第二十九話 「建国記念日」
グリッチは洞窟の中に入った。
洞窟内は、静かで水がポタポタと垂れる音が聞こえた。
洞窟に入って思ったんだけど・・・
この洞窟めちゃくちゃ寒い。
なんとか耐えられるけれども。
なんでこの洞窟こんな寒いんだ?
まあいいやとりあえず先に進もう。
それからというものの、でかいカブトムシに襲われ、でかいクワガタに襲われ、でかい蛇にも襲われたし・・・でもちゃんと全員天に召したよ。
「あー寒。」
「いくら洞窟の奥に行っても、ブルーガル国に着かないんだけど。」
※それはそうでしょうね。
もしかしたら、この洞窟内には無いのかもしれないな、だったらさっさと洞窟出るか。
グリッチが洞窟から出ようと来た道を帰ろうとすると、洞窟の奥から「こんな感じか?いや違うな。」と声が聞こえた。
やっぱ、もっと奥にブルーガル国あんのかな?
※無いです。
グリッチはそう思い声が聞こえた方に向かって歩いた。
紫髪で性別不明の子供が、魔法の練習をしてた。
「はっ!!」
手に紫色の炎が出てくる。
「くっっ・・・!!」
紫色の炎が徐々に青色に変わっている。
「はーあ。」
だが力尽きたのか、途中でやめた。
「どうしたら、綺麗な青色になるのかな。」
そう考えていると、突然、「なにしてんのー?」と六歳の男の子に声をかけられた。
「魔法の練習だよ。」
「魔法?凄ね君まだ子供なのに魔法使えるなんて。」
※グリッチはいつも余計なことを言います。
子供って、君も十分子供だと思うけどね。
「あのさ、ブルーガル国ってこの先であってる?」
「え・・・あってないよ。」
「そうなの、じゃあ何処にあんの?」
「この洞窟を出てしばらく歩いたらあるけど。」
「ありがと。それじゃブルーガル国に出発。」
グリッチはそう言い、来た道を戻って洞窟から出た。
洞窟から出たけど、こっからどうしよ。
あの、紫髪の子はしばらく歩いたらブルーガル国に着くって言ってたけど・・・
グリッチは、考えていた。
まあ、そのうち歩いていれば(ブルーガル国)見つかるでしょ。
グリッチはそう思い歩いた。
やっと、やっと(ブルーガル国の首都に)着いた。
ここにたどり着くまでに、二日掛かった。
ていうか、道複雑すぎ、同じ道五回ぐらい通った。
あと、あの洞窟入口六回ぐらい見たよ。
てか、めちゃくちゃ魔物達が居るな、当たり前か、ところで何かあるのだろうか?
でも初めて魔物の国に来たな、魔物の国って自分的には野蛮な魔物が沢山居るイメージだったけど、そんなことはなく逆に野蛮な魔物は全く居なかった。
あと、めっちゃ治安いい。(日本みたい。)
魔物達は人間が居るのが珍しいのかすれ違いざまにチラチラと顔を見てくる。
お腹すいた、屋台が出てるし屋台で何か買うか。
グリッチはどの屋台でご飯を買うか考えていた。
やっぱり、当たり前だけど国が違えば食べ物も違う、聞いたことのない食べ物ばかりだ。
「自家製ケパプだよ。美味しいよ。」
サイ頭のおじさんが大きな声でそう言った。
「サイ頭のおっさんそれくれ。」
グリッチは、テーブルの上に置いてあった、ケパプを指差した。
だがここで一つ問題が生じる、それはどちらも言葉がわからないという事だ。
「¢£Φ#∃∑∌∅」(銅貨五枚だよ。)
サイのおっさんはかろうじてわかったのだが、グリッチは何を言っているのかわからず、多分このくらいの値段だろうと考え銅貨六枚(六百円)をサイのおっさんに渡した。
そしてサイのおっさんは一枚銅貨(百円)をグリッチに返し。
ケパプをグリッチに渡した。
ケパプはどんな見た目かは簡単に言うと、ケバブと似ている。あと野菜より肉が多め。
グリッチはケパプを貰うと近くの椅子に座りケパプを食べた。
美味い、ケバブみたいな味。
ご飯を食べ終わると、グリッチはブルーガル国の首都を観光した。
噴水を見に行ったり、カラフルな家が並んでいたのでそれを見たり、ブルーガル国の国立競技場を見たりした。
めちゃくちゃ楽しかった、でも言葉はわかんなかったけどね。
そういえばこの国ってギルドあんのかな?
でも観光してる時、そんな建物なかったような気がする。
でも一応、探してみるか。
それからグリッチはブルーガル国にギルドはあるのか探した。
ここギルドじゃない?
