第十八話 「慣れは怖い」
この遺跡めっちゃ変な奴沢山居るよ。
馬鹿速い亀は居るわ、ブリッジ女は居るわ、まったく変な遺跡だよ。
絶対まだまだ変な奴出てくるよ。
グリッチは、そう思いながら遺跡内を歩いていた。
「それで、侵入者の様子は?」
ヒゲの生えた筋肉質の男が椅子に座りながらそう言った。
「以前変わりはありません。あと少しずつですが、こちらに近づいてきています。」
ボンキュボンのお姉さんが言った。
「そうか・・・あの二人を向かわせろ。」
「もし必要だったら殺しても構わん。」
そういえば、あの亀どこ行ったんだろう?あんなスピードで走ったからどっかに激突して死んでるかもな。
グリッチは、のんきにそんなことを思いがら歩いていた。
何でかわかんないけど、今遠足してる気分。
「ふんふふんふふん〜」
グリッチは、鼻歌を歌っていた。
俺のんきに鼻歌歌ってるけど、普通だったらこんなん出来ないよな。
慣れって怖いわ。
あー退屈だ。ずっと同じ景色だし、お話できる相手も居ないし。もういっそのこと、この遺跡破壊しようかな。
あれ?あそこに誰かいる。
何故だろうか?仁王立ちしてる。
もしかしたら置物かもしれないからスルーしよ。
近づいてよく見てみるとこの置物、猫の耳が生えてんじゃん。
あと性別は女だろうな。
あとご立派な灰色のしっぽも生えている。
まるで、フィギュアみたい。
グリッチは、その置物をスルーすると呼び止められた。
「おいお前、なぜスルーした。」
置物が喋った!
グリッチは少し驚いた。
「なぜって・・・置物だと思ったからだよ。ていうか、何で君はこんな所にいんの?」
「もしかして迷子?だとしたら一緒だね。」
よく喋るガキだな。
「お前に、忠告しに来たんだよ。」
「俺に?」
「ここから先は、立ち入らないこと、ただそれだけだ。」
「それは出来ねえな。」
「それは何故だ?」
「俺の勘が、ここから先に出口があると言ってるからだ。」
「勘って。」
「そんじゃ、さいなら。」
グリッチは、忠告を無視して進んだ。
その瞬間、グリッチの首元に刃物が向けられた。
「そこから一歩でも進んでみろ、お前を殺す。」
「そういやあ、名前聞いてなかったな。お前名前何て言うんだ?」
「普通この状況で名前聞くか?」
そうなんだよ、この状況で名前とか聞かないんだよ、どうしてだろう?こういう場面をたくさん経験してるから慣れてるんだろうな、全く慣れって怖いわ。
「まあいい、私の名前は、ヘレナよ。」
「それじゃあヘレナ、一つ聞いていいか。」
「この先に何がある?」
「・・・・・・」
「そんな簡単に教えてくれないか・・・」
「俺も手荒な真似はしたくないんだ、ヘレナ、その刃物を降ろしてくれないか。」
「それは無理だ。」
「そうか・・・」
グリッチは、一歩前に進んだ。
「一歩でも進んだら殺すと言ったぞ!」
ヘレナは、グリッチに刃物を刺そうとした。
消えた!?
トントン。
グリッチは、ヘレナの肩を軽く叩いた。
ヘレナが振り向くと、グリッチはヘレナの頭を軽く殴った。
ヘレナは吹き飛び壁に激突した。
ドカン!と遺跡内に音が響く。
ヘレナの口から血が少し出ている。
気絶させるか。
グリッチは、軽く拳を握りヘレナを殴ろうとした。
すると突然横から、グリッチの頭めがけて刃物が飛んできた。
だかグリッチは、それをわかっていたように避けた。
ヘレナは驚いていた、どうして避けれたんだと。
「大丈夫かヘレナ!!」
横から大声を出した何者かが近付いてくる。
「クレラ!」
「ヘレナの仲間か?」
そのクレラは、猫の耳が生え、赤色のしっぽが生えていた。あと性別は女だろう。
「おのれヘレナをこんな目に、絶対に許さない!」
クレラは、そう言うとグリッチに斬り掛かった。
手荒な真似はしたくないんだが、仕方ないな。
グリッチはクレラの攻撃を避け、首元を蹴った。
その瞬間クレラは、膝から崩れ落ち気絶した。
「クレラ!!」
「次は・・・」
グリッチはヘレナを見た。
ヘレナは怯えていた。
グリッチは、拳を握りヘレナを殴ろうとしたその瞬間、暗闇の中から知らない人が出てきた。
だ、誰?
