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特殊で愉快な異世界生活  作者: レキシン
第2章 冒険者編
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第四十七話 「一次試験嫌だ」

 アリアナとフランは地面に倒れどちらも息が荒れていた。

 そしてグリッチは余裕そうに立っていた。

 ※けしてエッチなことはしていません。

 

 少しばかり飛ばしすぎたか?

 確かに、天井に生えてるツタを雲梯のように使って進んだり、崖を登りながら横移動したり、変な生物と鬼ごっこしたり、ターザンのようにツタを使って別のツタに飛び移ったりしたからか?

 

 「大丈夫か?立てるか?」

 「大丈夫じゃない。」

 「・・・・・・」

 どうやら大丈夫じゃなさそうだ。

 てか、フラン喋らないけど大丈夫?死んだりしてない?

 俺はフランが生きているか確認した。


 息はある、大丈夫だな。


 

 グリッチは二人を左脇にはアリアナを右脇にはフランを抱えて洞窟を進んだ。

 



 剣士協会何処かの豪華な部屋。

 三人の一級剣士は水晶に映っているグリッチを見ながら話をしていた。

 

 「あのグリッチとか言う、志願者をお前達はどう見る?」

 一級剣士 フェン・ソプロが言った。

 「見た感じ、かなりの体力のバカだというのがわかるねん。」

 一級剣士 ルキ・ローマンが言った。

 「私は今のところはわからないにな。」

 一級剣士 エルナ・ポンシェが言った。

 

 「ルキ、エルナ、ちょっといいか、その語尾何とかならないか?いや、二人とも数年間に付き合いであるけどよ・・・その語尾ずっと聞いてると頭おかしくなる。」

 「生まれつきだからどうしようもないのねん。」

 「そうですにな。」

 

 「そ、そうなのか?」

 少々フェンは困惑していた。


 「しかし、脱出水晶を持たせるなんて太っ腹だねん。」

 「有望な人材が死んだら困るからだろうにな。」

 「でも、一次試験からS−の竜を討伐しろなんて、シェリルも無茶なことを言うぜ。」

 



 洞窟内グリッチのチーム。


 グリッチ達は洞窟の水辺で少し休憩していた。

 

 アリアナとフランは水を飲んでいる。

 一方グリッチは周りを警戒していた。

 

 

 「そういえばさ、この一級試験って何級からが試験資格合格なんだ?」

 「え?」

 アリアナは困惑した。

 

 「いや、何級だったかなって今ど忘れしちゃって・・・」

 「あ、そうなの、確か一級剣士試験を受けれる資格は二級剣士から。」

 そうなんだ。初めて知った。

 

 「話は変わるんだけど、これ知ってる?」

 グリッチはアリアナに銀士を見せた。

 

 するとアリアナの後ろに隠れていたフランが喋りだした。


 「それは銀士・・・どうしてグ、グリッチが持っているの?」

 あらま可愛い声。


 「それはな、ヘブンから貰ったんだ、これに見せれば一級剣士試験を受けさせてられるとか言って。」

 「でもこんなペンダントが凄いのかって思えちゃう。」

 

 「何言ってるのグリッチ、その銀士と言う物はヘブンが認めた剣士にしかあげない物なんだよ。」

 「いやアリアナ、そんなこと言われてもな。戦ったことはないが正直見た感じ。ヘブンってやつ弱そうだったぞ。」

 

 「だとしたら(ヘブンは)弱く見せるのが上手いんだね。」

 いや、アリアナそんな元気よく言われても。


 「能ある鷹は爪を隠すみたいな?」

 「それはわからないけど・・・」

 

 「あ、あのね、ヘブンは魔王軍の幹部で、魔王軍のナンバー二なんだよ。」

 「え?そんなに凄い人だったの?あの人。てっきりゴミを押し付けてくる人かと思ってた。」

 

 「で、でも、銀士なんて初めて見た。」

 「もっと見てみるか?」

 「う、うん。」

 俺はフランに銀士を渡した。

 

 「別にそれ貰ってもいいし。俺にとっちゃゴミみたいなもんだから。」

 「で、でも、こんな大切な物貰えないよ。」

 フランはグリッチに銀士を返した。


 「そんじゃまた探索始めよう。」

 



 何処かの洞窟内。


 グリッチはでかいゴキブリをツンツンしていた。

 「アリアナこれなんて生物?」

 

 「それは、サンゴキという虫だよ。」

 アリアナの声は震えていた。

 そして、フランはグリッチから体が見えないぐらいアリアナの後ろに隠れていた。

 

 グリッチは何かを察した。

 「虫・・・嫌い?」

 「ほれ。」

 グリッチはアリアナにサンゴキを見せた。

 

 「ギャーー!!裏見せないで!!」

 フランは素早く頭を縦に何度も振っていた。

 

 グリッチ達はそんなゴキブリ事件もありましたが、また洞窟内を進んで行きました。


 

 ・・・ちょっとばかしやりすぎたかな?またフランの距離が遠くなったような気がする。

 フランはアリアナの後ろに隠れていた。

 

 


 グリッチ達は洞窟内の大きな空間に着いた。


 「・・・なあこんだけ探してビンフィクのビの字も出てこない。」

 足跡も途中で途切れちゃったし、これってあれだよね。

 はい、皆さんご一緒に


 三、二、一。

 

 遭難しちゃた。


 「おかしいね。こんだけ(洞窟内を)歩いているのにビンフィクに会わないなんて・・・」

 

 確かにアリアナの言うとうりだ、これまで三時間洞窟内を歩いているのにビンフィク一体にも会わないなんておかしい。

 途中全然血の匂いもしなかったし、虫の気配はしたが、動物の気配はしなかった。

 だが何故だろうか?この広い空間に入った瞬間、動物の気配が・・・


 フランは凄い勢いで、アリアナの肩を叩いた。

 フランは上を向いている。

 

 「ん?フランどうしたの?そんな焦って。」

 「上、上、上。」

 フランはグリッチには聞こえない程の声でアリアナに伝えた。


 「上?何を言って・・・!!」

 アリアナは上を見た瞬間、驚いた。

 


 この気配は・・・竜?でも何で・・・


 「グ、グリッチ、上、上。」

 

 アリアナ何言ってんだ、上、上って、危ない薬でもやってんのか?

