第一話 「異世界転生」
「いやいやそんなわけないでしょ。」
「そんなわけあるんです。」
「じゃあ聞きたいですけどなんで神様がこんな事をするんですか?」
「いや〜閻魔さんが頼みに来たんですよ。なんかですね、最近お陀仏だぁ〜が多くて天国行きか地獄行きの判断をするのが面倒くさいということで私にも、その判断をして欲しいと、なので今ここに居ます。」
まあそうだよね、閻魔だって仕事めんどくさい時もあるよな、確かに最近お陀仏だぁ~が多いし、閻魔の気持ちよく分かるわ。
「でもさ俺、あなたの目の前で言っちゃいけないんだけど、正直閻魔にその天国行きか地獄行きの判断をして欲しかったな。なんて・・・」
充希は地味に傷つく言葉を神様に放った。
「そうですよね。こんな神より閻魔さんに地獄行きか天国行きか判断してもらった方が良いですよね。」
あれ?言い過ぎたかな、なんかしょんぼりしてる。
「いやいや大丈夫ですよ、俺は別にあなたに天国行きか地獄行きの判断をしてもらっても嬉しいですよ。」
充希は気を使った。
「そうですか?じゃあ、今から天国か地獄の判断しますよ。まあ私的にはあなたに頼み事をしに来たんですけどね。」
「え、そうなの?だったらその頼み事とは?」
いや待て、下手に深掘りしたらめんどくさいことに巻き込まれるかもしれない、でも頼み事とは?って聞いちゃったしなどうしよう。
・・・・・・
でも大丈夫だろう、多分変な頼み事はしないと思うし。だってあんな可愛らしい神様だよ。
あの美女、クレオパトラより可愛いよ。
「いや、それがですね。私は魔王討伐っていうことをしなければいけないんです。」
「はあ。それは大変そうで。」
充希は他人事だと思っていた。
「でも神様なら魔王なんてちょちょいのちょいでしょ?デコピンするぐらいで倒せると思いますけど。」
「そう思いますか?」
「思いますよ。だって神様でしょ。ゴッドだよゴッド。」
「ですけど現実はそう甘くないんです。私は一度魔王討伐をしようとしたんです、ですけど魔王は強大でした。」
「魔王は、全てにおいて一級品でした。攻撃しようとしても全て弾かれ、隙も無かったです。それから力も強くスピードもある。」
「私は見事に返り討ちにあってしまいました。」
神の表情を見るからに確かにその魔王ってのはこの神よりも強いってのは本当らしいな。
「あのその魔王って何の武器使っていましたか?」
「え?あ、確か剣だったはず。」
魔王は剣とか使うのか?いや使うでしょ、でも自分的には魔王は魔法の杖みたいな物持ってるとかだと思ったんだけど。
「話に戻りますが、私はその魔王と戦ってわかったんです。私はその魔王には勝てないということを。」
いや、ちょっと待った。もしかしてこの展開、いやまさかね・・・
「そこで貴方に頼みたいことがあります。」
もしかして・・・
「私の代わりに、魔王のいる異世界へ転生しその魔王を討伐してきてくれませんか?」
ですよね〜〜〜
「でも、天国行きか地獄行きの判断はどうするんですか?」
「わかっています。ですけどこれは貴方にしか頼めないんです。」
なんか詐欺師みたいだな。
「正直な話をすると死んだ者は二つの選択肢に分かれます。」
「一つ目は、一番最初に話した通り天国行き地獄行きの判断。」
「二つ目は、異世界への転生。」
「大体は一つ目に言った天国行きか地獄行きの判断をしてもらう、それが普通です。」
「そして二つ目の異世界の転生はかなり稀に起こります。」
「その条件として、異世界で通用するかどうかが必要となります。」
「ということは俺は、異世界で適用すると判断されたから異世界転生を勧められてんですか?」
「そうですね、あと強いからです。」
強いからかい。
「あの一つ聞きたいんですけど・・・異世界に転生するということは今までの記憶を忘れてしまうんですか?」
「忘れたりはしません。」
そうか、忘れたりしないのか。
「規定にも、反していないのでどうにか、魔王討伐という仕事を受けてくれませんか?」
