊には5人ほど隊員がいるよ~みたいなこと言っていたな。
俺は琉生にありがとうと伝えると、寮内を見渡した。
寮内はかなり広く、一つの家といっても過言ではないほどだった。
一階には大きなテレビだったり、すごいふかふかそうなソファだったりとすごい充実できそうなものばかりだ。
テレビがあったりする場所———多分リビングだろう———の天井は吹き抜けとなっており、二階が見える。
この寮は二階建てのようだ。
一通り見終わったので、視線を琉生たちに戻すと、琉生はそれを察してこう言ってくれた。
「君の部屋はこちらです。」
そのまま、琉生が俺の部屋へ先導してくれた。
俺の部屋は二階の奥の部屋だ。
ドアを開くと、そこは約8畳ほどの部屋だった。
「君の部屋なので、君の好きなように使ってください。」
ありがたい。とてもありがたい。
入団したというだけでここまでしてくれるなんて、抵抗団は太っ腹だなぁ。
「えっと、ここ訓練とかないんですか? 反社会抵抗軍とかと戦うんでしたら、漫画とかでよくある、実践式の訓練とか…」
「生憎、この部隊にはそういうのはないんです。けど…」
?
なんだか言葉に詰まってそっぽを向きながら話し始めたぞ…
「けど?」
「まぁ、この寮での生活自体が訓練… ですね。」
「は???」
ちょっとまってくれ。それはどういうことだ?
ちょっと濁していっているし…
なんなんだよ!どういうことなんだよ!
教えてくれよ!!!
「こういうことかよッ!!!」
俺は部屋でくつろいだ後、少し尿意を感じ、トイレへと立ったのだが…
「”抵抗力を使わないと開きません”だぁ!?」
というか、23歳にしてお漏らしをするなんて格好が悪すぎる。
絶対に避けねばならぬ。
というか、よく見るとその下に小さく”日ごろから抵抗力を使えるようにしておくことが大切!”と書てあるな…
生活自体が訓練ってこういうことね…
……しかし、抵抗力 か…
俺は未だに抵抗力の発動条件が良くわかっていない。
「翔汰さんッ! 俺の抵抗力のッ 発動条件ってッ なんだかわかりますッ!?」
かなり焦っているので声が裏返りまくりだ。
「あぁ… えっと、まぁわかるんだけども… そうだな… せっかくだし、自分の能力の発動条件くらい自分で見つけてくれよな!」
翔汰はにこやかな笑顔で親指をグッと突き立てこう返してきた。
酷い。酷すぎる。
「あぁ、あと、俺には敬語じゃなくてタメ口でいいぞ~ もちろん琉生にもだ!」
今それどころじゃないだろ!!!
ま、まずいぞ。
もう尿意の限界だぁ…
結局、俺は失敗しちまうのか…
『抵抗力を検知しました。扉を開きます。』
よかった!
何が原因かわからないけれど、とりあえず開いてよかった!
そして俺は勢いよくトイレの中へと入りこんだ。
俺はなんとか用を足して水を流そうとしたのだが…
「トイレの水も抵抗力を使わないと流れないだなんて…」
まぁなんとか流せたけどね。かなり時間がかかってしまったよ…
生活自体が訓練。これは、普通の訓練よりも大変だろう…
どっと疲れたので、俺は自室へと戻り、ベットに飛び込んだ…
「おい青空ァ!! 飯だ!! 起きろ!!!」
俺は翔汰の怒号で目が覚めた。
少しトイレに立っただけで俺は疲れて寝てしまったのか…
「ご、ごめん。今すぐそっちに行くよ。」
俺は一階から叫んでいた翔汰に向かって、少し声を張って言った。
そして、俺は階段を駆け下り、ダイニングテーブルへと向かった。
この一階にはダイニングテーブルも設置されてある。
六人が一緒にご飯を食べれるような、かなり大きなダイニングテーブルだ。
そのダイニングテーブルの下に椅子が6つおかれているが、そのうち5つが使われていた。
そのうち2つには翔汰と琉生が座っているのだが…
残りには、知らない人が3人が座っている。
「彼なの? 私たちの部隊に新しく入隊した子ってのが。」
知らない人の内の一人が琉生に向かって聞いた。
「そうですよ。彼の名前は時雨青空って言うんです。青空君にも紹介しましょう。この3人は僕たちの部隊の仲間です。」
俺の自己紹介が琉生によって終わってしまった。
俺とは違って、仕事が早い。
