第二十一話 「モフモフ」
グリッチは朝ご飯を食べていた。
今回は、ハイギョの塩焼き。
「グリッチ様、アーロン様からお手紙を頂いております。」
ソフィはグリッチに手紙を渡した。
アーロンが?何の用だろう?
俺はそう思い手紙を開けた。
手紙には、こう書かれていた。
「今日モフミルクとモフチーズ販売するから、良かったら来てくれ。」
すごいざっくりとした手紙だな。
しかもあの人、文字小さく書くんだ。
なんかフランスのフレンチみたい。
グリッチはアーロンの手紙を読み終わると、手紙を服のポケットに入れ、残っている朝ご飯を食べ始めた。
一方その頃ハリッチ牧場では。
「こんな感じかな。」
アーロンはモフミルクとモフチーズの絵が描かれている看板を立てていた。
次はテーブルを持ってこないと。
「おーい、テーブル持ってきてくれ。」
アーロンは牧場の従業員にそう言った。
グリッチは、街中を歩いていた。
するとまた人だかりがあった。
またあの時みたいに人だかりがある。
やっぱ韓国アイドルでも来てんのかな?
ちょっと覗いてみるか。
グリッチは、人だかりの方に向かって歩いた。
人だかりがある所に着くと、グリッチは頑張って何故人だかりがあるのか知るために人だかりの中心を見ようとした。
ですがグリッチは、背が低くジャンプしても見れませんでした。
背が低いって不便。
仕方がない、ここは諦めよう。
グリッチは、諦めてハリッチ牧場の方に歩いた。
「アグネスは人気者だね。」
黒い服の魔法使いがそう言った。
「好きで人気者になってるわけじゃないよ。」
白い服を着て腰に剣をつけている魔剣士アグネスがそう言った。
「でもすごいよね。Sランクの冒険者になるとこんなに人だかりが起きるなんて。」
重装備の人が手を振りながらそう言った。
「・・・・・・」
仮面をかぶった小柄な人は黙っていた。
すごい行列だな。
数日前なんてこんな行列なかったのに、やっぱり新商品ってなるとみんな来るんだな。
グリッチは、行列の横を歩いていた。
ていうか本当にすげー行列じゃん。
牧場の方に歩いて行ってるけど、結構長いよこの行列。
街まで続いたからね。
それほどモフミルクとモフチーズって凄いのかね。
作ったの俺だけど、そんなにすごいものじゃないと思うけど。
「モフミルク二つください。」
主婦がそう言った。
「銅貨三枚(三百円)です。」
主婦は机の上に銅貨三枚置いた。
そして、牧場の従業員はモフミルクを二つ渡し、主婦人は帰って行った。
次に若い二十一歳ぐらいの女の人が、
「モフチーズを一つください。」
と、言った。
「銀貨一枚と銅貨六枚(千六百円)です。」
めっちゃ繁盛してんじゃん。
グリッチは繁盛具合に驚いた。
「おーいグリッチー」
誰かが俺を呼んでいた。
誰か手を振っている、あれは・・・アーロンだ。
「すごい繁盛だな。」
「お陰様で、グリッチの教えてくれたミルクとチーズで繁盛してるよ。」
「まさかこんな繁盛するとは。」
グリッチが驚いていると。
「グリッチこれやるよ。」
アーロンが、ポケットから袋を取り出しグリッチに渡した。
袋を受け取るとずっしりと重かった。
「これは?」
グリッチが袋を開けると金貨がたくさん入っていた。
ざっと見た感じ、金貨六十枚(六十万)入っていた。
「いいのか?こんなに沢山。」
「こんな牧場を繁盛させてくれたお礼だよ。」
あの時のお礼返ししたのに、お礼返し返しされちゃったよ。
「だったらありがたく受け取っておくよ。」
断ったら失礼だし。
グリッチは、金貨の入った袋をポッケに入れた。
「ああそうだ、グリッチお前を呼んだのはちょっと用があってだな。」
「ちょっと付いて来てほしい。」
「ああ、わかった。」
グリッチ居る街近く森の中。
剣が折れた男性の冒険者は助けを求めていた。
「だ、誰か、誰か助けて。」
冒険者助けを求めたが魔物に潰されてしまった。
その魔物は、赤色のティラノサウルスのような姿をした魔物だった。
