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ユニーククラス戦乙女を獲得したのはいいのだが、その影響で美少女になったようだ  作者: 三毛猫みゃー


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第78話 今後の方針

 ゴブリンが出る高等部のダンジョンだが、中等部のダンジョンと違う部分がある。それは中等部のダンジョンが五階層なのに対して、高等部のダンジョンは十階層まであるということだ。階層が増えれば魔物の種類も変わって来る。


 中等部のダンジョンも高等部のダンジョンも五階層までは出てくる敵は変わらない。ただリンネたちが戦うことになったゴブリンキングは出てこない。五階層のボスはゴブリンナイトで、それ以下の階層はゴブリンから打って変わってオーガが出てくるようになる。


 ゴブリンが小鬼と呼ばれる関係なのかもしれないが、大鬼という事でオーガなのかもしれない。真相は誰にもわからないがそうなっている。そもそもリンネたちがこのダンジョンに入っている理由は、中等部の三人の課題のためだったが、それも早々に終わらすことが出来た。


 そこで試しに六階層へ行ってみようということになり、九人揃って行ってみたわけだが苦戦することになった。まだ高等部の六人はまだしも、中等部の三人の武器では傷一つすら付けられなかった。


 リンネたちにしても余裕があるということはなく、なんとか倒すことができると言った所だろう。まだ六階層はオーガが一体しか出てこないのでなんとかなったが、複数体が出てくると対処できないという事でμαのマップデータを頼りに早々に逃げ出すこととなった。


 この高等部のゴブリンダンジョンは本来は高等部三年生が入るダンジョンなので、まだ早いということになる。そこでリンネたちは今後について話し合うことになった。



 リンネたちはフリードリンクを頼み食堂の箸へ陣取る。


「今日集まってもらったのは今後について話しあおうと思ってね」


 リンネが集まった高等部組と中等部組を見回して話し始める。


「最初の予定通り中等部の三人の課題は終わったわけで、私たち高等部に課された課題も終わったことになります」


 リンネは中等部の三人がいる前ではなるべく「私」というようにしている。たまに戦闘中「俺」と言いかけるのは仕方ないのかもしれない。


「それで今後どうするかだけど、どうしようかみんなの意見を聞きたい」


「僕たち三人は先に話し合った結果、先輩方にお任せしようと思います」


 ナルミが中等部を代表してそう答える。


「ヒビキとキラリもそれで良い?」


「はい自分も先輩方に従います」


「……」


 キラリは黙って頷いている。仮にも先輩であるリンネたちにその態度はどうなのかと思われそうだが、リンネたちは特にそれを不快などと思ってはいなかった。意思の疎通さえできれば問題ないといった感じである。


「という事で、みんなはどう?」


「私はこのままでも良いと思うけど、ただナルミたちもパーティーをバラける感じにしてもらうけどね」


 レイネはそう言っているが、本当の所はこれ以上一緒にいるとスズネたちワルキューレの秘密が知られてしまうのではないかとも思っている。いざとなった場合、ためらわずワルキューレ化するだろうからである。


 ただそれでも、中等部の三人には特に嫌な感じもなく仲良く出来ているのもある。特にナルミとは絶ぺ、双璧をなすほどの同志だとお互いに思っている。なにが双璧なのかは諸兄のご想像にお任せしたいと思う。


「ボクもこのままでも良いかな、仮に期間を決めるならナルミたちの元々組んでいた子たちの課題が終わるまでとかかな?」


 リンネたちのパーティーは御存知の通り学年でトップを行く優秀なパーティーだ。そのためリンネたちのパーティーへ入ることになったナルミたちは運が良かったとも言える。その弊害と言っては何だが、そのせいでナルミたちの元メンバーは未だに課題をこなすことが出来ていないわけだ。


「その問題もありますわね、ここで三人と解散してしまいますと三人にはあまり良いことではないですわね」


 ミレイはここでナルミたちと別れるのは放り出すようであまり良い気がしないようである。確かにナルミたちと解散をしてしまうと、三人はしばらく三人でのダンジョン探索となる。実力は十分なので問題ないだろうが、それでもモヤモヤしたものがくすぶるような気がしている。


「うちもこのままでいいと思うけど、確か最長で三人が高等部に上がるまでだよね。状況によるだろうけど、ナルミたちが高等部に進学しても組んでもいいからね」


 ライチが言うように、高等部になると上下の学年でパーティーを組む例もある。パーティーのバランス的なものもあるが、高等部二年になるとレイド規模のダンジョンも課題になるからだ。


 そういう場合は複数パーティーで挑むことになるのだが、同学年だけではカバーしきれなかったりもするようだ。そのため学年を超えてのパーティーを臨時で組むことは意外と多い。


「わたしも、みんなと同じ、です」


 アズサも問題ないと言うことだ。まあアズサの場合はライチさえいれば良いといった考えであったりする。


「というわけ、ナルミ、ヒビキ、キラリ、今後ともよろしく」


 大丈夫だと思っていても緊張していたようで、三人ともほっと胸をなでおろしている。


「改めてよろしくお願いします」


「皆様今後ともご指導願います」


「おねがい……します」


 ナルミとヒビキに続きキラリが小声で話した。その事にリンネを始めナルミとヒビキも驚いている。


「あーキラリちゃんの声って久しぶりに聞いたかも」


 レイネは立ち上がるとキラリの近くへ寄って、おもむろに頭をナデナデしている。キラリ自信は嫌がる素振りはないが、下を向いている顔はこころなしか赤くなっているように見える。


「レイネ、キラリが嫌がってないからってそういう事やってると嫌われるぞ」


「もしかしてリンは嫉妬してるのかな?」


「んなわけあるか、まあいい、それでは今日は解、。明日からは元々私たちが入っていたダンジョン攻略になるから」


「「「はーい」」」


 こうして、臨時で始まった高等部と中等部のパーティーは継続されることになった。

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