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特殊で愉快な異世界生活  作者: レキシン
第1章 異世界への転生
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第十四話 「絵本」

 「百三十六、百三十七、百三十八。」

 グリッチは、腕立て伏せを余裕そうな顔をしていた。

 

 「五百!」


 「ふぅ〜、疲れた。」

 「転生前、これの三倍やっていたと思うと、俺すげーな。」

 


 

 バチバチと音をたてて、かまどの中の木が燃えている。

 「このぐらいかな?」

 ダニエルは、クッキーを作っていた。

 かまどからクッキーを取り出し、近くのテーブルの上にクッキーを置いた。


 「大分いい感じに出来た。グリッチ喜んでくれるかな。」

 

 「ダニエルが料理するなんて珍しい、誰か好きな人でも出来たの?」

 ダニエルのお母さんがそう言うと、ダニエルは、

 「違うよ!たまたま料理したかっただけだよ!」

 と、ダニエルは頬を赤くしながらそう言った。

 「ホントかな〜」

 

 

 グリッチは両手を組みながら悩んでいた、何故悩んでいたかというと、最近彫刻が上手く出来ないからだ。

 「どうしてだ、どうしてホームセンターにあるような置物しか作れねえんだ。」

 机の上には、さまざまな彫刻が並んでいる。

 「何回やってもホームセンターにあるような置物を作ってしまう・・・俺はフィギュアみたいな物を作りたいんだ。こんなホームセンターにあるような置物を作りたくはない。」

 グリッチは上を向いてどうすればいいか考えた。

 「一回外に出て、散歩しながら考えるか。」

 



 外は晴れて鳥達が鳴いていた。

 まいど思うけど田舎の景色だな。

 こんな平和な景色がいつまでも続いてくれたらいいな。

 

 すると後ろから誰かの声が聞こえた。

 「グリッチー!」

 ダニエルが何かを持って、元気にグリッチの方へ走ってくる。

 「どうしたよダニエル、そんなに急いで。」

 「これグリッチにプレゼントしたくて。」

 ダニエルは袋を渡した。

 「ありがとう、これ今開けていい?」

 「いいよ、開けてみて。」

 さて何が入ってるかな。

 グリッチは袋を開け、袋の中身を確認した。

 

 「クッキー!嬉しいな。食べてみてもいい?」

 「いいよ、食べてみて。」

 グリッチは袋からクッキーを取り出し食べた。

 「美味しい!」

 「嬉しい!頑張って作ったかいがあったよ。」

 ダニエルは笑顔で嬉しそうにそう言い。

 グリッチはダニエルの笑顔を見た瞬間胸がドキッとした。

 なんだこの感情は・・・胸がドキドキする。


 「グリッチ、ぼーとしてるけど大丈夫?」

 「ああ、大丈夫、大丈夫。」

 

 「そういえばグリッチは何でこんな所を歩いていたの?」

 「気分転換に歩いてただけだよ。」

 「そうなんだ。」

 



 「ほらそんなところに乗らないの。」

 エディーはテーブルの上に乗って遊んでいた。

 「お行儀の悪い。」

 アリスは、エディーを抱っこし、テーブルから降ろした。

 「全く世話のやける子だわ。」

 「お母さんこれ。」

 エディーがそう言うとポケットから虫のおもちゃを取り出し、アリスに見せ、アリスは悲鳴を上げた。

 

 「なんか悲鳴が聞こえたけど、何かあったの?」

 グリッチが散歩から帰ってきた。

 グリッチはエディーを見て、何が起こっていたのか考えた。

 エディー絶対その虫のおもちゃお母さんに見せたんだろうな、じゃないとお母さんあんな悲鳴あげないもん。


 「エディーな、あまりお母さんの嫌いな物を見せちゃいけないぞ。」

 「たまにはいいけどね。」

 たまにはいいんだ。

 とエディーは思った。

 「お母さんは何で、おもちゃでもそんなに悲鳴をあげるんですか?」

 「おもちゃでも嫌な物は嫌なの!」

 でもまあおもちゃでも悲鳴を上げる人、転生前の世界に居たしな。

 「エディーもほどほどにしろよ。お母さん怒ると怖いからな。」

 怒鳴られたらだけどね。 

 グリッチはそう言い、自分の部屋に戻り椅子に座った。

 


 それにしてもあのドキドキした感情は何だったのだ?

 もしかしてあれが恋というものなのか?

