第五十三話 「銀士はおもちゃなのかそうじゃないのか。」
グリッチはアリアナ達が居る場所に戻るとアリアナ達は昼寝をしていた。
焚き火の火はまだ燃えている。
のんきな奴らだな。
でも昼寝が出来たってことはここにはまだ平和ってわけか・・・
でも戦場で寝るってのはちょっとよろしくないかな。
フェン達はグリッチが殺した死体の処理をしていた。
普段ならこんなことはしないのだが、待機する場所の近くに死体があるということで処理をすることになった。
フェン達は日傘の棒部分が刺さった死体を見ていた。
「エルナ、ルキ見てみろよこの死体、綺麗に心臓の左側に刺さってるぞ。」
「どうして・・・あっフェンは死体をよく見ているからだねん。」
「そう、でもあの時は大変だった。嫌でも死体見ないといけなかったからな。よく死体を解剖したりしたな。」
「そうなんだにな。」
「でもこの死体を見たらグリッチは凄いねん。あれほどのスピードの中で心臓を貫通させないほどの力で冷静に刺し殺すなんてねん。」
「こうやって見ているとあいつ(グリッチ)の技術の高さがわかるな。」
フェンは日傘の棒を抜いた。
血はあまり吹き出なかった。
フェン達は五人の死体を一箇所集め燃やした。
フェンは手を合わし、目をつぶった。
「ねえフェンねん・・・なんで死体にそんな扱いするねん?」
「死んじまえば、どんな生物でも仏さんだからな。」
「フェンはわからないにな。」
「あとそうだにな。フェン、グリッチから何の生物かわからない歯をもらってたけどあれ何にな?」
するとフェンはポケットからグリッチから貰った歯を取り出した。
歯のでかさは約五センチ程で肉を食いちぎるにはいい形だった。
「ああこれは・・・・・・!!」
フェンは今まで自分が見てきた歯の形を思い出し、ある生物に歯の形が似てることに気がついた。
「どうしたねん!?そんな驚いた顔してねん。」
「おいおいまじかよこの歯・・・アベリウス。」
フェンがそう言うとルキとエルナはとても驚いた。
何故この人達が驚いているのか?
それはアベリウスと言う竜種の歯見たからです。
このアベリウスを説明すると、この世界では皆さんも知ってるかわかりませんが、四大龍と言う竜が居ますが、このアベリウスはその四大龍の一つ格が下がった、十頭竜と言う分類に属しています。と言ってもよくわからないと思いますが、このアベリウスは十頭竜の中では六番目に強い竜種です。
「でもこの歯確かグリッチはヘブンから貰ったとか言っていたにな。」
「だがヘブンがこの歯を持っているんだ?もしかして一人であのアベリウスを倒したのか?」
「それはわからないにな。詳しくグリッチに聞けば良かったにな。」
「でもヘブンが一人でアベリウスを倒したのならねん、こっちはかなりヘブンを警戒しないといけないねん。」
「そうだな。」
「そうにな。」
グリッチは焚き火に拾ってきた木の枝を投げ入れながら焚き火の火を地面に座り見ていた。
隣ではアリアナとフランが地面に寝転がって寝ている。
そういえば今何時間たったんだ?
