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ユニーククラス戦乙女を獲得したのはいいのだが、その影響で美少女になったようだ  作者: 三毛猫みゃー


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第77話 中等部三人組の実力

「はぁ」


「せいっ」


 リンネたちの目の前で三人の少女がゴブリンと危なげなく戦っている。


 一人は海のように澄んだ青い髪色のショートヘアの少女だ。古武術のような動きをしており、腕全体を覆うような籠手を付けており、その籠手には手首から肘に掛けて櫛状の峰が複数付いている。いわゆるソードブレイカーというやつだ。


 一人はポニーテイルにしている茶色の髪たなびかせ、ハルバードを振るっている。その威力はゴブリンを数匹まとめて吹き飛ばしている。


 一人はとんがり帽子をかぶり真っ黒なローブを着ている。腰ほどまである髪は闇色をしていて、手には魔法使いを思わせる節くれだった杖を持っている。


 そんな三人は複数のゴブリンを殲滅した後にドロップ品を拾いリンネたちの元へ駆け寄ってくる。


「三人とも十分に戦えてるな」


「ボクたちがいなくても問題ないように思える」


 リンネたちは今パーティーを2つに分けて活動をしている。流石にリンネ、レイネ、アカリ、ミレイ、ライチ、アズサの5人に、中等部の3人が加わると大所帯になってしまうためローテーションを組む形でダンジョンへ潜っている。といっても、同じダンジョンに潜っているわけで、助けを呼べばすぐに合流できる距離を保っている。


「どうですか僕たちの戦いは」


 格闘で戦っていた少女がリンネに向かって尋ねてくる。


「問題ないよ、これならもっと下の階層まで行けそうだな」


「それではもっと深くまで潜りましょう」


 ハルバートを振るっていた少女が、もっと先に行きたいといきこんでいる。


「できればボクもそうしたいのだけど、今日はもう帰る時間だね」


 最後の一人の魔女っ子は黙っていて二人の少女の後ろにたっている。


「まあそうだな、明日から本格的にダンジョン攻略をはじめるという事で、今日は大人しく帰ろうな」


「わかりました、リンさん」


 元気よく答える格闘少女。リンネは帰るということを近くにいるであろうレイネにμαでメッセージを送り、帰路についた。途中に出てくるゴブリンたちは、リンネとアカリが瞬殺して進んでいる。その戦闘は先程の三人の戦いが霞むほどの速さで倒している。


 出口のゲートが見えた所でレイネたちと合流を果たし、この日のダンジョン探索は終えた。



 少し時は戻り数日前の放課後。リンネたちと中等部所属の三人の少女は食堂に集まり自己紹介を始めている。最初はリンネから始まり全員の自己紹介が終わった所で、中等部の三人の自己紹介が始まる。


 まずは澄んだ青い髪をしたショートカットの少女が立ち上がり自己紹介を始める。


「初めまして、僕は中等部三年の琉宮りゅうぐうナルミです。戦闘スタイルは古武術を使って戦います、クラスは武闘家になります」


 ナルミは押忍という感じで両腕を一度クロスしてから両脇に腕を送り、頭をペコリと下げて席に座る。次に立ち上がったのは、身長が180cm程はありそうな男装の麗人と言われそうな整った顔立ちの少女だった。茶色の髪をポニーテイルにして一つにまとめている。


「お初にお目にかかります、自分は中等部三年の旋空せんくうヒビキと申します。クラスは騎士、武器はハルバードを使っております、よろしくお願いします」


 ヒビキはどこかの国の貴族のように片腕をお腹にあてて優雅にお辞儀をして、イスに座り直した。最後に長い黒髪を顔の前にもたらした、どこか不気味にも見える少女が立ち上がった。髪は闇のように黒く食堂の明かりを受けても全く光を反射していない。


宵夜しょうやキラリ、クラスドルイド……です」


 キラリはそれだけいうと座ってしまった。普通なら先輩に対して失礼なといった反応があるものなどだが、なぜかリンネたちは特に責めたりすることなく頷くだけにとどめている。なにげに一瞬だけ視線がアズサに向いたのはきっと気のせいだろう。


「三人ともよろしく」


 リンネが猫を被りまくりなスマイルを三人に向けている。それを見たレイネたちの共通認識としては、三日も持たないだろうというものだった。


「さてとそれじゃあ今後の予定なども決めましょうか」


 ここで色々と話し合った結果、取り敢えずは三人の実力を見ようということになり、潜るダンジョンも学園から許可をもらいヒト型のゴブリンなどが出る高等部ダンジョンに入ることを決めた。


 リンネたちが最近まで潜っていた動物型のダンジョンのほうがいいのではという意見もあったが、リンネも体験した中等部の課題をこなすのが良いのではという事でこうなった。


 それが決まると、次はパーティー分けになる。まずは中等部の三人とリンネたちから二人参加する形になったのだが、それの組み合わせで話が長引くことになった。ライチとアズサは早速ペアとなり、残りのペアがなかなか決まらなかった。このままじゃ埒が明かないと思ったリンネは先に中等部の三人には帰ってもらうことにした。


「こっちの話はまだ決まらないと思うから三人は先に帰ってもらおうと思う。それではダンジョン攻略は明日からという事で、先生への報告はこちらでしておくから」


「わかりました、それじゃあ明日からよろしくお願いします」


 ナルミが元気よく頭を下げ、それに続きヒビキとキラリも頭を下げ、三人は帰っていった。三人は現在、学園の学生寮で生活しているとのことだった。


 そして話し合いは続き、下校時間ギリギリまでかかり最終的には、ライチとアズサのペアが参加する時以外は、リンネともう一人といった振り分けになった。リンネに一番負担がかかることになるのだが、リンネ自身は特に反論することはなかった。


 リンネにとってはパーティーリーダーということや、一番年上という事もあり、レイネたちよりも年下である中等部の少女たちの世話をするのはあたり前なことだと認識していた。


 そして何回かメンバーを変えながらダンジョンへと潜り、リンネたちは中等部三人の課題を手伝いながらも階層を下へ降りていく。

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