 だったら俺はダニエルに恋しているのか。

 でも、恋と言ってもしたことないからわからないな。

 でもあのドキドキは・・・

 ダニエルの笑顔の顔が頭をよぎる。


 あまり考えすぎないようにしよう。 

 

 気分転換に本でも読むか。

 グリッチはそう思うと本棚に向かった。

 でもまあ本棚の中にあるのはほとんど絵本とかなんだけどね。


 柿太郎っての面白そうだな、読んでみるか。

 グリッチは、絵本を手に取り椅子に座った。

 


 昔、昔あるところに柿太郎が居ました。

 柿太郎は村に悪さをする鬼達を退治することを決めました。

 「桃太郎みたいじゃん。」

 そして、柿太郎は鬼たちの巣窟・・・鬼ヶ島に行こうとしました。

 ということで仲間を集めなければいけません。ですが、柿太郎には人望がありません。ですが、柿太郎にはおばあちゃんがくれたきびだんごがあります。

 そしてなんやかんやありまして鬼退治をする仲間を集めました。

 柿太郎は、猿、犬、鳥、熊、虎、サメの六種類の動物たちを仲間にしました。

 「どえらい仲間だな。」

 そして柿太郎と猿、犬、鳥、熊、虎、サメは鬼ヶ島に向かいました。

 鬼ヶ島に着くと立派な門があり柿太郎が、「すいません、誰か居ますか。」と叫びました。

 すると奥から赤色の鬼が出てきて、「何の用だ。」と言いました。

 すると柿太郎は、「鬼退治をしにきました。」と言いました。

 そしてなんやかんやありまして、鬼と戦うことになりました。


 柿太郎は鬼を斬り、猿は鬼を引っ掻き、犬は鬼に噛みつき、鳥は鬼を空まで連れて行って落としました。熊は鬼を食べていました。虎は鬼を食べていました。サメはピチピチと地面を跳ねていました。

 「鳥が一番悪質でサメが一番何もしてないじゃん。」

 見事鬼退治を果たした柿太郎たちは現地解散してそれぞれの家に帰って行きました。

 めでたしめでたし。

 

 この世界の絵本の内容、結構面白いな。

 すると・・・

 「グリッチ、エディー夜ご飯出来たわよー!早く降りてきて。」

 

 「夜ご飯、夜ご飯。」

 グリッチはウキウキ気分で下に降りた。

 下に降りたらエディーとアルバートが椅子に座ってグリッチを待っている。

 グリッチは椅子に座り「いただきます。」と言って夜ご飯を食べた。

 

 グリッチは、夜ご飯を食べ終わると自分の部屋に帰りベットに横になりダニエルの事を考えていた。

 はっ!まさか無意識にダニエルの事をを考えているとは・・・もしかして俺・・・ダニエルに恋をしているかもしれないな。




 それから一年が経った。

 

 グリッチはダニエルの魔法の練習を手伝っていた。

 「ウォーターボール。」(九階級攻撃魔法)

 ダニエルがそう呪文を唱えると、水のボールがグリッチの方に向かって飛んで行った。

 そしてグリッチは、飛んできた水のボールを真っ二つに斬った。

 「グリッチ威力どのくらいだったー?」

 「前よりは強くなってるー」

 



 グリッチとダニエルは丘の上で休んでいた。

 「グリッチはさ、好きな人とかいるの?」

 「好きな人は・・・居るよ。」

 グリッチがそう言うとダニエルは、素早く顔をグリッチに向けた。

 「誰、誰?」

 

 「ダニエルかな。」

 グリッチがそう言うとダニエルはまさか自分とは思っておらず、驚いた様子で顔が赤くなった。

 「な〜んてね。」

 

 「僕は、グリッチことが好き。」

 ダニエルは恥ずかしそうに言った。

 グリッチは驚いた。

 まさか両思いとは思っていなかったからだ。


 グリッチは戸惑っていた、ダニエルになんて言えばいいのか分からないからだ。

 でも今なら、告白できるかもしれない。

 グリッチは、覚悟を決めた。


 「ダニエル大事な話があるんだ。」

 「いつも君と居ると僕は幸せな気持ちでいっぱいだった。」

 「僕は、こうゆうのどう言ったらいいのか分からないけど、これだけは言える。」

 「ダニエル、僕と、付き合ってください。」

 

 「はい、喜んで。」

 ダニエルは嬉し泣きながら笑顔でそう答えた。


 「うわぁぁぁぁ。」

 ダニエルはグリッチに抱きつき泣いた。

 そしてグリッチは、ダニエルの頭を優しく撫でた。  

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