表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/122

第29話 無名權波の企みとサイバーセキュリティ戦

 無名權波の行方──掴んだ。

 香港。そこからの攻撃。

 

 東京の夜。モニターの青い光が網膜に焼き付く。

 目が痛い。瞼が重くて開けていられない。瞬きするたびに、砂を撒いたような痛み。

 3日間、ほとんど寝てない。頭がズキズキする。後頭部から首筋にかけて、鈍い痛みが広がる。

 コーヒーの味ももう分からない。舌が痺れてる。カップを持つ手が小刻みに震える。

 でも──見つけた。指先がビリビリと痺れた。

 

 AI解析の結果。奴は香港に潜んでる。

 狙いは明白。上杉グループのデータ。

 システムのつなぎ目を──

 

「なぁ上杉、つなぎ目って具体的には?」

 北園が聞く。声が遠い。耳の奥で低い音が鳴ってる。士官学校でも勉強してるはずだけど──

「他の会社と俺たちのシステムを結ぶ接続点。APIとか」

 説明しながら、喉がカラカラだと気づく。唾を飲み込もうとして、できない。

「ああ、そこが弱点になるのか」

 北園が身を乗り出す。椅子が軋む。

 理解が早い。さすがだ。少しほっとする。肩の力が抜ける──が、すぐに戻る。

 

 攻撃は──今日か明日。

 胃がキュッと縮む。酸っぱいものが込み上げる。

 

 士官学校に入学したら、直接動けない。

 今しかない。でも──背中に冷や汗が流れる。シャツが肌に張り付く。

 

 本当に叩き潰せるか?

 無名權波。転生者かもしれない相手。

 俺より知識があったら? 喉が締まる。息が詰まる。

 

 ……考えても仕方ない。やるしかない。深く息を吸う。肺が痛い。

 

 サイバーセキュリティチームを招集。

 グループ内のエリートエンジニアたち。すでに待機状態。彼らの顔にも疲労の色。

 

「今回の目標は、攻撃を始める前に奴の動きを封じることだ」

 会議室に緊張感。空気が重い。肌がピリピリする。香港のネットワーク図を指す。レーザーポインターを握る手が微かに震える。

「システムのドアは全部閉めたが、奴が隠し扉を使う可能性が高い」

 

 北園が首を傾げる。眉間に皺が寄る。

「隠し扉?」

「バックドア。こっそり作られた裏口だ」

 唾を飲み込む。喉に引っかかる。口の中が砂漠みたいだ。

「なるほど。そこから入ってくる気配を──」

「あぶり出す」

 

 会議終了。全員が動き出す。椅子を引く音が耳に響く。

 データセンターのリアルタイム監視開始。

 警戒モード。首筋がピリピリする。肩甲骨の間に嫌な緊張。

 

 深夜2時。

 AIが異常を検出。アラート音。

 心臓が跳ね上がる。全身の血が沸騰する。

 

「立川のサーバーに集中してる!」

 田中の声。顔が青い。俺の脈拍も跳ね上がる。こめかみの血管がドクドクと脈打つ。

「あと10秒で──」

 

 10秒。

 心臓が早鐘のように打つ。肋骨が軋む。手に汗が滲む──いや、びっしょりだ。

 長い。短い。どっちだ? 息が止まる。肺が焼ける。

 

「封鎖しろ!」

 叫ぶ。声が裏返る。喉が千切れそうに痛い。

 

 エンジニアたちの手が飛ぶようにキーボードを叩く。

 モニターのログデータ。異常なアクセスパターン。緑の文字が画面を流れる。

 奴のウイルスがサーバーを──瞬きを忘れる。目が乾く。涙が出そうなのに出ない。

 

「全サーバーのアクセスを制限。攻撃元を特定しろ」

 

 データが流れ込む。頭が処理しきれない。こめかみがガンガンする。視界の端がチカチカする。

 

「上杉、これ見てて思ったんだけど」

 北園が画面を指す。指先が震えてる──北園も緊張してる。

「パターンがある。3秒周期で──ほら」

 

 確かに。気づかなかった。疲れてるのか。顔が熱い。恥ずかしさで耳まで熱くなる。

「色分けして可視化したら、もっと見えるかも」

 北園が続ける。目が輝いてる。洋子さんの影響か?

 

「田中、やってみろ」

 田中が素早く設定変更。指がキーボードの上で踊る。

 画面が変わる。色分けされた足跡。

 香港のIPが──見える。息を呑む。喉がヒューと鳴る。

 

「すげぇ……北園、ナイスだ」

 胸が熱くなる。目頭も熱い。仲間がいる。

 北園がニヤッと笑う。歯が見える。

「洋子に自慢するぜ」

 一瞬、緊張が和らぐ。でも──

 

 攻撃元のIPアドレス。香港の特定データセンター。

「奴の居場所を特定した。IPを遮断。痕跡を追跡する」

 

 田中が叫ぶ。

「IP遮断の速度を2倍に!」

 

 チームが動く。防御強化。キーボードの音が機関銃みたいだ。

 でも──これで終わり? 腹の底が冷たい。氷を飲み込んだみたいに。

 

「逆ハッキングを仕掛ける」

 

 言ってから──これ、合法か?

