第四十五話 「廃品業者」
グリッチは何か思い出した。
「ヘブン、聞きたいことがあるんだが。ここは何地方だ?」
「ここか?ここは確かカラント地方だと思うが。」
「マジ!良かったわー。」
「あ、あと、カミランって村知ってる?どうやら廃村らしいんだ。」
するとヘブンの手が止まった。
「どうしてカミラン村に行く?あそこは結構危険だぞ。」
「え、そうなの?」
「なあビク、そのカミラン村はヘブンが言ったとうり危険なのか?」
「はい、かなり危険です。」
ビクは具材を煮込みながら言った。
「もう一度聞くが、どうしてカミラン村に行く。」
「頼まれ事されててそれで行く。」
「・・・・・・」
ヘブンは何か考えているようだったが、俺にはわからなかった。
「・・・グリッチ、カミラン村がどこにあるか知ってるのか?」
「ヘブン様。」
「黙っていろビク···グリッチ見苦しいとこ見せた、すまない。」
「ああ別にいい、俺は正直言ったら、どこにあるかわかんない。知ってるなら教えて欲しい。」
「それじゃあグリッチ、あそこに森があるのが見えるだろ。」
ヘブンはのれんをめぐり森のある方に指を差した。
「その森に入ってい、真っ直ぐ進む。」
「教えられてもらって失礼だけど・・・それだけ?」
「ああ、それだけだが。」
「ビクはなんか知らないの?そのカミラン村の場所。」
「お恥ずかしい話、私は実際にカミラン村に行ったことはありません。あと正直に申しますと、場所も知りません。」
「マジすか・・・情報提供ありがとう。じゃあ、俺はこれで。」
グリッチは銀貨六枚を席に置いた。
「グリッチ様、お代は要りません、私はこれを趣味でやってますのでお金は不要です。」
「これはお代じゃねーよ、情報提供料だ。」
グリッチはのれんをくぐり、ヘブンが指を差した森に向かおうとしていた。
「ちょと待てグリッチ。」
ヘブンに呼び止められた。
もしかして、あんたにも情報提供料あげなきゃいけない?
「お前、何級の剣士だ?」
え、何それ?
「いや、俺は何級でもない。」
「それは困ったな、アリーズ森は一級剣士じゃないと入ることが出来ないぞ。」
出た出た、そのランク制。
「え、そうなの?マジか・・・」
「ビク、確か二日後一級剣士の試験があったよな。」
「ありますが・・・!」
ビクは何かに気がついた。
「グリッチ試験を受ける気はあるか?」
「それって俺に、一級剣士の試験受けろって言ってるって事?」
ヘブンは頷いた。
「マジで言ってんの?まあ別にいいけどさ。」
「なら善は急げだ。そこに立っていろ。」
俺にとっちゃいいことじゃないけどね。
地面には星型の魔法陣が光っている。
ヘブンは空間魔法を使い、グリッチを転送した。
俺まだ行くって言ってないのに。
グリッチはある国に転送された。
魔物ではなく人が沢山歩いている。
全くこの世界を話聞かない人で多いね。
※あんたもだよ。
ところでここはどこなのだろうかね。
俺はとりあえず情報収集を始めた。
それで聞いたのだが。どうやらここは、イラモという国らしい。首都の名前はアンドンと言う。しかも、この国はこの都市一つしか統治していない。
そしてこの国は、剣士協会の本部があり。剣の都と呼ばれてるらしい。
あと一つおまけ、この都市は四角く城壁に囲まれいる。
簡単に説明するとこんな感じだね。
・・・剣の都だから剣が沢山あるのはわかっていたけど、なんで全部剣にしちゃうかな。
料理だって、パンとかハンバーグとか剣の形してるし、看板も剣の形してる。
もうほとんどが剣の形してる。
でも、剣の形をしていないのもあるよ。それは、家。
そんなこと思っている場合じゃなかった、早くその剣士協会というのを見つけないと。
グリッチは剣士協会を探した。
「やっと、やっと、見つけた。」
グリッチの目の前には、両扉で白色の豪華な、でかい建物が建っていた。
グリッチは扉を開き協会に入った。
扉を開くとまず、受付に並んでいる人達が見えた。
そしてそれに対応してるのは女性だった。
いつも思うが何で受付の人いつも女性なんだろう?