周りには冒険者らしき死体が沢山転がっている。
そして、その魔物は周りに死体となって転がっている冒険者を食べた。
とても目がバキバキだった、エナジードリンク一気に十本飲んだぐらいバキバキだった。
グリッチは、牧場の用事が終わり、ギルドに帰るとある噂が流れていた。
フルーツミルク作ったって言って飲んでみてって言われて飲んだけどあのミルク・・・全然フルーツの味しないよ。
「どうもソフィさん。」
ソフィは忙しそうだった。
「どうしたんです?何かあったんですか?」
「冒険者の方が死んでしまったんです。」
ソフィは作業をしながらグリッチに話した。
やっぱり冒険者が死ぬとかあるんだ。
「それは気の毒に。」
「他人事ではありませんよ、もしかしたらグリッチ様も死んでしまうかもしれないのですから。」
ごもっともです。
グリッチはソフィから離れ、近くの椅子に座った。
すると会話が耳に聞こえてきた。
「今回死んだ冒険者達って、Aランク冒険者らしいよ。」
女性冒険者がそう言った。
「そうなのか!?だとしたら俺らBランクは・・・」
男性冒険者がそう言った。
絶対お陀仏だよね。
他にも。
「最近近くの森で沢山のカルカロドンの足跡が発見されたらしぜ。」
男性冒険者そう言った。
「まじかよ・・・カルカロドンって確かB+ランクの魔物だろ。そんなのが街近くの森にゴロゴロ居るなんて恐ろしいな。」
さっきと違う男性冒険者が言った。
どうやら今さっきの話を聞いていたら、この世界の魔物にはランク付けというのがされているらしい。
後でソフィさんに詳しく聞いたのだが、この世界の魔物のランクは十四種類程あるらしい。
一番下が、F−で、一番高いのが、S+だと言う。
やはりどの世界でもランクというものはつけられるのだな。
次の日の朝、街近くの森。
「何だこれは・・・」
Bランク冒険者男性リーダーがそう言った。
後ろでは、手で口を押さえている耳のとがった女性の冒険者や、呆然としている重装備の男性冒険者が立っていた。
三人の冒険者の前には、沢山の動物の死体が転がっていたり木に頭が刺さったり体が刺さっていたりしている。
三人の冒険者は恐怖を覚え、そこから立ち去ろうとしていたが体がピクリとも動かなかった。
それほどグロかったのだろう。
すると横の森からドスンと足音が聞こえ、振り向くとそこには黄色いティラノサウルスの姿をした魔物が口を開けて出てきて、三人の冒険者を食べようとしていた。
一方その頃グリッチさんは・・・
「コン!そっち行くんじゃないよ。」
犬の散歩の依頼を受けていた。
その犬は黒い毛並みをして、大型犬だった。
「おしっこしたいの?」
「ワン!」
「そうなの!?おしっこしたいの!」
「ワン!」
グリッチは考えていた、コンをどこでおしっこさせようか。
電柱ないしな・・・とりあえず裏路地に連れて行こう。
グリッチとコンは裏路地に行き、コンはおしっこをした。
気持ち良さそうに出してんな。
でも足あげなておしっこしないんだ、ということは、コンはメスか?
コンのおしっこが終わると、散歩を再開した。
なんかこんなでかい犬を散歩していると転生前のことを思い出す。
なぜかわかんないけど・・・よほど俺が暇そうに見えたのか隊員のみんなから犬の散歩頼まれたからな。
しかもその犬の散歩・・・ほとんどが大型犬だったし。
そのせいで散歩した犬の前に現れたら散歩と勘違いして飛びついてくるんだよな。
今思うと、いい思い出なのか悪い思い出なのかどっちかわからんな。
でもあのチワワを散歩をしてた時、筋肉マッチョの男の人が小さいワンちゃんを散歩してて周りから見たら結構シュールな絵面だっただろうな。
グリッチは、依頼書を出してくれた人にコンを返した。
「ありがとうね。」
依頼書を出してくれた人は六十八歳ぐらいの女性だった。
そう言って女性は家の扉を閉めた。
大丈夫かなあの人・・・下手したらコンに殺されるよ。




