第三十話 「テロ発生」
グリッチは、街中を歩いていた。
まさか洞窟で出会った奴が、この国の王だなんて・・・
とんでもない巡り合わせだな。
あーそうだった。
今日泊まるとこ探さないと・・・とは言っても言葉わかんねえし宿取れるかな・・・心配だわ。
でもやってみないとわかんないし、とりあえずやってみるか。
まず一件目。
「一泊お願いします。」
「¢££ΦΦ∑∃Φ、∇∆∃∅∏∑∅」
二件目。
「一泊お願いします。」
「ψΖωχΘφυΟΘ」
三件目。
「一泊お願いします。」
「ψΖωΝ£φΡΦυ」
四件目。
「一泊お願いします。」
「Ζ∇∅∃ψ∏∏ωψ∃」
グリッチは、宿屋の外に出た。
うん、わからん。
仕方ない、今日は野宿するか。
グリッチがそんな事を考えていると、突然ブルーガル国の首都を緑色の結界が覆った。
グリッチは空を見た。
あら?空が青じゃなくて緑に変わってる。
祭りだからなんかの演出?
そんなことより、今日野宿する場所探さないと。
ある部屋。
その部屋は、とても豪華な部屋だった。
天井にはシャンデリアが吊るされており、部屋の真ん中には長いソファとテーブルが置いてありその奥には、横に長い机と椅子が置いてあった。
そして、その椅子には紫髪の魔人が座っていた。
「クナシャ様!何者かが街に結界を張っております!」
筋肉質の男の魔人が慌てた様子でそう言った。
クナシャは立ち上がり窓から外を見た。
結界か・・・
しかも僕達魔物には結構面倒な結界。
「アルフ居るか?」
クナシャがそう言うと当然アルフが現れた。
「はいここに。」
「結界の発生源を調べてくれ、あと怪しい奴を見つけたらすぐに報告しろ。」
「御意。」
アルフはそう言うと一瞬でクナシャのもとから消えた。
「バイロン、クレアに警備を今までよりも強化しろと伝えておいてくれ。」
「はっ!」
バイロンはそう言うと部屋から出ていった。
さて、どうしたものか。
あれ?この緑の透明の壁通り抜けれないの?
何だよ、森の中で野宿しようと考えていたのに。
デコピンとかしたら壊れたりしないかな?
グリッチは結界にデコピンした。そしたら結界はデコピンの衝撃でひびが入り割れた。
やべー割っちゃた。まさか割れるとはグリッチは一切思ってもいなかった。
誰も見てないよな、グリッチは辺りを見回した。
グリッチは辺りに魔物が居ないと確認すると、地面に落ちた結界の欠片を拾いパズルのように治していった。
アロン●ルファ欲しいな。
アルフは街中をもの凄い速さで走っていた。
まるで忍者のように。
すると子供が結界付近で、怪しい動きをしていたので伝達水晶を使いすぐにクナシャに伝えた。
クナシャはポケットに入れていた水晶が震えていたのでポケットから水晶を取り出した。
「クナシャ様、怪しい者を発見しました。」
「そうか・・・わかったそのまま監視しといてくれ。」
「御意。」
「魔物の国なんて初めて来た。」
魔物に変装した諜報員の男性がそう言った。
それじゃあ観光でも・・・いや、今はそんな事をしている場合じゃない。まずこの国の情報をゲットしないと。
またあの人に怒られる。あの司令官に・・・
諜報員はしばらく歩いた。
やっぱ魔物の国だから人間一人も居ないな。
ここに来る時、商人とか冒険者は魔物の国の道を避けてたし。
やっぱ魔物の国だし、近寄りたく無いのだろうか?
でもこの国は人間来ても何も危害を加えないと言われているのに・・・
グリッチは結界をパズルの様に治していた。
なんとか治せたけど・・・所々穴が空いている。
さわったら絶対崩れるだろう。
て言うか、なんであの魔物はずっとこち見てんだ?
