入団!
[前回のあらすじ]
まあなんか色々あって青空は抵抗団に入ることになりました。
午前7時頃、俺は抵抗団の本拠地へ来ていた。
かなり緊張している。こういうのは会社の面接のときとか以来だ。
心を落ち着かせ、歩みを始めた。
「やあ」
突如右耳からささやかれたので、俺は思いっきり飛び上がってしまった。
「びっくりさせないでくださいよ。零弥さん。」
犯人は零弥———抵抗団の団長だった。
「零弥でいいよ。そういえば、君の名前はまだ聞いていなかったね。」
呼び捨てでもいいんだな。団長なのに。
そういえば、あの時は結構疲れていたし、新しいことへの挑戦で、怖いけど、わくわくもしていて、完全に自己紹介を忘れて即帰宅してしまったな。
「俺は、時雨青空って言います。これから、よろしくお願いします。」
「そんな固くなんなって! タメ口でいいよ。」
「団長にそんな態度でいいんですか。」
「いいよ~」
いいのか? じゃあいいのか。じゃあタメ口でいいや。
俺と零弥が話している途中、団の本拠地の中から二人出てきた。
「団長! 誰ですかそいつは!」
二人の内の一人の赤い髪色をしたやつが零弥に向かって言った。
「団員以外はこの拠地内に近寄らせてはいけないですよ?」
もう一人のメガネをかけた灰色スーツのやつもここぞとばかりに言い放った。
「あぁ、彼も今日から団員になるんだよ。新しい仲間に乾杯!」
「はぁ…何言ってんですか団長。」
「本当団長って意味わかんないところあるよな。」
ジョッキを掲げるような動作をした零弥に、二人が呆れたように言った。
「ちょっと酷いな~ そんなこと言わないでよ~」
零弥が苦笑しながら二人に言った。
そして一人茫然としている俺に、
「ねぇ青空、君もなんか言ってやってよ!」
と零弥が言ってきた。
なぜ俺を巻き込むのだ。
「い、いやぁ… ははは…」
少し濁すように言ってみた。
多分。これで話題は流せただろう。
多分…
「あ? なんだてめぇ… ヘラヘラヘラヘライラつくなぁ」
…
「せっかくの団長からの振りを濁す? 言語道断ですね。殺りましょう。」
…俺の計算は外れたようだ。
物騒なことを言われているな。これは第一印象がとてつもなく最悪になってしまったということを示しているのと同じことだよね。終わったな。俺の新たな人生。
…また失敗か…
心の奥が少し熱くなった。
…いいや、抵抗するんだよ。
俺は、恐怖に負けない!
「お前、俺は認めねぇからな。」
「僕もです。」
「まぁそんなことで認めないとか言わないで上げてよ~ あの振りを濁したのはちょっと良くなかったけどさぁ…」
俺がいろいろ考えているうちになんかいろいろ言われているな…
「す、すみません。」
とりあえず誤っておいた。
キレられているからちょっと恐怖で声が上ずってしまったけれど、そんなの関係ないよな。
「……殺るか」
「あっ! ちょっと翔汰! 駄目だよ攻撃しちゃ!」
まずいよ。
もっとキレられちゃったみたいね。
ショウタと呼ばれた人物は右手から何かを垂らしながら近寄ってきた。
そしてショウタは俺に向かって手を思い切り振り上げた。
「その人に傷つけたら解雇だからね。」
零弥のその一言で、ショウタは動きを止めた。
そしてもう一人のメガネの隣へと戻ると、零弥へ跪いた。
「申し訳ございません。ついカッとなってしまいました。」
そいてこう言った。
ああよかった。この場は収まったみたい。零弥グッジョブ!
「ですが俺はあの者を入団させることはできません。なのでここはひとつ勝負をしませんか?」
「勝負?」
ショウタの提案に零弥が少しピクリと動いた。
ん? この展開はもしかして…
「俺らとそいつが抵抗力で戦うんです。そいつが勝ったらそいつを入団させてもいいですよ。ですが、俺らが勝ったら、入団は取りやめと言うことにしてくれませんか?」
やはりな。
こういう提案をしてくるんだと思ったよ。
……てか俺らって言っているよね?
もしかしてそこのメガネとショウタVS俺ってことじゃないよね?