 フランは必死に上に指差してるし。

 

 二人とも危ない薬やってないよね。

 

 「そんな遊んでないで、ほら行くぞ〜」

 グリッチは洞窟の奥に進もうと歩いた。

 

 「グリッチ、上、上!!」

 「だから遊んでないで。」

 

 「だったら上見てよ!」

 アリアナは無理やりグリッチの頭を上に向けた。

 だがグリッチは目をつぶっていた。


 「だから・・・」

 グリッチは目を開けた。


 「・・・・・・・・・・オー、マイ、ガー。」


 なんということでしょうグリッチ達の上には、無数の爪の鋭い四足歩行の竜が居るではありませんか。

 

 「アリアナ、あれ何?」

 「あれは、ビンフィク。」

 「あれがビンフィク・・・いかにも洞窟が住処の竜って感じ。」

 「何関心してんの!そんな事より逃げないと!」

 

 「いや逃げなくていい。」

 「どうして!」

 「いや今逃げたって、入口塞がれてるし・・・」


 アリアナとフランは出口を見ると、入口には数体のビンフィクが通らせないように居座っている。


 グリッチ達にとっては絶望的な状況だった。




 剣士協会何処かの部屋。


 フェンとルキとエルナは水晶に映ったグリッチ達を見ていた。

 

 「ルキ、エルナ、面白くなってきたぞ。」

 「いやそんな事言わなくてもわかるねん。」

 「でもこの状況・・・かなり絶望的にな。出入り口にはビンフィクが陣取っていて、天井には無数のビンフィクが居るにな。もし一斉に襲い掛かって来たとしたら、私達一級剣士でも生きて帰るのは難しいにな。さてグリッチ達はどうするにな。」

 エルナ、その語尾なんとかならない?

 フェンはそう思った。

 



 アリアナは膝から崩れ落ち、フランはアリアナに抱きついた。

 

 水晶・・・

 

 アリアナは水晶を取り出し、割ろうとした瞬間。


 「アリアナとフラン・・・俺と一緒で良かったな。」

 グリッチは上を見ながら言った。


 「別に水晶を割ってもいいが、俺から一言言う、そう簡単に諦めんな。幸いお前達のチームのリーダーは俺だ、お前達を死なせたりはしない。」


 「でもグリッチ、相手はS−のビンフィクだよ。私達二級剣士には到底勝つことが出来ない相手だよ。」

 

 「ハハハハハ、だったらアリアナ、この言葉を知ってるか?希望を捨てるな。」


 すると一斉にビンフィクがグリッチ達に襲い掛かった。

 

 キシャーーとビンフィクの鳴き声が聞こえる。


 

 「もう駄目だーー」

 フランの抱きつきが強くなる。



 剣士協会何処かの部屋。

 

 「お、襲い掛かって来たぞ。」

 「本当に面白くなってきたねん。」

 「さて・・・どうするにな・・・グリッチにな。」



 グリッチは親指で少し刀を抜いた。

 

 「キシャ、キシャ、キシャ、キシャ、うるせーよ。」


 「誰かー!助けてー!」

 

 グリッチは親指で刀を鞘に戻した。

 

 その瞬間、グリッチ達を襲い掛かって来たビンフィクは一斉に斬られ死んだ。

 

 「え・・・?」

 何が起きた?何であんなに居たビンフィクは死んでいるの?

 もしかしてこれ全部グリッチが?

 いや銀士を持っているし、でも一瞬で、殺せるのかな?

 もし殺したとしたら、一体グリッチは何者?



 剣士協会何処かの部屋。

 

 フェン達は困惑していた。

 「フェン、見えたねん?」

 「いや、見えなかった。」

 「私もにな。」

 「これが・・・銀士を持つ剣士の実力者なのか・・・」

 「今回の一級剣士試験・・・面白くなってきたにな。」


 

 グリッチは深く息を吐いた。

 

 上からは死んだビンフィクと血が降ってくる。


 すでにグリッチの顔にはビンフィクの血が付いていた。


 アリアナとフランは抱きついたまま固まっていた。


 グリッチはビンフィクの頭を切り落とした。


 アリアナ達から見たグリッチの姿は、殺しの天才の様に見えていた。

 

 グリッチはビンフィクの頭を紐で結び背負うとアリアナ達に近付いた。


 「ほら、立てるか?」

 グリッチはアリアナとフランに手を差し出した。

 「う、うん。」

 「・・・・・・」

 フランは黙っていた。

 

 グリッチの手を使い、二人は立ち上がった。


 「歩けるか?」

 「は、はい。」

 「・・・・・・」

 フランは黙っていた。

 


 今からグリッチ達が戻る道が過酷なのはアリアナとフランは忘れていた。

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