グリッチを瞬きせず見てる。
怖いんだけど。瞬きしないの?しないタイプ?
するとアルフは瞬きをした。
今したね。瞬きしたね。
もちろんアルフは擬態能力を使用しているが、グリッチに見破られているという事は気づいていない。
するとアルフはグリッチの監視を止め何処かに向かった。
あ、居なくなった。
一体何だったんだ?
とりあえずあんな顔面見たいマンにまた標的にされないように仮面付けとこ。
グリッチは胸ポケットから水色の模様が入っている仮面を取り出し顔に付けた。
久々この仮面付けた。通気性がいいのかめっちゃスースーする。
ブルーガル国首都の観光地ニミッツ時計塔。
この時計塔は高さは六十メートルありエアトリ公園の広場に建っている。
そしてブルーガル国の観光地の中でも五本の指に入るほど有名な観光地である。
観光客は皆こう言う。
「でけー」
そしてその時計塔で事件は起きた。
昼の十二時になったり鐘の音が、街中に響きその瞬間、時計塔は爆発した。
現代風に言うとテロである。
その時、時計塔を見ていた魔物達は、時が止まったように口をぽっかりと開け止まっていた。
上から時計と瓦礫が落ちてくる。
時計塔を見ていた魔物や近くに居た魔物は時が動き出したのか、一斉に逃げた。
だが、皆混乱しており逃げている時他に逃げている魔物にぶつかったり、こけた魔物に気づかず踏んで逃げていた。
時計と瓦礫が近付いてくる。
皆もうだめかと思った、だがそんな事はなかった。
突如逃げ遅れた魔物に青色の防御結界がはられたのである。
そして、落ちてきた時計と瓦礫は防御結界が防いだ。
「ふ〜う、間に合った。誰?こんなところで爆発実験した奴。」
そこには、空を飛んでいる小柄な一人の魔物が居た。
「全く、クレアもう少し警備強化してよね。」
私の仕事が増えちゃうから。
取りあえず、クレアに連絡して、その次にクナシャ様に連絡するか。
そう思い飛んでいる魔物は手から水晶を作り出した。
なんか、この結界が現れてから魔法の調子が悪いな。
そんな事を考えている場合じゃなかった早くクレアに連絡しなきゃ。
すると、飛んでいる魔物はある事を思い出した。
近くの森の中。
「シリルあなた最近警備もしないでサボって。」
「ちゃんと警備してるよ。昨日は上空で怪しい者が居ないか探したし。今日だって上空で怪しい者が居ないか探した。クレアはいつも上見ないから気づかないだけだよ。」
「ゴホン・・・そろそろいいか?」
二人は声が聞こえた方に向くと、そこにはバイロンが立っていた。
「クナシャ様からクレアに伝言だ。警備をもう少し強化しろ。あと異変を見つけたり、事件が起きた場合、真っ先に僕に伝えろと。」
そうだったクレアじゃなくてクナシャ様に伝えないと。
シリルはクナシャに連絡した。
「シリル何かあったか?」
水晶からクナシャの声が聞こえる。
「エアトリ公園のニミッツ時計塔が爆発しました。」
シリルは爆発した時計塔を見ながらそう言った。
「それは本当か!お前の幻覚とか嘘とかじゃないよな?」
「幻覚でも嘘でもないですよ、何なら見に来まか?」
「クナシャ様、時計塔から誰か出てきましたってえぇぇぇぇぇ!!」
シリルは驚いた様子でそう言った。
それもそうだろう、時計塔から何者かが右手に何かを持って出てきたのだから。
「おい、シリル何かあったのか!シリル応答しろ!シリル!シリル!」
「(通信が)切れた。」
一方シリルは。
「あれ?(通信が)切れた。」
シリルがそう言っていると、時計塔から出てきた何者かは時計塔から軽くジャンプし地面に着地した。
そして着地した地面は少しへこんだ。
