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ユニーククラス戦乙女を獲得したのはいいのだが、その影響で美少女になったようだ  作者: 三毛猫みゃー


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第79話 リオンの違和感

 週末になり、リンネたちは中等部の三人のナルミ、ヒビキ、キラリと引き連れて覚醒者協会へと来ている。目的はそれぞれの武器のバージョンアップと、三人のために収納のブレスレットを貰うためだ。


 既にゲンタに相談を済ませて了承も貰っている。ちなみに今日はリンネとレイネに中等部の三人といったメンツになっている。アカリやミレイも最初は同行しようとしていたのだが、何か用事ができたようで二人はリンネたちよりも早い時間に家を出ていた。


 覚醒者協会第一支部の支部長室の前までたどり着いたリンネは扉をノックすると、中から入るようにと返事があった。


「おじさん来たよ」


「おうリンネとレイネか、それとそっちの三人が新しいパーティーメンバーだな」


 なにかの資料を読んでいたようで、紙の束を一つにまとめた後にリンネたちの方を向いた。そしてリンネたちの後ろにいた中等部の三人を見つけて声をかけてきた。


「初めまして、国立第一ダンジョン都市大学付属白桜女子学園中等部三年生、琉宮ナルミといいます」


「同じく中等部三年、旋空ヒビキです」


「宵夜、キラリ」


「霧影ゲンタだ、そこのリンネとレイネの叔父にあたる、ここ覚醒者協会第一支部の支部長をしている」


 一通り挨拶が済んだタイミングで、ノックもなく部屋の扉が開きリオンが現れた。


「ゲンタなにかようかい、特に予定があった覚えはないが──、ああリンネくんたちが来たのか」


「リオン、一応ノックはしろといつも言ってるだろうが、まあいいリンネたちの案内を頼む」


「了解だ、それでは早速行こうか、ついてきたまえ」


 リオンはそう言うと部屋を出ていく。リンネとレイネは顔を見合わせて仕方がないなと行った表情を浮かべてから、三人を促してリオンの後を追う。


「自己紹介がまだだったな、私は祭音リオンだ。覚醒者協会所属の研究者であり、国白桜女子学園の理事のひとりでもある。よろしく頼むよ、ナルミくん、ヒビキくん、キラリくん」


「僕たちのことを知っているのですか?」


「君たち三人をリンネくんのパーティーに入るようにしたのは私だからね」


「「えっ」」


 ナルミ、ヒビキが驚きの声を上げている。キラリは無言だが若干驚いているように見えなくもない。エレベーターが到着したので全員が乗り込むとエレベーターは地下へと向かう。リオンは三人に対して、パーティーへと入れた理由などを特に説明することはなかった。リンネたちは地下へとたどり着き、装備が置かれている部屋へ案内された。


「それでは好きに選びたまえ、私は君たち三人のブレスレットを用意してくるよ」


「リオンさんお願いします」


 リオンが去った部屋でナルミ、ヒビキ、キラリが装備を探し始める。リンネとレイネもなにかいいものはないかと部屋を回ってみるが所持しているものよりもいいものは見つからなかった。


 リオンがブレスレットを3つ持って戻ってくるときには、三人とも武器を選び終わり、それぞれが装備の具合を確かめている。ヒビキは新しいハルバードを選び、キラリは今まで使っていた杖に似たものを選んでいる。一番武器探しに困ったのがナルミだった。そもそもソードブレイカーが見つからなく、代わりに籠手を選んだ。


 戻ってきたリオンにソードブレイカーをどうにか付けられないかと無茶振りをした所「ふむ、やってみよう」と言って、工具を使いあっさりと付け替えていた。


「「ありがとうございます」」


 キラリは無言で頭を下げ、ナルミとヒビキが頭を下げお礼を言っている。


「礼ならゲンタにいってやるといい、ここにあるのはゲンタがダンジョンから拾ってきたものが大半だからな。ここにある以上のものを求めるなら、職人に頼むがいい」


「職人ですか」


「そうだ、値段は張るがオーダーメイドで作ってくれる。ナルミくんの籠手は一度専門の人間に見せるほうがいいだろう、所詮私がやったことは見様見真似というやつだからな」


「わたりました」


 ナルミがお礼を言った所で、リオンが持ってきた三つのブレスレットを三人に渡す。


「使い方は君たちが持っているものと変わらないはずだ、まあ色々試してみるといい

だろう」


「これが最新式の収納ブレスレットですか」


「まだ試作品ということになっているがね、もうそろそろ正式に売り出されるはずだ、気が向いたら使い勝手などを報告してくれればいい」


 ナルミ、ヒビキ、キラリはそれぞれお礼を言って、ブレスレットをはめて色々と機能を試している。


「リンネくんとレイネくんにはこれを、私とゲンタの知り合いの武器職人だ、リンネくんたちのパーティーは進みが早いからな、一度相談してみるといい。あとはそうだな学園のダンジョンで装備品の素材を落とすダンジョンがあるので、そちらに潜るための申請をこちらでしておこう」


「いいのですか? 流石に依怙贔屓が過ぎる気がしますけど」


「構わないだろう、リンネくんたち以外のパーティーも実力があれば個別に申請しているからな。むしろリンネくんたちの実陸なら素材のダンジョンにもっと早くに潜っていてもいいくらいだな」


「そうだったのですか、そういう事なら申請の方をお願いします」


「ああ、任された。それでは今日はもう帰りたまえ、ゲンタには私の方から帰ったと報告をしておく」


「よろしくお願いします。レイネ、ナルミ、ヒビキ、キラリ、今日は帰るよ、それではリオンさん今日はありがとうございました」


「「「ありがとうございました」」」


 ダンジョン協会から外へ出た所で中等部の三人と別れたリンネとレイネは歩いて家へ向かっている。


「リンネママ、レイネママ、今日のリオンさんはどこかおかしくなかったですか?」


「特に変わらなかったと思うけど、スズネはなにか感じたって事か?」


「リオンさん少しリンを見る目が怪しかった気がする」


「えっ? マジで? 全然気が付かなかったけど」


「私だから気がついたんだよ、リンの貞操を狙うあの女豹のような目を」


「レイネママ、全然違いますからね、わたしが感じた違和感はそんなのじゃなかったですからね」


「レイネ……」


「あ、あはは、冗談だから、えっとそれでスズネは何を感じたの?」


 レイネがごまかすようにスズネに問いかける。


「その、よくはわからなかったのですが、なにか変わっているような気がしたのです。それがなにかはわからないですけど」


「んー、私も特に何も感じなかったけどね」


「そうですか、なら気のせいかもしれませんね」


「俺たちは気づかなかったけど、もしかしたら何かあったかもしれないからな、今度あった時は注意して見てみる」


「そうだね、一応みんなにも相談しておこうか、あとゲンタおじさんにもメッセージを送っておくよ」


「それがいいかもな、頼むよレイネ」


「はーい」


 結局この日からしばらくの間、リオンと会うことは無く、その結果この事をリンネもレイネもスズネも忘れてしまうのであった。

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