試験時間五時間とか言ってたけど。
今アリアナ達が起きたらびっくりするだろうな。なんだって、血だらけの子供が焚き火の前に座って居るのだから。
アリアナなら、うわぁぁぁ!!出たー!!とか言って、フランが起きてたら一緒に逃げてそう。
もしフランが起きてなかったら普段抱えて逃げてそう。
フランなら、何も言わないで静かに、アリアナが起きてたら一緒に逃げてそう。
もしアリアナが起きてなかったらアリアナを引きずりながら逃げてそう。
でもあの時、日傘の棒を使って人を殺すなんて久しぶりだな、あれ結構力加減難しいんだよね。
強くやりすぎと貫通しちゃうし、逆に弱くしすぎると、うまく刺さんなかったり、皮膚に刺さんなかったり、途中で止まったりする。
まあ本当は心臓じゃなくてどちらかの目に刺すつもりだったけどね。
「・・・・・・!」
グリッチは何かの気配を察知した。
さてまた殺しの描写が出てくるかもよ。
しかも今度は三人多い九人とは・・・
またお前を殺せば自分の格が上がるとか言い出さないよな。
グリッチは焚き火の火をじっと見ながらそう考えた。
後の茂みからガサガサと音が聞こえる。
「やあどうも、そこの赤い服を着た子供。」
「どうも、こんにちは九人の知らない人。」
そう言いグリッチは声が聞こえた方に頭を向けた。
「えっ・・・・・・??」
九人は一瞬固まった。
それもそうだろう赤い服を着た子供かと思ったら顔面真っ赤の子供だったのでから。
「リヘナラ、これはヤバイ奴に出会っちゃたよ。どうしよう。」
リトナはリヘナラに小声で話した。
「大丈夫だよ。こういう時は冷静になるのが一番だよ。」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。目の前には血だらけの子供が居るんだよ。学校で見た人形より沢山血が付いているんだよ。」
「確かにそうだね。ケリソン君からは何かない?」
「いや、何かないって言われてもね。」
「ここは私に任せてよ。まずは話し合いしないと。」
「大丈夫?危ないと思ったらすぐに逃げてね。」
リトナは心配している。
リヘナラはグリッチに近付いた。
「どうも、二級剣士のリヘナラ・リクソンともうします。」
「ご親切にどうも、俺はグリッチ・マクベインよろしく。」
グリッチ・マクベイン!?あのグリッチ・マクベイン!?
リヘナラは驚いた。
「言っとくけど、俺はお前達と戦うつもりはない、もしお前達が俺と戦いたいのなら戦えばいい。だが命は無いと思え。」
「・・・・・・」
リヘナラは黙っていた。
「・・・わからなかった?だったらもう少し簡単に説明するね。俺はお前達と戦いたくはない。これでどう?」
「・・・・・・」
リヘナラは黙っていた。
「あれ?大丈夫?さっきから反応しないけど。」
グリッチはリヘナラを少し押すとリヘナラは後ろに倒れた。
「マジで大丈夫か!」
「リヘナラ!」
茂みの奥からリトナが飛び出て来た。
「リヘナラに何したの!」
「いや、少し押しただけだ。」
「少し押しただけでこんなにはならないでしょ!」
リトナはグリッチを突き飛ばした。
この反応・・・あの時みたいだ。
グリッチは西国の剣術大会の時のフィリスとこ会話を思い出した。
「大丈夫だよ。リトナ。リヘナラは気を失ってるだけだよ。」
「そうなの?」
「だってまだ息があるし・・・」
「・・・そうなのね。・・・突き飛ばしたりしてごめんなさい。」
「あ、名前言うのが遅れた、俺は、ケリソン・スリラーよろしく。」
「こちらこそよろしく。」
ケリソンとグリッチは握手した。
「ところでグリッチは何でそんな血まみれなんだ?」
「あ、これか?ちょっとやんちゃしちゃってね。聞きたい?」
「いや、やめておくよ。」
「まっ、立ち話もなんだし、座らないか?」
リヘナラ以外の八人は地面に座った。
「あのグリッチ、一つ聞きたいんだけど・・・」
「何?何でも聞いていいよ。答えるから。」
「銀士って持ってるの?」
「銀士?持ってる持ってる。これでしょ。」
グリッチは胸ポケットから銀士を取り出した。
「おーー」
「そんな驚く事?」
「当たり前だぞ。銀士なんて最強級の剣士が持つ代物なんだから。」
「こんなおもちゃが?」
「おもちゃだなんて・・・何ていうことを言うんだ。」
「いやあのね、不快にさせたらごめんなさいね。正直言うと俺にとっちゃこれ、ゴミなんだよね。でも一応友達か貰ったものだからさ、簡単に捨てれないんだよね。」
「あともう一つ、グリッチはその銀士を貰った時の何か試験とか受けたのか?」
「受けてないな、俺はただヘブンとおでん食ってたら、ヘブンがこれあげるとか言って貰った。まあケリソンが言った様にこの銀士が最強級の剣士が持つ代物だとしたらなんで俺を見ただけでそんな物を渡したのか。真相は謎の中だね。」
「おっとこんな話をしてたらまた訪問者が来たね。」
グリッチは何かの気配を察知した。




