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ユニーククラス戦乙女を獲得したのはいいのだが、その影響で美少女になったようだ  作者: 三毛猫みゃー


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第84話 年越し

 漫才のような一幕はあったものの、プレゼント交換会は終わり、他愛もないお喋りをして夜を過ごした。コスプレ組も寝るときにはちゃんと寝間着に着替えて布団に入った。そしてみんなが寝静まった深夜になった頃リンネは、レイネ、アカリ、ミレイの寝ている部屋へと侵入してこっそりとそれぞれにプレゼントを置いて行くのだった。


 リンネは気が付かれていないと思っていたようだが、実際はレイネ、アカリ、ミレイの三人は気配を感じて起きていたのだが寝たふりをしていたりする。中には夜這いか! などと考えた人物もいたようだが誰とは言及しないでおこう。


 それは別として、三人はリンネが部屋を出て行き、しばらくしてからプレゼントを持って今度はリンネの部屋へと向かったのだが、部屋を出た所で鉢合わせることになり牽制しあった結果協力してリンネの部屋へと忍び込んだわけだが結局プレゼントだけ置いて撤退することになったのは言うまでもないだろう。


 そんなクリスマスも終わり、次に何があるかといえばお正月だ。第一ダンジョン都市の中にも旧家が集まる区画に大きな神社が有り、毎年都市に住む人達はそこで初詣をしている。


 リンネは覚醒に失敗してからは初詣なども行っていなかったので、今回の初詣はかなり久しぶりになる。アズサとライチは正月は家の用事があるという事で初詣には不参加となり、中等部三人も遠慮しては別で行くとのことだった。


 大晦日の夜、リンネたちはテレビを見ながら年越しそばを食べ、日をまたぐのを待っていた。


「今年は色々あったね」


「そうだね」


「そうですわね」


 なぜか三人の視線はリンネに向いている。そんなリンネはうつらうつらと眠そうである。


「リン、そろそろカウントダウンが始まるよ」


 レイネがリンネの肩に手を置きゆさゆさとゆする。


「寝てないから起きてるから」


 頬をパンパンと叩いて目を覚ましたリンネが、叩いた頬を擦りながら立ち上がり一度伸びをする。リンネが時計を確認すると0時までは後一分くらいのようだった。そのままテレビからはカウントダウンの音声が聞こえてくる。


「「「5・4・3・2・1・ゼロー」」」


 テレビのカウントダウンが終わった。テレビからは「あけましておめでとう」の会話が聞こえてくる。


「リンネ、アカリ、ミレイア、あけましておめでとうございます、小鳥もよろしくお願いします」


 リンネが無難な挨拶をする。続いてテーブルに集まっているカリン、スズネ、リィンに向かっての挨拶を送る。


「カリン、スズネ、リィン、あけましておめでとう、出会いはとまどったけど旧年は世話になった、今年もよろしくお願いするよ」


「はい、リンネお母さんアカリお母さん、よろしく願いしますね」


「リンネママ、レイネママ、よろしくお願いします」


「リンネお母様。ミレイお母様、本年もよろしくお願いいたしますわ」


「みんなよろしくおねがいします」


 一通り挨拶を済ませたリンネたちだが、このまま初詣に行くわけではなく一度寝てから行くということになっているので、歯磨きなどを済ませてそれぞれが自分の部屋へ戻って眠ることになった。リンネだけでなく、レイネたちも普段は起きていない時間なのでお布団に潜ると眠りに落ちた。


 普段と同じ時間に起きたリンネは顔を洗い朝食の準備を始める。朝食の当番は順番が決まっていて今日はアカリが作る日だったのだが、夜ふかししたためにまだ起きてきていない。それは普段より遅くまで起きていたレイネとミレイも同様なので、それを想定してリンネが食事当番を買って出ている。


 お正月の朝はおせちを食べるのだろうが、流石にリンネでもおせちを作ることは出来なかったようだった。なので本日の朝食はいつもどおりの朝食になった。白米にお味噌汁漬物、目玉焼きにハムといったものだ。リンネが朝食を作る時は大体このメニューになる。


「ごめんなさい寝過ごしました」


「おはようアカリ、今日は朝の時間とか決めてなかったから気にしなくて良いぞ」


「リンおはよう、そう言われてもボクが当番の日だったからね。なにか手伝うことはある?」


「まずは顔洗っておいで、それから並べるの手伝ってもらおうか」


「了解」


 アカリは洗面所へ向かい、顔を洗った跡に戻ってきて手伝いを始める。そうしているうちにレイネとミレイもリビングにやってきて挨拶を交わす。


「おはよう」


「おはようございます、リン、レイネ、アカリ」


「レイネもミレイもおはよう、まずは顔を洗っておいで、それまでには朝食準備終わってると思うから」


「「はーい」」


 レイネとミレイが洗面所で顔を洗っている間に朝食の準備を済ませる。食後の珈琲などはそれぞれが自分で用意することになっている。


「それでは新年あけましておめでとうございます、みんな今年もよろしく」


「「「あけましておめでとうございます、ことしもよろしくおねがいします」」」


 リンネの言葉にレイネやスズネたちは声を揃えて挨拶を返す。


「それじゃあ、食べるか。おせちとかじゃなくてすまないな、流石に何も手本がないと作れそうにないからな、なんとか来年までには作れるようになっておくよ」


「ふふ、おせちって食べたこと無いから気にはなるけど、いつものリンのご飯は美味しいよ」


「そうだよ、ボクはリンのご飯好きだよ」


「わたくしも、おせちは気になりますが、リンが作ったものなら何でも美味しいと思いますわ」


「そう言われるとなんだか恥ずかしいな。それより食べようか初詣に行くための準備もいるからな、それじゃあいただきます」


「「「いただきます」」」


 初詣に関しては特にトラブルもなく無事に終えることが出来た。この時代には屋台や的屋的なものはなく、本当に神社へはお参りに行くだけになっている。それに自ら歩いて行かなくてもμα経由でお賽銭などもできる様になっているので、わざわざお参りをする人は思ったよりも少ない。


 リンネたちは物珍しさやリンネ自身が久しぶりだということもあって、お参りに自らの足で向かうのだが、神社では知り合いにも出会うことはなかった。こうしてリンネたちの冬季休暇は過ぎていき、新学期を迎えることになる。

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