第七話 「グリッチ四歳になる」
「アイスクルショット!」
ダニエルはグリッチの頭めがけ魔法を放った。
「あ、あ、あっぶねー!」
グリッチは魔法避け後ろを振り返った。
なんということでしょう、後ろにはどでかい氷が岩に突き刺さっていました。
いつも思うけどあんなのを食らったら、
俺でもイチコロだよな。
「あのさダニエル、魔法の練習をするのはいいけど・・・なんで的が僕なの?」
「なんでって・・・なんとなく?」
ダニエルは笑顔でそう答えた。
なんとなくって・・・
絶対ダニエルサイコパスだよ。
「まあ的にするのはいいけどさ、頭を狙わないでくんない?危ないから。」
「わかったよ。」
素直だな。
ダニエルとグリッチは近くの丘で休んでいた。
「そういやあダニエルはなんでいつも一人で魔法の練習ているんだ?」
「友達居なかったのか?」
グリッチがそう聞くと、
「いやだな~グリッチ、ととと友達ぐらいいい居るよ。」
ダニエルは慌てた様子でそう答えた。
友達居なかったんだな。
「それにしてもダニエルは魔法が上手いな。僕も魔法の練習しているのに、未だ基本魔法も出来ないないんだ。」
「そうだダニエル、僕に魔法を教えてくれよ。」
「いいけど・・・」
なんかダニエル何かを言いたそうだった。
「僕が魔法を教える変わりに、グリッチの剣術を教えてほしいな。」
何だそんなことか。
「いいよ。いくらでも教えてやる。」
「それじゃあ頼むぜ、ムニエル。」
「ダニエルだよ、名前覚える気ある?」
「じゃあまずあそこにある木を魔法で倒してみて。」
グリッチは木からすこし離れた場所に立った。
確かツリーブレイクだったよな。
「ツリーブレイク!」
「ツリーブレイク!」
「ツリーブレイク!」
グリッチは近くに落ちていた石を拾い木に投げた。
「ツリーブレイク!」
グリッチが投げた石は木に命中し、木は倒れた。
「ダニエル出来た!」
「違ーう!」
「今石投げたよね、呪文言いながら、木に向かって石投げたよね。手には杖じゃなくて石持ってたよね。」
「さてどうだったかな〜」
「お、重い。」
「ダニエルにはその木刀は重かったか。ちょっと待っとけ。」
グリッチは小屋に向かいダニエルが持てそうな木刀を探していた。
「ダニエルは力無さそうだからな、どの木刀がいいかな。」
グリッチは木刀が入っいる箱から、
ダニエルが持てそうな木刀を探した。
「この木刀はどうかな。」
「ダニエルこの木刀はどうだ?」
グリッチはダニエルに木刀を渡した。
「どうだ、持てるか?」
「うん持てる。」
「でもどうして?同じ大きさの木刀なのに・・・」
「木の種類が違うから。」
「それは極力軽い木で作られているからダニエルでも持てる。」
「それじゃ始めよ。」
「それじゃあまず僕に打ち込んでみてくれ。」
「じゃあ行きますよ。」
ダニエルはそう言うと剣を構えグリッチに突っ込んできた。
「そいやー!」
コンと軽い音が鳴った。
「・・・ダニエル打ち込んできたのはいいけどさ、逃げ腰になってるよ。」
あと少し震えてるし。
なんか、逃げ上手の●君っていうアニメで剣の鍛錬をしてる北条時行みたいなポーズしてんな。
なんか逃げ筋とかどうたらこうたら言ってたな。
神主の格好していた人が。
とりあえずこの逃げ腰をなんとかしないと。
「ダニエル、突っ込んでくるんじゃなくてその場に留まって打ってみよう。」
そしたら腰は後ろに行かないはず。
「それじゃ行くよ。」
「そいやー!」
またコンと軽い音が鳴った。
・・・なんとか逃げ腰じゃなくなったけど、威力が無い。
威力は技術で何とかなるけど、突っ込むと逃げ腰になるのを何とかしないとな。
グリッチはダニエルを見ながら考えていた。
「どうしたのグリッチ?僕の顔に何か付いてる?」
ダニエルはそう言い首を傾けた。
「あー考え事してた。」
「今日はここまでにしよう。また明日な。」
夜になる。
「グリッチ、お誕生日おめでとう!」
「グリッチもう四歳になったのか。時間が進むの早いな。」
アルバートがそう言った。
それにしても豪華な料理だ。
あれは豚の丸焼きか?
