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ユニーククラス戦乙女を獲得したのはいいのだが、その影響で美少女になったようだ  作者: 三毛猫みゃー


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第93話 原初ダンジョンへ

「お待たせしましたリオンさん」


 集合場所にやっとの思いで辿り着いたリンネたちは、既に到着していたリオンと合流を果たした。


「いや大して待ってはいないよ、それにしてもダンジョンにはまだ入ってないだろうね? なんだか既に満身創痍に見えるのだが」


「ダンジョンにはまだ潜っていませんが、なんだか今日は疲れました」


「ふむ、もしかしてルビィにでも遭遇したかね」


「どうしてそれをっ」


 リンネはなぜわかったのかと驚いて目を見開いた。


「本当に彼女と遭遇したのだね。まあ、悪いやつではないのであまり嫌わないでやってほしいな」


 一部の人はリオンの言葉を聞いて、彼女ってやっぱり女性だったんだと思ったとか思わなかったとか。


「リオンさんはルビィさんとお知り合いなのですか?」


 リンネの質問に、不思議なものを見るような目をしてから、そうかも知れないなと口の中でつぶやいた後にリンネに答える。


「ん? 君たちの世代じゃ知らなくても不思議じゃないか、ルビィは私やゲンタのパーティーメンバーの一人だったのだよ」


「「「えっ……」」」


「そんなに驚かなくてもいいだろうに、彼女は本当に優秀な回復役だったのだよ、彼女に救われたことは一度や二度じゃないのだよ」


「アークビショップでしたか」


「最終的にはそうだったね、ただ彼女と出会ったときは、そうだね今のミレイくんくらいの体型だったのだよ」


 一斉に視線がミレイに向く。今のミレイの体型から、どこをどうしたらあんな体型になるのかと疑問が耐えない。


「そんなに見つめられると恥ずかしいですわ」


 どこかすっとぼけた返答をするミレイ。ただ、皆の頭の中では現在進行系で、筋肉ダルマとなった肉体の上にミレイの頭が乗っているという、見るも無惨な姿が思い浮かんでいたのは言うまでもないだろう。


「ミレイ、お願いだからいつまでも今のミレイでいてくれよな」


 リンネがミレイの肩に手をおいてそう言った。


「はぁ、わたくしはわたくしですわよ?」


 なんだか今日のミレイはレイネばりのポンコツになっているようだ。


「さてと、リオンさんの話も気になるけど、そろそろダンジョンへ潜ろうか」


「そうだね、うん、気を取り直していこう」


 リンネたちはダンジョンへの入場待ちをしながら、改めてリオンに原初ダンジョンについての話を聞いている。


「事前に予習は済んでいるだろうが念の為確認をしておこうか」


「リオンさんお願いします」


「ここもそうだが、全ての原初ダンジョンに共通していることがいくつかある。その一つは五階層ごとに存在するボスを倒すことで、いつでもその階層から入ることが出来るというものだ。君たちが普段潜っている中型と呼ばれるものや小型と呼ばれるダンジョンにはないものだな」


「そもそも学園のダンジョンなどは階層が多くて十階層までだから、必要がないって事でそういう機能がないのかも知れませんね」


 レイネが学院になる今まで潜ったダンジョンを思い出しながら、確かにそういったショートカット機能はなかったと考えながら話す。


「そこは少し違う考えがあるが、まあ今はいいだろう、他の違いとしては最初の五階層以降は分岐するということだ」


「どういった振り分けになるとか法則性はあるのですか?」


「今のところ発見はされていないな、その分岐とて一階層から入り直せば同じメンバーだとしても変わるということだな」


「不思議ですね、その分岐後は他のパーティーとも出会うのでしょうか」


「ちゃんと出会う、分岐といっても五パターンずつしかないのでな。簡単にいうと六の一から六の五まであると思ってもらえれば良い、階層を上がれば七の一といった感じだな。十階層のボスを倒し十一階層に行けば、十一の一から十一の五と再度どれかのルートへ進むことになる」


「ルートでなにか違いがあるのでしょうか?」


 ミレイが尋ねると、リオンはうなずき答える。


「そうだな、例を出すとすると暑かったり寒かったりといった環境の違いや、出てくる魔物の属性が違ったりだ」


「それはパーティーの相性では辛いかも知れませんわね。ちなみに選んだりは出来ないのでしょうか?」


「出来たという例は未だに届いてきていないな」


「そうですか」


 ここまで話した所でリンネたちの順番が回ってきたようだ。


「リオンさんありがとうございます、それじゃあみんな行こうか」


「「「はーい」」」


 いつもどおりの緊張感のない返事を聞きながらリンネは原初ダンジョンへと一歩を踏み出し、レイネたちもそれに続いてダンジョンへと潜るのであった。リオンはリンネやレイネたちに続くようにダンジョンへのゲートへ踏み出しながら、一つだけ言っていないことを思い出した。


「(五つのルート以外にも、特殊ルートと呼ばれる特殊なボス部屋への直通ルートがあることをいい忘れていたな)」


 そうはつぶやいてみたが、リオンですら未だに一度だけしか特殊ルートには行っていない事から早々に行けるものではないと思っていた。ただ世間一般ではそのつぶやきはどこからどう見てもフラグというもので間違いないと思われた。


 リオンがゲートを抜けると、そこには草原が広がっていてリンネたちがリオンが来るのを待っていた。


「済まないまたせたね、ここは通常の一階層だな」


「通常以外のものってあるのですか?」


 リンネのその問いにリオンは特殊ルートについて語るのであった。それが果たしてフラグとなるのかはリンネたちが五階層のボス部屋へ挑み、勝利した後にしかわからないであろう。

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