「一番右側に座っている濃い茶色の髪色をした彼女は、北鐘音色。大きな音、特に花火の音が最も嫌いなので、絶対に彼女の前では大きな音を出さないでください。」
俺は一番右の座席へと視線を向ける。
彼女は俺の視線に気づいたのか、小さく手を振ってくれた。
なんといえばいいのだろうか。
零弥は美人系だったが、この人は可愛い系のオーラを感じる。
とりあえずよろしくと言おう。
俺が口を開こうとしたした時、彼女は既に口を開いていた。
「よろしくね。」
俺が言うよりも先に言われてしまった。
ちょっと申し訳ない気持ちになる。
あとの二人にはしっかりとこっちからよろしくと言おう。
今回はしょうがなかった。うん。
そう自分に言い聞かせながら、俺も音色によろしくと伝えた。
琉生は音色との挨拶が一通り終わったのを確認すると、紹介を続けた。
「次に、真ん中に座っている食欲旺盛な彼は、新井琥太郎。…その、彼はこの数字がとても嫌いで、見せたり言ったりするだけでも大騒ぎを起こすので、絶対に、彼のいる前ではこの数字は使わないでください。」
と言って、”13”という数字の書かれた紙を俺に見せてきた。
「もちろんこれは捨てますけど。」
琉生はそう言って13の書かれた紙をクシャクシャっと丸めてゴミ箱へと向かって投げた。
が、少し位置がずれていたようで、ゴミ箱に入ることはなく、地面へと落下した。
琉生は少し頬を赤らめながら落ちたゴミを拾ってゴミ箱へと今度は確実に入る距離まで近づいて入れた。
そして何事もなかったかのように先ほどまで座っていた席へと戻った。
コイツ、鋼のメンタルか。
俺は笑いを堪えつつ、挨拶をした。
「よろしくお願いします。」
今度は俺から言うことができた。
「おう。よろしくな。」
食べ物を口にほおばりながら言っているので、ちょっともごもごしているが、まぁ聞き取れないことはない。
タメ口でいいよと言ってくれている———もごもごしてるので実際になんて言っているかはよく聞き取れていないが、イントネーション的にそうだろう———ので、琥太郎にはタメ口で話すことにする。
「勿論、君は既にこの部隊の仲間なんですから、全員にタメ口でいいですよ。」
同じ部隊の仲間の琉生は敬語なんだけどね…
まぁ、そういってくれるのなら全員にタメ口で喋りますけどね。
「…最後ですね。一番左の、その……、黒髪のっ!、彼女は、明地瑠実。ガラスがとても苦手なので、あまり窓際によったりしないので、無理にガラスに近づけたりしないで上げてくださいね。」
瑠実の説明、絞り出した感があるな。
「そんなに絞り出していうほどなら特徴など言わなくてもいいのだが… まぁいい。よろしくな。青空。」
あ。今度は先を越されてしまった。
また失敗みたい。
なんか俺病んじゃいそう。
俺も琉生くらいの強強メンタルだったらよかったんだけどね。
「よろしくお願いします。」
「タメでいいと言っていただろう? 次から敬語を使ったら飯抜きだな。」
おっと。ツッコまれてしまった。
…何? 今聞き捨てならないことを言ったような…
…次から敬語で飯抜きだって?
俺はこれから部隊の仲間にはしっかりとタメ口で会話していこうと心に誓ったのだ。
「紹介し終わったな。なら青空もさっさと飯食え。冷めちまう。」
翔汰がそう言ってきた。
そうだな。飯が冷めてしまうと、美味いものも微妙になってしまうからな。
そして、俺は開いている席に座り、皆と一緒に夕食を食べた。
美味しい。美味しいよ!
こうして人と一緒に飯を食べたのはいつぶりだろうか…
俺が過去の記憶を思い出している、その時。
『緊急伝達! 緊急伝達! 第50番部隊から第70番部隊の部隊は直ちに東京都港区品川駅に集まってください! 詳しい仕事の説明はそこでします!』
なんだって!?
こんな時に限って何があったっていうんだ!!!
俺は感傷に浸っている間もなく、仲間とその場を後にした。
三回目の投稿です!
今回も読んでくださりありがとうございます!
これからも不定期投稿を続けていきますが、一週間に一度は投稿したいなと思っていますので、それをしっかりと実現できるように頑張ります。