 いや、正当防衛だ。たぶん。舌を噛む。血の味がする。……いや、噛みすぎた。

 

 エンジニアたちも驚いてる。目が真ん丸になる。口が開く。当然だ。

 普通はやらない。でも──拳を握る。爪が掌に食い込む。

 

「奴を逃がしたら終わりだ」

 本音。次はもっと巧妙に来る。

 転生者なら、学習する。成長する。背筋に冷たい汗が一筋、流れる。

 

 だから──今、潰す。奥歯を噛みしめる。顎が痛い。

***

「敵の端末にマルウェアを──」

 北園が聞く。身を乗り出す。息がかかる。

「マルウェア?」

「敵の端末に忍び込む仕掛け。ウイルスみたいなもの」

 説明しながら、自分の声が遠くに聞こえる。

「忍者みたいだな!」

 北園の目が子供みたいに輝く。でも──緊張がほぐれた。肩の筋肉が少し緩む。

 

 指示を出しながら、成功率とリスクを分析。

 危険な賭け。でも必要。掌が汗でベトベトだ。マウスが滑る。

 

「攻撃可能なパスを確保しました!」

 田中の声。心臓が跳ねる。胸骨が痛い。

 

「さすが田中だ。次は防御の最終プロトコルを」

「了解です!」

 田中の額にも汗。光ってる。

 

 モニターに攻撃元のシステム内部構造。複雑な図。目がチカチカする。

 

「上杉、最終プロトコルってのは──」

 北園が真剣な顔で聞く。

「AIシステムの初期化や停止のことだ」

 説明しながら、声が掠れてることに気づく。咳払い。喉が焼ける。

「なるほど」

 

「今だ。マルウェアを注入しろ」

 

 数秒。

 長い数秒。呼吸を忘れる。心臓だけが動いてる。ドクン、ドクン。

 全員が画面を見つめる。瞬きもしない。

 

 攻撃元の端末が反応。

 エラーログ。赤い文字が画面を埋める。制御不能。

 

「端末破壊を確認しました」

 田中の報告。声が震えてる。

 

 勝った?

 一瞬、全身の力が抜ける。膝が笑いそうになる。でも──

 いや──甘い。すぐに筋肉が強張る。警戒心が背筋を走る。

 

「これで終わりじゃない」

 深く息を吐く。肺が震える。横隔膜が痙攣しそう。疲れた。でも──

「奴は必ず次の手を打ってくる」

 

 無名權波。

 端末一つ潰した程度で諦める相手か?

 違う。もっと──執念深い。胃液が込み上げる。苦い。

 

 俺と同じ、転生者なら。喉の奥が苦い。胸やけがする。

 

「全チームに告ぐ。セキュリティをさらに強化しろ」

 声を張り上げる。最後の力を振り絞る。喉が焼ける。声帯が悲鳴を上げる。

「奴の動きを監視。予測モデルをアップデート」

 

 モニターに映る東京の夜景。

 平和そうに見える。でも──瞼がピクピクと痙攣する。右目だけ。止まらない。

 

 どこかで、無名權波が次の準備をしてる。

 新しい端末。新しい拠点。新しい計画。背中全体が冷たい。悪寒がする。

 

 北園が隣にいる。肩が触れる。温かい。人の温度だ。

「なあ、これで終わりか?」

 北園の声も疲れてる。

「……始まりだよ」

 声が震える。疲れか、不安か。両方だ。

 

 本当の戦いは、これから。

 士官学校に入ったら──守れるか? 胸が締め付けられる。呼吸が浅くなる。

 

 分からない。

 でも、やるしかない。腹に力を入れる。腹筋が震える。

 

 AIモデルの精度を上げる。

 チームを強化する。

 そして──

 

 無名權波。

 次は、どんな手で来る? こめかみの血管がズキズキする。片頭痛が始まった。

 

 夜明けが近い。窓の外が白み始める。鳥の声が聞こえる。

 でも、戦いの夜明けはまだ──見えない。霧の中だ。

 

 ……いや、見えなくても進むしかない。

 震える手で、最後のコマンドを入力した。

 Enterキーを押す。小さな音が、やけに大きく響いた。

ネットコン13挑戦中。締め切りは7/23 23:59まで。

最後まで全力で駆け抜けます。

★評価+ブクマが次回更新の励みになります!

(★1 とブクマ1で3pt加算 → 選考突破のカギです)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