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ユニーククラス戦乙女を獲得したのはいいのだが、その影響で美少女になったようだ  作者: 三毛猫みゃー


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第98話 クリスマスイヴのナイトプール

「はーっはっはっはっは、ついに私の時代が来たー」


 水着姿で一生懸命胸をそらす少女が一人高笑いをしている。ただ残念ながら誰も夏からどれほど変化したのかはわかっていない。


「リン、止めなくていいの?」

「あー、うん、どうしろと?」

「本人が満足しているのならそれで良いのではありませんか?」


 リンネとしては本人が良ければ良いのでは? と思っている。一方のリンネたちも全員が水着姿になっている。今は真冬の十二月だというのに水着姿である。


 そんな水着姿のリンネたちなのだが、全員が夏とは違う水着を着ている。若干一名のようにサイズが変わったという理由ではなく、原初ダンジョンに潜るに際して夏に体験した水着対応の階層と遭遇したからだ。


 あの時に着ていた水着は普通の素材で作られた普通の水着であった、ただダンジョンの特性のおかげか謎の防御力を発揮していた事で事なきを得たと言った所だろう。なら水着に適したダンジョンの素材で作った水着ならどうなるかという話になり情報を集めた所、普通の水着よりも数段戦いやすくなるという話が手に入った。


 そういった理由で今後のことも考え手持ちの水着に適した素材を使い新調することになった。そして今それぞれが着ている水着がそれである。おわかりだと思うが一人高笑いをしているレイネは水着を新調する際にサイズを細かく図って作っている。


 ただ他の面々は既存のサイズに沿って作っているので、仮にサイズアップしていても気がつくことはない。ちなみにレイネと双璧を担っていてはずのナルミだが特に悔しがったりなどという行動を起こしていない上に何処か余裕がうかがえる。何があったのかは察せられると思うが、他の面々は不毛な争い程度にしか思っていない。


 今回新たに作った水着はダンジョンで他のパーティーと会うことも考えて、際どいものはない。大体がワンピースタイプを着ているて、中にはビキニタイプを着ている者もいるが、ダンジョンで着用するときは邪魔にならないようにパレオを着けていたり胸元もわかりにくいようにフレアを着込むようにしている。


「レイネは放っておいて準備運動が済んだらプールを楽しもうか」

「「「はーい」」」


 一年生組の三人が元気よく返事をして準備運動を初めている。今リンネたちがいる場所は駅前にあるホテルの最上階である。夏などはホテルの利用客が夜も昼も関係なしに利用する場所だが、クリスマスイヴということもあり一つ下の階にあるスイートルームと共に予約を取りプールに関し絵は貸し切りにしている。


 周りにこのホテルよりも高いビルはないために、プールの四方を天井はガラス張りになっていて長めもよく、冬の星空が見ることが出来るという最高のロケーションになっている。


 室温に関しても冷暖房完備なうえにプールの水温も変えることが出来、今となってはほとんど見かけることのない流れるプールになっている。この屋上フロアがほぼ全てプールになっている事からどれくらいの広さがあるのかは想像できるだろう。


 サービスによりこの場所で食事なども出来るようになっている。ただしここにいるのは未成年だけのためにお酒はでてこない。それぞれが好きにプールで泳いだり、備え付けられているデッキチェアに寝転び夜景を楽しんでいる。


 この場にはワルキューレのカリン、スズネ、サラ、リィン、そしてブリュンヒルドのサラもいて、全員が水着姿をしている。そんな彼女たちはテーブルに用意されていた果物を食べている。


 正確には果物は減っておらず、そのデータを味覚として取り入れるという芸当をしていた。なぜそんな事が可能なのかというといつものごとくリオンにより新しい機能が追加されたアクセサリーのおかげだ。


「こういう味がするのですね」

「甘いけど少しすっぱい?」


 スズネとサラが映像化されたマスカットを抱きかかえるように食べている。リンネたちのμαにはスズネが手に持ちそれを食べる度に減っていく様が映し出されるという手の混みようである。正直ここまでする必要があるのか疑問であるが、そこはリオンのこだわりと言ったところだろう。


「ボクはこれが好きかな」

「少しイガイガしますわ」


 カリンはカットされたメロンにかぶりついている。流石にメロンは手に持つことができないのでいくら食べても実物が減ることはない。一方のリィンはパイナップルを食べているがまだ少し酸味が残っていたようで、顔をしかめている。そんなスズネたちを眺めながらリンネはマスカットを一つつまみ口へと運んだ。


「リン、こっちこっち」


 レイネがリンネの腕を引き、その腕を胸元に抱き込むように引っ張り上げる。


「お、おい急に引っ張るなよ」


 どこかドヤ顔を決めて何かをアピールしようとしているようなのをリンネは察しているが、特に腕には相変わらず何も感じないので気が付かないふりをしていどうする。移動した先には皆が窓から少し離れた場所に集まっている。


「みんなそんな所で何をしてるんだ?」

「今からね花火が始まる予定なんだよ」

「こんな日に花火?」


 リンネは置いてある椅子にレイネと並んで座る。先に用意していたのかリンネの前にあるテーブルには飲み物が用意されていた。


「おいなんでストローが四つ入ってるんだよ?」

「言わなくてもわかるでしょ」


 気がつけばアカリとミレイもテーブルのすぐ杣に着て椅子に座っている。

 ここで拒絶するのは色々と悪手であるのを理解したリンネは苦笑を浮かべながらストローに口をつける。それに合わせてレイネとアカリとミレイも同時にストローに口をつける。


 リンネがそれぞれの顔を見ながら少しストローを吸い上げた所でレイネたちの顔が赤や青に染まる。


「あっ花火!」


 ストローから口を離して窓の外を見ると、リンネたちの視界には無数の花火が夜空に咲いているのが見えた。

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