俺が焦っているときに零弥は言った。
「いいよ!」
なんて無責任な人なんだ。
それから、俺たちはちょっと歩いて、この拠地内にある運動施設へと到着した。
中に入るなり、零弥が拡声器をどこからか取り出しルール説明をし始めた。
お前はどっちの見方なんだよ… と問い詰めたいところだが、今はその言葉をぐっと飲みこんだ。
『ルールは2つ! ルール1。相手を全員倒すこと! ルール2。この建物を壊さないこと! 以上のルールを破ったほうが負けね!』
ルールはこれだけなのか。
メガネとショウタを倒せば勝ちなんだけど…
倒すってどうやって?
またあのピエロの時みたいに力が出れば勝てるんだけど…
あれは一瞬だったし、もうそんな力湧いてこないし…
失敗しないといいけどな…
そう考えながらも、指定された位置に移動した。
『勿論抵抗力使用OK! では行くぞ! レディ…』
メガネとショウタは構えの姿勢に入っている。
俺はそういうのを心得ていないので、棒立ちである。
『GO!』
零弥のこの掛け声でショウタは一気に俺に向かってきた。
ショウタは右手から何か垂れている…
ってあれ血液じゃないの!?
怪我をしているのか!?
「俺の血液みてビビってんのか? 昔の俺みてぇだなぁ!!!!」
ショウタは右手を大きく振りかざした。
勿論反射神経がそんなに良くも悪くもない一般会社員だった俺が避けれるはずもなく、その手が直撃する。
「痛ッ」
思わずそんな声が漏れる。
ショウタの手が直撃した位置には、ショウタの血痕がついてしまった。
「硬!!!」
ショウタの血痕がついた部分がガッチリと固まった。
そのせいで左腕が固定されてしまった。
この行動が制限された状態でさらに技を打たれたらやられてしまう!
その時、まだ何もしていなかったメガネが動き出した。
右手を前へ突き出し、俺の方を目がけて…
「閉」
と言った。
その瞬間、俺の周りの床から壁が生えて俺を取り囲んだ。
とても狭い空間だ…
……まずいのではないか?
この状態で奇襲を受けたら負け確定。
…そしたら入団できない、のか…
せっかくやる気が出ていたのに。
なんだこの始末は。
あーあ… また失敗か…
失敗
その言葉が脳内に響いた。
それと同時に、胸が、心が燃え上がるように熱く…!!
「そうだ。俺は失敗したとしても、抵抗するんだ!」
俺は叫んでいた。
そして、俺を取り囲んでいた壁をぶち破った!
外では驚いた顔のメガネとショウタ。
今このスキがチャンス…
なのかもしれないが、そんな反射神経なんてないんですよね。
そう考えながら、走って近寄ってみる。
あれ? なんだか足がものすごく速く…!!
俺は壁をぶち破ってからものすごい勢いでショウタを右ナックルで地面にたたきつけた。
そしてその勢いに乗った状態のまま、メガネの元へと向かってドロップキックでぶっ倒した!
♢ ♢ ♢
「認めますよ。君は強い。」
俺はあの戦いに勝利し、入団が決定した。
今の状態は、あの戦いからそれなりに時間が経過して、気絶していたメガネが起き上がったところに俺と零弥が寄ってきたという感じだ。
あの戦いの後、俺の身体能力が向上した状態は長くは続かず、メガネを倒した後すぐに効力が切れてしまった。
何がトリガーかはわからないが、俺も抵抗者らしいし、なんか能力があるのだろう。
「ありがとうございます。えっと…」
とりあえず感謝しておいた。
というかこの人の名前まだ知らないな…
それを感じ取ったのか、メガネは名前を教えてくれる。
「…自己紹介がまだでしたね。僕の名前は佐崎琉生。そしてあっちでまだ気絶しているのが日景翔汰です。」
これからよろしくおねがいします。そう言って、琉生は握手をしてくれた。
なんだ。結構優しい人じゃないか。
俺が勘違いしていたみたいだな。
琉生を見直しているとき、琉生が問いかけてきた。
「君は、なんていう名前なんだい?」
そうだった。まだ俺も自己紹介してなかったっけ。
「時雨青空!」
これから抵抗団の一員として反社会抵抗軍と戦っていくのか…
そう考えると、わくわくがとまらない。
けれど、それに比例して、失敗への恐怖も募っていく。
でもそんな恐怖になんか抗って生き抜いてやる!
まだ俺の新たな人生は始まったばかりだからな!
二回目の投稿です。
今回はかなりスパンが早くなりましたが、
今後は一週間に一度以上のペースだと思います。
でもかけるときはどんどん書き進めたいと思っていますので、
今後も読んでくださるとうれしいです!
これからもよろしくお願いします!