シリルの横にワームホールができクナシャとバイロンが出てきた。
「大丈夫かシリル!」
シリルはクナシャの方を向いた。
「クナシャ様、私は大丈夫です。」
「私はってことは、誰か負傷者がでたのか?」
「・・・はい。」
シリルはそう言い、横を見た。
クナシャとバイロンも同じ様に横を見るとそこには、血だらけの魔人を持ち黒髪に腰に剣を付けた男が立っていた。
おいおい嘘だろ・・・
その右手に持っているのは・・・
「ブルーノ・・・」
バイロンがぼそっと言った。
「おい、お前・・・俺の部下に何してんだ?」
クナシャは静かな口調でキレれ、とても強烈な覇気(青色)を放った。
「こんなザコがお前の部下か・・・」
意識が無いブルーノを見ながらそう言った。
そう言われるとシリルとバイロンは黒髪の魔物を睨んだ。
「シリル、空間魔法使えるか?」
「使えるけど。」
「そしたら、逃げ遅れた魔物達を安全な場所に転送してくれ。」
「バイロンはカール達を呼んできてくれ。」
「はっ!」
「お前、俺の部下に手を出しておいてただで済むと思うなよ。」
「だったら、掛かって来いよ。」
「このザコ返すから。」
煽るようにそう言い、ブルーノをクナシャに向けて投げた。
「!?」
クナシャはブルーノをキャッチしてシリルに「ブルーノを頼む」と言いシリルに血まみれのブルーノを渡した。
黒髪の魔物は、掛かって来いよとクナシャに挑発した。
クナシャは再び強烈な覇気(青色)を放つと、黒髪の魔物はそれ以上の覇気(緑色)を放った。
そして二つの覇気は衝突し、破裂した。
クナシャは右手から剣を作り出すと、魔剣士の様に魔法を使おうとしたが魔法が使えなかった。
「不思議だろ、魔法が使えないなんて何故だろうな?」
「この結界か。」
「正解。」
そう言うと黒髪の魔人はクナシャに斬り掛かった。
黒髪の魔物の剣は緑色に輝いていた。
クナシャはその攻撃を防ぐと後ろに軽く飛んだ。
クナシャは地面に着地したが勢いが弱まらず地面に剣を差し止めた。
やはりこの結界・・・
「どうしてだろうな、本来S+の魔人がS-の魔人に力負けするなんてな。」
「結界のせいか?」
「そのとうり。この結界は俺に近づけば近付くほどは魔法も使えなくなるし、魔物の能力も下がる。だからお前は俺に近付くほど不利になっていくって訳さ。」
「あのブルーノって奴、面白かった。俺がこう言ってるのに近づいて攻撃して来て、逆に攻撃を受ける。笑いを堪えるの大変だったよ。あのブルーノって奴、ザコだしバカだな。」
「魔法も使えない、近付けば能力が下がり返り討ちにあう。さあ、お前ならどうする?」
それからしばらく経つ。
ワームホールからバイロンが出て来た。
「クナシャ様カール達を呼んできました・・・」
バイロンは言葉を失った。
そこには血まみれで倒れていたシリルと、黒髪の魔人に血まみれで掴まれている意識を無くしたクナシャが居たのだ。
ワームホールからカール達がどうしたんだよって感じで出てくると、その光景を見てカール達も言葉を失った。
黒髪の魔人はクナシャを離すと、クナシャは地面に倒れた。
バイロン達は、時が止まったように固まっていた。
まさか、クナシャが倒されるなんて思ってもいなかったからだ。
黒髪の魔人はバイロン達を見るとバイロン達は戦闘態勢に入った。
すると、横から地図を持った六歳の仮面を付けた子供が黒髪の魔人に向かって歩いていた。
「この地図分かりにくいな。」
「まだ動物園のパンフレットに載ってる地図のほうが分かりやすいよ。」
そこ子供はブルーガル国の首都の地図を見てそう言った。