見たことない料理がいっぱいだ。
さてどんな味がするかな?
グリッチは料理を食べた。
お、お、美味しい!
こんなに美味しい料理、この世界に生まれてから初めてだ!
グリッチはしばらく料理を食べていた。
「お兄ちゃん、お誕生日おめでとう。これプレゼント。」
「プレゼントありがとうなエディー。」
グリッチはエディーから貰ったプレゼントを開けた。
箱を開けると絵が入っていた。
なんの絵だろう?
もしかして俺を描いてくれたのか?
「これね、お兄ちゃんを描いてみたの、どう、似てる?」
やばい俺泣くかもしれない。
「似てるよ。上手く描いたなエディー。」
俺は泣きそうだったがこらえながらそう言った。
一生大事にしよう。
それから数ヶ月が経った。
「ツリーブレイク!」
「ツリーブレイク!」
「ツリーブレイク!」
グリッチはそこら辺の石を手に持ち木に投げた。
「ツリーブレイク!」
木が倒れた。
「だから違ーう!」
「でも何でだろうね?この数ヶ月間魔法の練習してるのにっていうのに一向に上達しないなんて。」
「グリッチは何かの呪いにかかっているのんじゃないの?」
「だったら嫌だな。」
グリッチはそう言いった。
「ほらもう一回!今度こそは成功してやるよ。」
「ツリーブレイク!」
しかし何も起きない。
グリッチは杖を木に投げた。
「ツリーブレイク!」
木は倒れた。
「出来たぞダニエル。」
「出来てなーい!」
「なんでだよ、今度は石じゃなくて杖を使ったぞ。」
「君、杖を投げて木を倒したでしょ。」
「魔法じゃないからそれ。」
「いや呪文唱えて倒したんだから、魔法みたいなもんでしょ。」
「だから違うよ。」
「ほら打ち込んでこい!」
「ヤー!」
カンと軽い音が鳴った。
だいぶ逃げ腰が治ってきた、このまま行けばダニエルの逃げ腰が治るだろう。
でも、いちいち・・・
「ヤー!」
「ヤー!」
「ヤー!」
「ヤー!」
そんな声出して打たなくてもいいと思うけどね。
でも少しずつ剣が上手くなっている。
「ヤー!」
カンと軽い音が鳴った。
少しだけど威力も上がってきてる。
今後の成長が楽しみだ。
グリッチとダニエルは丘で休んでいた。
「いつも気になってたけどその本何の本?」
「この本?」
「この本は呪文が載ってるている本だよ。」
「そんなのあんの。ちょっと見せてよその家紋が載ってる本。」
「呪文が載ってる本だよ!」
そう言いながらダニエルはグリッチに呪文が載っている本を渡した。
グリッチは本を開いた。
「うわ、めっちゃ字が書いてある。」
ダニエルはこんなに字の多い本を読んていたのか。
なんか書いてあるな。
魔法の属性と種類?
え〜と、この世界には八種類の魔法属性がある。
その八種類の属性は、
火、水、氷、植物、大地、風、光、闇、だそうだ。
だだったら今俺が練習してるのは植物魔法とかか?
種類は・・・
ざっくりと言うと、生活魔法、攻撃魔法、防御魔法、回復魔法、補助魔法、支援魔法、召喚魔法、空間魔法あと精霊魔法らしい。
あ、精霊魔法ってエルフしか使えないって書いてある。
ということはこの世界、エルフ居るのか?
居たとしたら是非会ってみたいな。
ほかにはなんて書いてあるかな。
グリッチは本のページをめくった。
また字がいっぱい書いてあるよ。
絶対老眼の人これ読めないよ。
老眼鏡を付けるか顔しかめながら見ないと。
え〜と
これは目次かな?
いろんな魔法があるんだな、めちゃくちゃ書いてある。
何か面白い魔法はないだろうか?
でもあっても出来そうにはないな。
「ありがとう。」
グリッチは本をダニエルに返した。
「じゃあなダニエル、また明日。」
グリッチは帰り道考え事をしていた。
魔法っていろんな属性があるのは知ってたけど、
種類までは知らなかった。
俺もいつかお母さんやダニエルが使ってる魔法を使えるようになれるかな。
でもどうしよう、本当に魔法が使えない呪いにかかっていたら。