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ユニーククラス戦乙女を獲得したのはいいのだが、その影響で美少女になったようだ  作者: 三毛猫みゃー


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第73話 リオンの変化

 丁度リンネたちが着替えを終えた所へリオン、カナ、シラベがお風呂に入りにやってきた。三人とも顔色が悪いようで昨晩は遅くまでお酒をたらふく飲んでいたとのことだった。そんなリオンたちと入れ替わるように着替えを終えたリンネたちは幸子が用意した朝食を食べている。


「ダンジョン攻略してしまったけど今日はどうするんだろうか」


 お米にお味噌汁、おかずとして卵焼きと焼き鮭にお漬物というオーソドックスな朝食を終えたリンネたちは、幸子が用意したお茶を飲みながらくつろいでいる。


「もうダンジョン都市に帰らないといけないのかな」


「はじめてダンジョン都市から出たけど、ボクはある程度満足かな」


「そうですわね」


「うちもみんなとこれて楽しかったかな」


「また来たい、です」


「明日の朝に帰ることになるから、今日はバカンスを存分に楽しむといい」


 リオンたちがお風呂から上がってきたようで、休んでいるリンネたちにそう言った。顔色は普通に戻っているようでお酒もある程度抜けているようだ。


「帰るのは明日になるのですね」


「私はダンジョンのあった場所の調査をするのでね、帰還は明日になる」


「夜は花火を用意しておくから楽しみにしておいてね」


「花火ですか?」


「知ってるかな、手で持つタイプの花火になるけどね、幸子さんが保存していたのを出してくれたんだよ」


 リンネたちは花火というものを見たことがないのでどういった物がよくわからないでいた。知識としては知っているがそれは打ち上げ花火であり、手に持って楽しむ花火の事は知らないでいる。


「夜はわしがうまい飯を用意しておくでな、腹をすかせて戻ってくるといい。昼は弁当を用意しておくでな、持って行くとよい」


 リオンとカナとシラベの朝ご飯を運んできた幸子がリンネたちにそう言って部屋を出ていった。


「んーみんな今日はどうする?」


「海に行くのは決定として泳ぐ?」


「ボクはそれでも良いかな」


「うちは日陰でお昼寝でもしようかな」


「わたしもライチと一緒に休む、です」


 一人黙っていたミレイは朝ご飯を食べているリオンの側によった。


「わたくしは後学のためにリオンさんについて行ってもよろしいでしょうか」


「別に構わないが、ミレイくんは、ああそうかよし色々と教えてあげようか」


「よろしくお願いいたしますわ」


 どうやらミレイはリオンと共にダンジョンのあった跡地へ行くようだった。


「私は幸子さんといっしょに晩御飯の用意をするわね」


「なら海は私が引率で着いていきますね」


 カナは家に残り幸子と共にすごし、シラベが海へついていき引率をすることになった。


「すまないなシラベ、リンネくんたちのことは頼むよ」


「ダンジョンではあまり役に立てなかったので、これくらいは任せてください」


 こうしてそれぞれが分かれての行動となったが、分かれて行動をする前にやることがあった。全員が家を出た所でμαの電源をオンにしてリィンの紹介をする。


「初めまして皆様、わたくしはリンネお母様とミレイお母様の娘でリィンともうしますわ」


 綺麗なカーテシーで挨拶をするリィンの衣服は、オーソドックスなシスターの装いとなっている。この装いがリィンの普段着なのだろう。ちなみにスズネは普通の巫女服で、カリンは赤いワンピースを着ていて、サラは陰陽師の装いとなっている。


 今はこういった装いだが、実のところワルキューレもブリュンヒルドも好きに衣服を着替えられたりするようだ。ただそれぞれに好みの衣装があるようで大体似たような服装姿になる傾向がある。ちなみにワルキューレもブリュンヒルドも当たり前ではあるが衣装代はタダだ。


 一通り挨拶も終わりそれぞれが分かれて行動を始める。リンネ、レイネ、アカリは水着に着替え早速海水浴へ向かい、シラベはそんな三人を眺めており、ライチとアズサは海の見える場所にある日陰でお昼寝を始めている。カナは予定通りに幸子と共に晩御飯の用意を始めている。


 そしてリオンとミレイはダンジョンの跡地へ向かい、様々な機材を使っての調査を始めようとしていた。


「それでミレイくんは私に何が聞きたいのかな」


「わかりましたか」


「なんとなくだがね」


 リオンとミレイは作業をし記録を取りながら会話を続ける。


「では単刀直入にお伺いいたしますわ。リオンさんあなたは何者なのでしょうか?」


「ふむ私が何者かと聞かれれば、私は私だ、としか言えないな」


「それは……、ですがわたくしが初めてお会いしたリオンさんと、今のリオンさんはまるで別の魂の色をされていますわ」


「ほうミレイくんは魂の色が見えるのかね」


 リオンは作業の手を止めミレイと目を合わせる。


「ええそうですわ」


「それは興味深いな」


「それに、わたくしとリンがリィンを生み出した直後にも色が変わっておりましたわ。そしてワルキューレとブリュンヒルドが新たに生まれる度に魂の色が変わっているようにおもえましたわ」


「はははは、正解だよミレイくん、だがね結局魂の色が変わろうと私は私で間違いないのだけどね」


 作業を進めながら少しずつ会話を重ねるミレイとリオン。一通り記録を取り終わった所でリオンは休憩を提案する。二人は手頃な日陰へと入り地面に座り込む。


「私は私という言葉を信じた上でしばらく時間をもらえないだろうか、今はまだ自分でも情報をまとめきれていないわけなのでね」


「それは……、わたくしたちと関わりがあることなのでしょうか」


「そうだな、ふむそれではこれだけは教えておこうか。私の魂の色が変わった理由だがね、ワルキューレそしてブリュンヒルドがこの世界に生まれた時に異なる世界の私の魂も共に送られてきているとでも言えば良いかな」


「別の世界、ですか? それではまるで、いえ、そういうことですのね。にわかに信じられませんがそれなら魂の色が変わっていたことにも納得がいきますわ」


「そういうわけで、まだ君たちに話すのは早いと思っているのだよ」


「そうですわね。それよりもそれはリオンさんに悪影響はありますの?」


「今のところはないね、むしろ知らない知識が手に入って面白いくらいだ」


 ミレイから見てもリオンが嘘をついているようには見えなかった。それに黙っていた理由もなんとなく察することが出来たようだ。


「それではわたくしは黙っておきますわ」


「助かるよ」


 そう言って立ち上がるリオン。


「それでは続きを始めようか」


「わかりましたわ」


 再び機材の元へ行き記録を開始するリオンとミレイであった。

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