グリッチの前には、いかにもここはギルドですって感じの建物が建っていた。
上の看板には何か書いてあったが、グリッチは読めなかった。
ここが、武器屋ということを。
グリッチはでかい扉を開け中に入った、中に入るとたくさんの武器が飾ってあり、奥の方にヤギ頭のこの店の店主が居た。
そしてグリッチの他にもお客さんが居た。
全員魔物だ。人間は一切居なかった。
グリッチは一応飾ってあった武器を見ていたが・・・・文字がわからなかった。
グリッチは青色に輝いている短剣を見ていた。
何てこれ書いてあるの?
多分これいい武器なんだろうけど、言葉がわからない。
これ買いたいけど・・・言葉がわかんないから諦めるか。
グリッチは諦めて外に出ると、なぜか歓声が上がっていた。
グリッチは横を見ると魔物達が道を開け、道の端で跪いていた。
そして奥から紫髪の綺麗な顔立ちの女性が近づいてくる。
あと、ボディーガードだろうか?筋肉質の男の魔人がついている。
「控えよ、クナシャ様の御前であるぞ!」
筋肉質の男の魔人にそう言われたが・・・グリッチには何言ってんのかさっぱりわかんなかった。
あれ?あの人・・・どっかで見たような。
あの紫髪、綺麗な女性の顔立ち、小柄な体・・・
あの洞窟で魔法の練習した奴か!
それにしても様って言われるってことは・・・偉い魔物なのだろうか?
「聞こえていなかったのか?」
「もう一度言うが、控えよ!クナシャ様の御前であるぞ!」
何か言ってんだろうけど、何もわかんねえんだよ。
「どうもこんにちは、できれば人間の言葉だったらわかるんですけど、人間の言葉わかります?」
グリッチがそう言うと、筋肉質の男の魔人は戸惑った、何故なら言葉がわからないからだ。
それはそうだろう、普段人間の言葉なんて喋らないからだ。
筋肉質の男の魔人が戸惑っていると、クナシャがグリッチに喋りかけた。
「やあ確か、洞窟で出会った・・・すまない名前を聞いてもいいか?」
あ、人間の言葉喋る魔物居た。
「俺の名前は、グリッチ・マクベイン、聞きたいけどがあるんだが、いいか?」
「いいけど、その聞きたいことは何だい?」
「お前は何者何だ?様とか言われてるし、偉い魔物だろ?」
「僕は、このブルーガル国の王だよ。」
「王様?ってことはみんなも跪くわけだ。」
「そしてそちらの方は?」
「僕の秘書だよ。」
秘書?あの筋肉マッチョの魔物が?いや見た目で判断しちゃいけない。
「あと、この国はいつもこんな感じに賑わってんのか?」
「今日は、建国記念日だからね、祭りを開いてるのさ。」
だからあんなに魔物居たのか。
「ところでグリッチはなんで僕と話していて戸惑っ てないの?大抵は僕と話す魔物は戸惑っているのに。」
「別に戸惑う様な相手じゃないし。」
※グリッチはたまに失礼な発言をする。
「そうなんだ。」
「というか威厳を感じられない。」
とても失礼である。
「そ、そう。」
クナシャは初めてそんな事を言われたので戸惑った。
司令官と、副司令官が、でかいテントの中で何かを話していた。
「第七騎士団の行進は順調か?」
司令官が言った。
「順調です、あと一日程で合流できるかと。」
「第七騎士団に伝えろ、合流は三日後と。」
「何故ですか?」
「嫌な予感がする、ただそれだけの事だ。」
「ですが予感だけで軍を動かされては困ります。」
「ミシル、お前も知ってるであろう、ブルーガル国は強力な魔人が居ることを。」
「強力な魔人が居たとて、聖なる結界を使えば・・・」
「もし、結界が効かない者が居たらどうする?」
「ですが、バンカブル司令、一万名程いる騎士軍が遅れるともなると・・・」
「電撃戦出来ない・・・そんなの分かっておる。」
「それでは何故・・・」
「・・・うちの皇帝も無理を言うものだ、たった十八万兵でブルーガル国を滅ぼせと。そのような事、無理に決まっておるのに。」
すると、テントの中に偵察兵が入ってきて「第五騎士団到着しました。」とバンカブル達に伝えた。
「第五騎士団に伝えておけ、ゆっくり休めと。」
でかいテントの中。
「はぁ~、めっちゃ疲れた。」
女性騎士が言った。
「ミーヤよただ馬に乗っていただけだろう。どうして疲れる?」
隣に居た男性騎士にそう言われた。
「バランス取ってたら疲れたの。」
「それはお前が、ぶっ飛ばすぜベイベーとか言って、馬で疾走していたからだろ。」
「お前達、騒がしくするのはいいが少し静かにしろ。」
二人にそう言ったのは、第五騎士団の隊長だった。
その人物は白い服を着て髪は赤色で男性だった。