グリッチは列に並んだ。
列がどんどん進んでいく。
そしていつの間にか次が自分の番になった。
前の人の会話聞こえる。
「どのようなご用件でしょうか?」
受付の女性の声が聞こえる。
「一級剣士試験を受けに来ました。」
男性の声が聞こえる。
「でしたら、身分証をお見せください。」
男性は身分証を受付の人に渡した。
受付の人は身分証を確認した。
「試験資格は合格を確認しました。では、これを。」
受付の人は男性に紙製のカードを渡した。
カードには、一級試験資格合格と、書かれていた。
グリッチの番になった。
「このようなご用件でしょうか?」
「一級剣士試験を受け来ました。グリッチです。」
「でしたら、身分証をお見せください。」
「はい、どうぞ。」
グリッチはポケットから冒険者カード取り出し、受付の人に渡した。
受付の人はカードを受け取ると、困惑していた。
「あの、お客様・・・剣士カードはありませんか?」
「え?何ですか?その・・・剣士カードって・・・」
マイナンバーカードみたいなやつ?
「剣士カードをご存知では無いのですか?」
「あ、はい。···出来れば教えてもらえるとありがたいです。」
受付の人は後ろに列が無いことを確認した。
「え〜では、剣士カードと言うのをお教えします。」
「剣士カードとは、簡単に説明しますと、名前と剣士の階級が載っているカードです。」
ほぉ〜、ほんとに簡単だね。
「そんなのがあったんだ。」
「では、一つ聞きますが、お客様の階級は何ですか?」
「あーそうですね。」
これ、本当のこと言っていいのかな?もし言ったら場違いみたいになっちゃうよね。
でもここは正直になろう。
「まだ何級を持っていません、いわゆる初心者です。ほらまだまだピチピチでしょ。」
「それではお引き取りください。」
ご丁寧に言われてしまった。
「ちょっと待ってください。これで何とかなりません?」
グリッチは、ポケットからペンダントを取り出し、受付の人に見せた。
「これは・・・銀士、何処でこれを?」
え、そんなに驚くことなの?
ただの銀色の剣のペンダントだよ。
「これですか?これは・・・」
俺は剣士協会を頑張って探していた。
すると紫色のワームホールからある男が出てきた。
そのある男とは・・・ヘブン・ブローニュだった。
ノコノコと出てきやがったな。この野郎。
「グリッチ、これを渡すの忘れていた。」
ヘブンはスーツの胸ポケットから、銀色の剣の形をしたペンダントを渡してきた。
何これ?これパーキングエリアとかのキーホルダーコーナーで五百円とかで売ってるのよく見る剣じゃん。
「これ何?」
グリッチはそう言いながらペンダントを見ていた。
「言っとくけど俺廃品業者じゃないからね。」
「いや廃品ではないぞ、まあグリッチ、多分お前受付の人に帰らされると思う。だからそんな状況になったらそれを見せろ。なんとかなるから。」
「こんなキーホルダーが···?」
グリッチは信じてない様子だった。
「まあそんな事があってさ。」
受付の人は深刻な表情をしていた。
「少々お時間をいただきます。」
受付の人はそう言い、右耳に付けている連絡用の魔道具を使った。
「こちら、受付ヘミン。ハリン様に繋いでください。」
「ハリン様、銀士を持ってる子供が一級剣士試験を受けたいと言っております。」
「······はい、はい。」
ヘミンは誰かと会話している様だった。
「おそらく、あの男の物だと思われます。」
「はい、はい。」
「いいのですか?」
「・・・はい、わかりました。」
どうやら会話が終わったようだ。
「こちらどうぞ。」
「どうも。」
グリッチは、一級剣士試験のカードを手に入れた。
剣士協会の帰り道。
「これ、そんなにすごいのか?」
グリッチは歩きながら銀士を見た。
グリッチは知らない様だが、銀士はこの世界ではかなりレアで、ヘブンが認めた剣士にしかあげない物だという。
だが何故だろうか?
グリッチを一目見ただけでそのペンダントを渡したのか?