規定違反じゃないならいいかもしれないが・・・正直に言ったらめんどくさい。
その魔王だがラ●ウだか知らないけどそこら辺の勇者に頼んどけばなんとかなるかなると思うが・・・
・・・・・・
充希は考え込んでいた。
「わかりました。魔王討伐、俺に任せてくれ。」
「ありがとうございます。これで上司・・・」
「今なんか上司って言わなかった?」
「言っておりません。」
「今絶対上司って言ったよね。」
「あのさ、もしかしてたけど・・・その魔王討伐っていう仕事を出来なかったら君は上司に怒られるの?」
「・・・はい、そうです。」
そうなのか・・・どこの世界の上司も無理難題を押し付けてくるんだな、大変そうだな神様も。
「それでは異世界転生の手続きを進めたいと思います。」
そうすると神様は数枚紙を持ってきた。
「こちらは異世界転生の時に特典として特殊能力が一つ選べるんです。」
何それ。
そして充希は、神様が持ってきた紙を見ていた。
「それではごゆっくりお選びください。」
充希は椅子に座りながらどれがいいのか選んでいた。
それにしてもすごいな、いろんな能力ある。再生能力とか、デッ●プールみたいじゃん。
あ、時間の能力ともある。本当いろんな能力あるな、どれにしようかな、まあ正直な話別に俺特殊能力要らないんだよな。
記憶もそのまま残ってるって事だったら剣術の記憶も残っていると思うし、特殊部隊員の時の知識を活かせばまあなんとかなんじゃね。
しばらくして神様が帰ってきた。
「神様俺は特典として特殊能力一つ貰える自分はすごくいいなと思いました。ですけど、自分は特殊能力なんて要りません。」
「それはなぜですか?」
「記憶がそのまま残ってるって言ってたんで、まあ、なんとかなんじゃねえかと思ってですかね。」
「そうですか・・・わかりました。それではそこの魔法陣に立っていてください。」
充希は横を見るとそこには魔法陣が現れていた。
魔法陣なんで見るの初めてだ、いや初めてじゃないな、数回見たことあったわ。
詳しくは言えないけど、オーストリアとかでよく見かけます。
「それでは異世界転生を始めます。」
そうすると魔法陣は、激しく光り出した。
充希は、すげえと思いながら魔法陣の中にいた。
異世界転生かワクワクしてきた、そう充希が興奮していると、一気に辺りが眩しい光に包まれた。
「魔王討伐、頼みましたよ。」
「$%#&¢£€¤¶∂$€¤」
「なんて言ってんだ?」
「¶∂£$ω#€%&#$∂¶€¤」
「全くわからない。」
この姿は、ああ
充希は自分の姿を見ると赤ちゃんの姿をしていた。
俺は異世界に転生したのか。
知らない男性に持ち上げられる。
誰だ?この男、
そして横には知らない女性。
だけど二人はとも笑顔だ。
もしかしたら俺はこの二人の子供か?
「#$∂¶¢€£%&#」
やっぱ何を言ってるかわからない。
赤ちゃんってこんな気持ちだったのか・・・
あれから一年が経った。
ある程度言語は習得したが、まだまだわからない言葉が山程ある。
どうやらこの世界への俺の名前は、
「グリッジ・マクベイン」
と言うらしい。
父親の名前は、「アルバート・マクベイン」
母親の名前は、「アリス・マクベイン」
「おはようございます。」
「おう、おはようグリッジ。」
筋肉質で髪が青色、これが俺のお父さん。思っちゃいけないんだろうけどめっちゃバカっぽい。
「あら起きたの、おはよう、グリッチ。」
幸せ太りだろうか?少し太っていて髪が赤色、これが俺のお母さん。めちゃくちゃ優しい。
「どうしたのグリッチ?お母さんの顔に何かついてる?」
あ、しまった。俺はつい人の顔と手を見てしまう癖があったんだった、この癖はいつか直したいな。
「ちょっと外で遊んでくる。」
「あまり遠くに行っては駄目よ。」
「わかった。」
外では鳥が鳴いていた。
やっぱり外は落ち着くな。
それにしてもいい景色だ。
家からは一面に畑が広がっている景色が見える。
今日は何をしようかな?