「お前は誰だ?」
グリッチがそう聞くと、その暗闇から出てきた人は。
「我はこの遺跡の管理者、アドルフ・ウィンターズである。」
「早速だがお前に聞いたいことがある。」
アドルフがそう言うと、アドルフが赤色の覇気を放った。
「お前は何故こんな所に来たのだ?」
アドルフ様の覇気いつ見ても凄まじい。
ヘレナはそう思った。
この覇気を食らえば、さすがのあいつもただでは済まないだろ。
・・・・って
平然と立ってるし!!
ヘレナは驚いた。
「そんなバカな!アドルフ様の覇気を食らって無事なんて。」
「あ、覇気出してたの?全然気づかなかった。」
「ゴホン。」
「話を戻すが、お前は何故こんな所に来たのだ?の」
俺は、なぜこんなとこに来たのか説明をした。
・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・
「ってのがあったわけよ。」
「そんなことが。こちらの早とちりやったようだ。許してくれ。」
「別にいいけど、出口知らない?」
「出口か・・・」
「付いて来るといい、案内しよう。」
あの亀みたいにめっちゃ速いスピードで案内するとかじゃないよな。
「二人は、休んでおけ。」
「ありがたきお言葉。」
グリッチは、アドルフに付いて行った。
「そういえば、あの時早とちりとか言ってたけど、何かあったのか?」
「ああ、最近は武装した人間がたくさん遺跡を訪れるんだ。」
それ多分冒険者。
「ただ訪れるんだけだったらいいんだが、たまに魔王軍と名乗る者が現れてこの遺跡をめちゃくちゃに荒らすのだ。」
「この前、部下が二人やられてしまってな。」
「それは気の毒に。」
ちょっと待って、今魔王軍なんたらかんたら言ってたな。
「アドルフは、魔王軍を知ってるのか?」
「もちろん知っている。」
「どんなやつらなんだ?その魔王軍って。」
「オブラートに包んで言えば。」
言えば?
「どうしようもない、今すぐ死んで欲しいクソ野郎達だ!」
アドルフさん、全然オブラートに包めてないよ。
「そうか。」
「でもなんで俺を警戒してたんだ?まだ子供なのに。」
「そのオーラを見れば誰だって警戒する。」
「オーラ?」
「お前、気づいてないのか?かなり強いオーラを出しているぞ。」
グリッチは虹色のオーラをまとっていた。
「しかも虹色とは、珍しいのう。」
虹色のオーラ?俺にはさっぱりわからん。
「そんなに珍しいのか?虹色のオーラは。」
「珍しいに決まっておる、虹色のオーラなど伝説でしか語られておらん。」
伝説?そんなんあんだ。
「ほら着いたぞ。」
「いや、着いたってどこにも扉無いじゃん。」
グリッチは、困惑していた。
「扉?そんなものは使わぬぞ。」
「じゃあ何使って外出るの?」
「魔法陣だ。」
魔法陣とかあんの?この世界、いや、魔法もあるし魔法陣ぐらいあるか。
「グリッチよ、魔法陣の中に立ってくれ。」
「わかった。」
グリッチは、魔法陣の中に入り立っていた。
「さらばだグリッチ、またどこかで会おうぞ。」
「テレポーテーション。」(空間魔法)
グリッチは光に包まれ、気づいたら遺跡の外に出ていた。
「あー久しぶりの外だー」
「めっちゃ太陽眩しい。」
ていうか、こんな遺跡に魔王軍が来るとか、もしかしたらこの遺跡実はすげえんじゃね?
あと虹色のオーラが出てるって言われたけど・・・
グリッチはオーラが出ているか確認した。
やっぱり俺にはわからん。
それからギルドに戻り、遺跡調査の報告をした、そしてお金を貰った。
銀貨三枚(日本円で三千円)
初めてこの世界でお金稼いだ。
初月給を思い出す。
「あと、冒険者ポイント一つ贈呈します。」
冒険者ポイント?
楽●ポイントみたいなもんか?
※違います。
「あの冒険者ポイントって何ですか?」
「冒険者ポイントとは、冒険者ランクを上げるために必要なものです。」
「グリッチ様でしたら、あと九十九ポイントでEランクに上がることができます。」
・・・まるでゲームみたいだ。




