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ユニーククラス戦乙女を獲得したのはいいのだが、その影響で美少女になったようだ  作者: 三毛猫みゃー


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第72話 リンネ×ミレイ=◯◯

「ここは……、ここがみなさんの言ってらした仮想空間というものなのですわね」


 何も無い真っ白な空間で意識を取り戻したミレイは、辺りをキョロキョロと見回している。そして気がつけば裸だった姿がいつの間にかシスターの装いへと変わっていた。


「ミレイごめん、ついやってしまった。体の方は覗き見をしていたレイネたちが、なんとかしてくれたみたいだから心配しなくてもいい」


「あら、レイネたちは見ておられましたのね」


「そうみたいだね、まあ気が付かなかった俺たちも悪いし、結果的に助かったから何も言えないな」


「そうですわね、それでここからどうしたらいいのかしら」


「ああそれは、あったあれだ」


 リンネはミレイの手を取り、見つけた繭へと歩いていく。流石に三度目となると繭を見つけるためのコツのようなものを掴んだようだ。繭に近づくにつれ、ミレイの目にもゆっくりと明滅を繰り返している繭の存在に気がつく事が出来たようだ。


「これがそうなのですわね」


「うん、これがそうだよ」


 二人が繭の前にたどり着いた時、二人の頭の中に言葉が浮かんできた。


「この中にわたくしとリンの……」


「それで、ここまできてなんだけど、ミレイはいいの?」


「ふふふ、今更ですわね、むしろずっと待っていましたのよ」


「そっか、それじゃあミレイよろしく」


 リンネはミレイに手を差し出し、ミレイはその手をそっと握る。二人は一度視線を交わして繭に顔を向ける。そしてリンネとミレイは、空いている方の手を繭に触れさせる。


 二人の手が繭に触れると同時に、繭が光の粒子となり消え始める。そのさまはリンネが覚醒した時と同じように見えた。そして繭が全て光となり消え去った後には身の丈50cmほどの少女が空中に浮かんでいるのが見て取れた。


 ツインドリルを備えたプラチナブロンドの髪は、光の角度により金にも銀にも見える。その髪型はいわゆる縦ロールというものである。服装は白銀の貫頭衣ワンピースを着ており、胸の膨らみは二人よりも大きいように見えた。


「この子がわたくしとリンの子どもなのですわね」


「そうなるかな。もう三人目だし全員違う相手との子どもって言われると、なんだかすごく変な気持ちになるな」


「ふふふ、リンは浮気者ってことですわね」


「浮気、浮気になるのか?」


 そんな会話をしていると、目の前にいる少女の目が開いた。その瞳の色は髪の色と同じで角度によっては銀にも金にも見える不思議な色彩をしている。


「リンネお母様、ミレイお母様、初めまして。わたくしはお母様お二人の生体情報により生み出されたワルキューレとなります、よろしお願いいたしますわ」


 そう言って少女は綺麗なカーテシーを決める。


「あっ、そう言えば名前を考えてなかった。ミレイは何かいい名前思いつかない?」


「名前ですか……、少しお待ちくださいませ」


 リンネとミレイはうんうんと、うなりながら名前を考えている。その間少女は空中に浮いたまま待っている。


「そうですわね、リィンなんてどうかしら」


「リィンか、なんか鈴の音っぽくて良いんじゃないかな」


 リンネとミレイが確認するように少女へと視線を向ける。


「リィンですか。わかりましたわ、わたくしはこの時よりリィンと名乗らせていただきますわ」


「そういうわけでよろしくリィン」


「よろしくお願いしますわね、リィン」


「はい、リンネお母様、ミレイお母様」


 こうしてリンネとミレイは新たにリィンというワルキューレを生み出すことに成功したのであった。



 リンネは意識を取り戻した。だがなぜか全く身動きが出来ない状態で床に転がされていた。顔を動かして周りを見てみるとそこが脱衣所なのはすぐに分かった。そして近くにはタオルでぐるぐる巻きにされているミレイがもがいているのが見てとれる。


 そこでリンネは自分たちが湯船に浸かったまま口づけをして、仮想空間に入り込んでいたことを、そしてその時に脱衣所からレイネたちが覗いていたことを思い出した。つまりはこの状況を作り出したのはレイネたちなのだということに気がついた。


 ただ身動きは出来ないが、髪もタオルで包まれており体に巻かれたタオルも少し水気を吸って湿っているがあまり寒さを感じない。リンネは一度落ち着きタオルの緩いところをなところを探し、タオルから抜け出すことが出来た。そして脱出に成功したリンネはミレイを助け出すことに成功する。


「リンネお母様ミレイお母様、わたくしは少し家からでておりますわね、外には他のワルキューレの方も居られるようですから」


「あっ、そうだね、スズネたちにはよろしくと言っておいて」


「わかりましたは、それでは失礼いたしますわ」


 リィンが消えたのを確認してリンネは起動していたμαをオフ状態にする。


「はぁ、もう一回お風呂はいろうか」


「そうですわね、そういたしましょうか」


 リンネとミレイは一緒に浴場へと続く引き戸を開くと、浴場へ入り込む。


「あっ、二人ともおかえり」


「レイネお前、俺の胸揉んだだろ」


「そ、そそそそんなことしてないよ」


「カマかけただけなのに、お前ってやつは」


「なっ、リン引っ掛けとかひどい」


 リンネは一度かけ湯をしてからお湯に入るとレイネの横に座る。


「風邪をひかないようにタオルを巻いてくれてたんだろ? 流石に抜け出せないほど頑丈にするのはどうかと思うがな」


「あはは、えっとそれで無事ワルキューレを生み出せたんだよね」


「ああ、今はスズネやカリンの方に行ってるから、紹介は明日になるだろうな」


 リンネの言葉を聞いたレイネは、ミレイの方へと移動して横に座る。


「ミレイ良かったね」


「ありがとうございますわ」


「ミレイおめでとう」


 アカリも側によってきてミレイを祝福する。


「アカリもありがとうですわ」


 ライチとアズサもそれぞれミレイに言葉を送っていた。ひとり残される形になったリンネは、疲れのためか体が温まった所で少しの眠気と空腹を感じていて、そろそろ上がろうかと立ち上がった。


「それじゃあ先に上がってるから」


「あっ、そうだね、話はこのあたりにしておいて、私たちもあがろうか」


 レイネの言葉にみんなが頷き、ぞろぞろと脱衣所へ向かうのであった。

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