・・・そうだ虫取りでもするか。
この世界の虫は俺の知ってる虫とはだいぶ違う、まあそんなの当たり前だろうけど。
この虫初めて見るな、なんかカブトムシとアリを合体させたみたいな虫みたい。
捕まえてみると体は硬く、足は六本生えており、大きさはピンポン玉程の大きさだった。
そうやって外で遊んでいると
「グリッチ朝ご飯出来たわよ、早く帰ってきなさーい。」
アリスがグリッチを呼んだ。
お母さんが呼んでいる急いで(家に)帰らないと。
家に帰ると、テーブルの上には野菜スープとパンが三人分並んで置いてあった。
とても美味しそうだ。
そう思いながら充希は洋風の椅子に座った。
「いただきます。」
とグリッチは手を合わせて言い朝ごはんは食べた。
いつも思うがお母さんのご飯は美味しいな。
お父さんはいつも朝ご飯を食べ終わると畑作業に出かける。
聞いたところによるとお父さんの畑にはいろんな植物が植えてあるらしい。
トマトみたいなやつや、小麦みたいなやつが植えてあるらしい。
俺は、朝ご飯を食い終わったら遊んでる。
遊びと言っても、本を読んだり、積み木で遊んだり、外で走り回ったり、虫取りなどをしている。
そして今日は、外で走り回っていた。
だけど、家の庭から出てはいけないからめちゃくちゃすぐ飽きる。
そして飽きたら虫取りをする。
虫取りと言っても、虫を捕まえての観察とかだ。
そしてたまに食べたして・・・「やめなさい!!」とお母さんに止められる。
グリッチは家に帰り二階の自分の部屋に向かった。
グリッチは自分の部屋に向かうと、洋風な椅子に座った。
グリッチの部屋には洋風な机と、洋風の椅子、洋風なタンス、洋風のベッドが置いてあった。
「・・・・・・」
「暇だな。走り回っても家の庭は狭いし、家の中で走ったら怒られるし、虫取りしても同じ虫しか居なくてすぐに飽きるし、本と言っても全然面白くないし、積み木も全然楽しくない。」
「何か面白いことないかな。」
そしてグリッチはベッドに寝転んだ。
それから一年が経った。
だがいつも通り暇なことは変わりはなかった。
朝ごはんを食べてる時。
「そういえばグリッチは、将来何したいか考えてるいか?」とアルバートから聞かれた。
「将来はまだ決めてないかな。」
「そうか、人生はまだ長いんだじっくり考えた方がいいぞ。」
グリッチは朝ごはんを食べた後、特別にお父さんの仕事に付いて行ってもいい事になった。
「グリッチ、ここがお父さんの職場だぞ。」
ここがお父さん職場か。マジで田舎の畑って感じ。
あと見たことない景色もちらほらある。
あと見たことない虫もいる。
「グリッチ、ここでおとなしくしとけよ。」
グリッチは切り株にの上に座りながら、お父さんの仕事を見ていた。でもずっと見てると飽きてくるものだ。
昼になる。
「グリッチ、昼メシでも食うか。」
昼ご飯を食べていると・・・
「グリッチ、お母さんをどう思う?」
「どう思う?って言われても、何でお母さんは、綺麗で真面目なのになんでお父さんと結婚したんだろう?って思ってる。」
「そうか・・・」
アルバートは何かを考えている様だった。
「でもいつか、グリッチも愛人ができるかもしれないぞ。」
愛人ねぇ。
「それじゃあ、お父さんは仕事に戻るからちゃんとおとなしくしとくんだぞ。」
「はーい、わかった。」
お父さんの仕事が終わった。
「グリッチ、家に帰るぞ」
「はーい。」
そして家に帰った。
「二人ともおかえりなさい。」
「ただいま。」
「お母さんただいま。」
「もう夜ご飯出来てるわよ。二人とも手洗ってきて。」
「はーい。」
グリッチは洗面台で手を洗って椅子に座った。
「いただきます。」
充希は手を合してそう言った。
「グリッチ、お父さんの仕事どんな感じだった?」
「ん?楽しそうだったよ。」
そう言って充希は黙々と夜ご飯を食べた。
夜ご飯を食べ終わったら水浴びをした。
水浴びと言っても冷たい水じゃない、暖かい水だ。
じゃないと風邪を引くからな。
グリッチは水浴びを終えると自分の部屋に戻った。
最近夜になったら、親がいる部屋が騒がしくなる。
どの様にかわ詳しくは言えないけど・・・
もしからしたら俺に妹か弟ができるかもしれません。
それから二ヶ月が経った。
「グリッチ、大事な話があります。」
一体何だろう?
「あなたに、妹が弟ができます。」
「え!!」
グリッチは驚いた。
「お母さん本当?」
「本当よ。」
グリッチは嬉しい気持ちでいっぱいだった。
それは何故か、それはついにグリッチにも妹が弟が出来るのだから。