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ユニーククラス戦乙女を獲得したのはいいのだが、その影響で美少女になったようだ  作者: 三毛猫みゃー


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第83話 プレゼント交換会

「はぁ、まあいいか、着替えるのは後でにして先にご飯食べてしまうか」


 なにか色々と諦めた感じのリンネがそう言って、食事の準備がされているテーブルへ移動する。それに合わせて皆もテーブルに移動して椅子に座る。


「それじゃあみんな好きな飲み物をグラスについで」


 皆が思い思いにジュースをグラスに入れて手に持つ。


「準備はいいかな、それじゃあメリークリスマス」


「「「メリークリスマス」」」


 皆で軽くグラスを打ち付け合い食事を始める。リンネがお風呂に入っているうちに温めておいたオードブルプレートは、ほぼ揚げ物ばかりだが、ちゃんとサラダなども買って来ている。流石にチキンまでは用意していないが、リンネたちは大いに食事を楽しんだ。


 そんな中でリンネは今年、自らの身に起きたことを思い出していた。あの日、覚醒の水晶を使ったがために覚醒と同時に女性になったことや、女学園に入ることになったこと、そしてアカリやレイネにミレイとの関係など、数年前どころか一年前には想像すらできなかった現在を思うと自然と笑みが浮かんだ。


「リン、なんだか嬉しそうだけどどうしたの?」


 レイネがそんなリンネを見て小声で尋ねた。


「一年前の俺に今日のようなクリスマスの事を教えても絶対に信じなかっただろうなと思ってな」


「あー、そうかも知れないね。あの頃のお兄ちゃんを誘ったとしてもきっと参加はしなかったかもね」


「俺もそう思う、それを考えると今のこの事は夢のようだなって面白くてな」


「夢じゃなくて現実だよ」


「わかってるって」


 リンネはレイネに軽く微笑む。それを見たレイネは頬を染めている。


「リン食べてるー?」


「リンこれも美味しいですわよ」


 アカリがリンネにのしかかり、ミレイがお皿に盛ったポテトをリンネの前に置くと勧めてくる。アカリもミレイもリンネとレイネの内緒話が気になったようだ。食事をたらふく食べた皆はこの後ケーキを食べるのだが、リンネはケーキは別腹といいながらぺろりと平らげるレイネ達を見て、別腹って存在するんだなどと考えていた。


 食事の後片付けも協力して終わり、一休みした所でプレゼント交換会の準備が始まる。リンネは相変わらずミニスカサンタ姿だが、色々と諦めたようで既にスカートを押さえるという行為はしていない。ただし動く度にチラチラと中身が見えていることは誰も指摘していないようだ。それぞれが自分が用意したプレゼントを手に持ち席に着席する。


「えっと、それでどうするんだ?」


「なにか音楽でもかけて右回りにでもしたらいいかな」


「音楽って言ってもあまり長いのだと困るよな」


「むしろプレゼントをこのまま置いて、ボクたちが回るとか」


「それでも良いですわね」


 案としてはプレゼントを隣へ渡していく、プレゼントをその場において自分たちが回る、くじ引きにする、じゃんけんなどなど色々と意見が出た所で、各プレゼントに番号を振ってのくじ引きで良いのではないかとなった。


 人数分の紙を切ってくじを用意して、順番にくじを引いていき描かれた数字のプレゼントをとっていく、最後に残ったプレゼントをリンネが手にとって交換が終わった。交換が終わったら開封となるのだが順番に中身を確認していくことにした。


 まずは中等部の三人から、一応は値段の上限を三千円までとは決めている。その三千円で何を買うかとなるとある程度絞れてしまう。ただ


「それじゃあ僕から行きます」


 ナルミが手に持つ赤い袋の口を開けて中身を取り出す。そこから出てきたのは指なしのグローブだった。


「わっ、これは助かるかも」


 ナルミは早速着けてみて感触を試している。ちなみに、わかっていても誰が用意したプレゼントかは追求しないようにしている。それを言い出したのがレイネな辺り不安ではあるが、反対する理由もないのでそうなった。


「それではまずは自分のを開けますね」


 ヒビキは青色の袋から中身を取り出す。中には今度は普通の手袋が入っていた。ナルミも取り出して付けている。


「温かいですね、これからの季節助かります」


「……開ける」


 次にキラリがガサゴソと取り出すと、中からは可愛い袋に入れられたクッキーが出てきた。さっそく一枚取り出して食べている。ナッツが入っているのかポリポリと音がする。


「……すき」


 それだけ言うと一枚ずつみんなに配り、キラリ本人ももう一枚取り出して残りは袋に入れなおした。


「キラリちゃんありがとうね」


「それじゃあ次はボクのだね」


 アカリが袋を開けると、中から赤いニット帽を取り出した。頭にポンポン飾りがついていて可愛い出来だ。


「どう? 似合ってるかな」


 頭にかぶると、髪色と合わさって似合っているのでは無いだろうか。


「それではわたくしのをあけますわね」


 ミレイが取り出したのは、ハートがかたどられたネックレスだった。


「あら、これはわたくしが用意したものですね」


「あー、そういう事もあるか、どうする? 他のまだ開けてないものと交換する?」


「いいえ、これでよろしいですわ。これも交換会の醍醐味だとおもいますわ。それにわたくしが良いと思って用意したものですから」


「ミレイがそれでいいならいいけど」


 こういった交換会だと自分の用意した元が手元に戻ってくるのはあるあるかもしれない。


「次はうちかな、どれどれ」


 ガサゴソと袋を開けて中身を取り出すと、出てきたのは少し大きめの赤と白の柄がついたマフラーだった。


「うちには少し長いかもしれないね、でもあったかいから嬉しいかな」


 ぐるぐると何周か首に巻いてみせるが、温かいを通り越して暑かったようですぐに外していた。


「家の中だと暑いから外で使うよ」


「わたし、です」


 アズサが取り出したのは、耳当ていわゆるイヤーマフというものだった。柄はアズサにとってはおおあつらえ向きな迷彩柄だった。誰が選んだのかはわからないがアズサは嬉しそうに早速耳にかぶせて見せている。


 残りはリンネとレイネになった。お互いに視線で会話した結果リンネから開けることにしたようだ。


「えっと、これは髪留めかな? こういうの使ったこと無いから似合うかわからないけどありがとう」


 最後のレイネに視線が集まる。


「えっと、これは私が用意したプレゼントだから開けなくていいよね」


 めちゃ挙動不審である、こうなっては逆に気になるのが人情といった所だろうか。リンネがアカリとミレイに目配せすると、二人はレイネの後ろにまわりレイネを羽交い締めにし始めた。


「ちょ、二人ともやめてー」


 そんなレイネから、リンへ袋をひったくると中身を取り出す。


「ねえレイネちゃん、これは何かな?」


「え、えっと入浴剤かな」


 リンネから目をそらしながら答えるレイネ。


「ふーん、へー、入浴剤なんだ」


「そ、そうだよ入浴剤だよ、お肌がすべすべになるんだよ、たぶん」


「ほうほう、ぬるぬる入浴剤? とろとろローションって書いてるけど何に使うのかな?」


「な、なんだろうね」


 どこからともなくライチがハリセンを持ってきてリンネに渡す。


「レイネさー、んなもんプレゼント交換に入れるんじゃない!」


 リンネの正論と共にバチンとレイネの頭にハリセンが叩きつけられるのであった。

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